初出場の飯山。1対20で敗れたが、その中で光る投手がいる。それが2年生右腕の常田 唯斗(ときだ ゆいと)だ。181センチ70キロの細身の体型から繰り出すストレートの最速は144キロ。低めにぐっと伸びる角度あるストレートは絶品だ。しかし仙台育英打線につかまり、13失点を喫した。それでも常田には大きな将来性を感じさせる。

仙台育英打線と対戦した経験を生かす


 何もかも打ち返された。

 長野大会では自信を持っていたストレート、変化球もことごとく打ち返された。

 4回途中から登板した常田は、140キロ前半・144キロを計測したが、5回裏には10点を取られた。
 「仙台育英さんは甘く入ったら逃さず打ち返しますし、ストレートも低めに投げたのですが、それも打ち返されてさすがだなと思いました」

 13失点を喫したが、4.1回を投げて7奪三振を記録した。長野大会では18.1回を投げて、16三振を奪った。今大会は140キロを計測する投手は多いが、ただスピードだけではなく、角度も兼ね備えた素晴らしいストレートで、仙台育英打線ではなければ、もっと抑えていた投手だった。120キロ後半のスライダーもよい。

 飯山市城南中出身。全国大会出場もなく、県大会1,2回戦負けと大きな実績があるわけではない。進学理由は
 「近いところにいきたかったですし、地元で甲子園にいきたかった」
 自宅からは自転車で5分で通える飯山高の進学を決断。高校1年夏には、最速140キロを計測。吉池拓弥監督は「今ほどストレートのスピードはなかったにですが、伸びがあり素晴らしいストレートを投げていました」

 冬が明けると、コンスタントに140キロを投げられるまでに成長。常田自身も「低めに角度のあるストレートを投げられるようになりました」と手ごたえを感じていた。そのストレートを武器に長野大会を勝ち抜いた。

 仙台育英戦では自慢のストレートが通用しなかった。それでも少しずつ失点を抑えられ、8回裏に無失点に抑えたことについては「そこは自信になったと思います」

 現在の課題について吉池監督は「ストレートは良いですが、仙台育英打線と対戦したことで、打たせて取るボール、空振りを奪えるボールが課題になったと思います」

 常田も「コントロールや低めに投げるボールや、変化球の精度が良くなくて、今日はストレートばかりになってしまったのも反省点ですので、秋へ向けて、そこは改善して、そして再び甲子園に戻っていきたいと思います」

 決意を新たにした。

 今の伸びのあるストレートがさらにレベルアップし、三振を奪える絶対的な変化球を身につけば、もっと注目される投手となるだろう。

 吉池監督はここまでの常田の成長は順調なステップを歩んでいると評価する。
「ここまで順調な成長を見せていますし、、甲子園で全国レベルの強豪校と対戦できたことは良い経験になったと思います」

 まだ常田の高校野球は続く。人口約2万人の飯山市の期待の星になるべく。来年も甲子園に出場して、勝利して飯山市民、長野県民を笑顔にさせる。

(記事・河嶋 宗一