第35回 193センチの剛腕・赤塚 健利(中京学院大中京)の大化けのきっかけは「トルネード投法」2019年08月12日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

 193センチ105キロと今大会一のスケール感を持つ赤塚 健利中京学院大中京)が北照戦で全国デビューを果たした。真上から振り下ろすフォームから繰り出すストレートは常時140キロ台・最速148キロを計測し、さらに角度もある。

 そして、武器である直球一本でほぼ勝負する。今の高校野球界はプロ野球の影響を受け、カットボール、スラッター、ツーシーム、チェンジアップなどを投げる投手が多くなっているが、赤塚はどこを吹く風。変化球は、緩いスライダーのみで後はほぼストレートで押し通す。そんな赤塚にロマンを感じる方もいるのではないだろうか。

148キロのきっかけはフォーム改造


 試合後の取材では、赤塚に取材が集中した。中学1年生時には180センチ台だったこと、背が大きすぎて服のサイズがなかったこと、背の大きさと身体能力の高さにサッカー部、バスケ部から勧誘を受けたことなど長身エピソードは赤塚の場合、事欠かさない。

 今回はこれほどスケール感のある赤塚がいかにわくわくする投手に育ったか。入学当初から192センチ台だった赤塚。球速は120キロ台。そこから少しずつトレーニングを行い、球速は130キロ後半まで速くなったが、制球力もまとまらなかった。そこで取り組んだのは、フォーム改造だ。2年秋、コーチからトルネード気味に投げることを勧められ、半年間行った。すると横振りだった投球フォームが縦振りになった。

 縦振りで投げるためには、軸足にしっかりと体重を乗せてから、投げることが大事になるが、以前の赤塚はそれができなかったこと。その使い方を覚えるためにトルネード投法に取り組んだのだ。

 赤塚のポテンシャルを開花させた「縦振り」の考え方は中京学院大中京の中では共通している。エース・不後 祐将も体重移動がうまく、縦振りで投げられる投手だが、これも中京学院大中京の指導があってこそだ。

 ただ赤塚だけ徹底させているのは変化球はあまり投げさせず、ストレート一本のみで磨かせていること。北照戦で投じた37球のうち変化球2球だけだった。変化球を習得しようと思ったが、うまく投げられず、指導者からもストレートをしっかりと磨けと諭された。それが148キロにつながった。

 中京学院大中京のスタッフは、赤塚が本格化するのは、高校を卒業してからと見ている。センスが優れたエースの不後とは違い、体重103キロの赤塚が1つの動きを習得するのに時間がかかる。動きを調整する能力、表現する能力などを卒業後に身につけてほしい考えのようだ。
 次は東海大相模戦。赤塚は言う。
「まっすぐ1本しかないので、それがどれだけ通用するか試したいです」
今の時代、ストレートだけで勝負する投手も珍しい。ピークは高校ではない。大成するまで時間をかけてみていきたい。そう思わせるだけのロマンが赤塚にはある。

(記事・河嶋 宗一

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第110回 センバツ出場校に対しての救済策を考える 「選抜出場を勝ち取っていた学校で甲子園大会を!」【高校野球コラム】
第110回 センバツ出場校に対しての救済策を考える 「ピンチをチャンスに」思える発想を! 私が考える「代替案」【高校野球コラム】
第110回 センバツ出場校に対しての救済策を考える 「休養日を有効に活用しての特別試合を実施!」【高校野球コラム】
第108回 島袋洋奨(興南出身)、今井達也(作新学院出身)などの現在地。過去10年間の甲子園優勝投手の歩み【高校野球コラム】
第108回 履正社初優勝で幕が閉じた2019年の甲子園。注目15校の逸材の進路を公開【高校野球コラム】
第1073回 岐阜を代表する二刀流・元 謙太(中京学院大中京)。来季は同世代の投手に負けないピッチングを目指す! 【2019年インタビュー】
第1045回 アイツは真ん中に構えるだけでいい。剛腕・赤塚健利の持ち味を引き出した藤田健斗の操縦術【後編】 【2019年インタビュー】
第1047回 甲子園4強に導いたプロ注目捕手・藤田健斗(中京学院大中京)のクレバーさに迫る 【後編】 【2019年インタビュー】
第1042回 周囲から高評価も慢心は一切ない好捕手・藤田健斗(中京学院大中京)が成長できた「客観的視点」【前編】 【2019年インタビュー】
第1042回 規格外のスケールを誇る剛腕・赤塚 健利(中京学院大中京)の能力を引き出した「2つの教え」【前編】 【2019年インタビュー】
履正社vs中京学院大中京【2019年 第74回国民体育大会 いきいき茨城ゆめ国体】
中京学院大中京vs八戸学院光星【2019年 第74回国民体育大会 いきいき茨城ゆめ国体】
星稜vs中京学院大中京【第101回全国高等学校野球選手権大会】
中京学院大中京vs作新学院【第101回全国高等学校野球選手権大会】
中京学院大中京vs東海大相模【第101回全国高等学校野球選手権大会】
中京学院大中京 【高校別データ】

プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム