逆転劇は飯塚 脩人の三者連続三振から始まった。飯塚は習志野の最大の切り札だ
8回裏、沖縄尚学打線を飯塚 脩人は三者連続三振を奪った瞬間。習志野アルプスは一気に沸いた。この瞬間、リードする兼子将太朗も、センターの根本翔吾も「非常に勇気づけられました」と口をそろえる。習志野の逆転劇は飯塚の三振劇から始まった。
センバツよりも明らかにレベルアップしたピッチング
飯塚 脩人(習志野) 写真:共同通信
飯塚のピッチングはセンバツよりも明らかにレベルアップしていた。常時140キロ〜148キロのストレートは伸びがあり、空振りを奪える。飯塚、兼子のバッテリーがともに良かったと振り返る120キロ中盤のスライダーで空振りを奪い、頻度は少ないが、130キロ前半のフォークを織り交ぜ、4回8奪三振のピッチングを披露した。
飯塚は「今回、好投できたのは木更津総合戦の逆転勝ちにあったように、今年のチームは本当に粘り強いので、そういう期待をもったから気持ちを入れて投げることができたと思います」
また正捕手・兼子の声掛けも大きかった。
「飯塚には、お前が頑張れば、みんな粘り強さを発揮するぞと、一気に気合いが入ったんですよね。さすがです」
一言でエースの気持ちを燃えさせる兼子も素晴らしいアシストだった。
沖縄尚学戦では山内-飯塚のリレー。まるでセンバツを思い出すような継投策。小林監督はゲームメイク能力の高さを評価して、山内を先発させて、飯塚はリリーフとして待機した。この投球を見ると、やはりリリーフとしての適性を実感する。捕手・兼子も
「先発でもだいぶ試合が作れるようになりましたが、どちらかというとリリーフ向きなのかなと思います」
4回8奪三振の快投を見せた飯塚だが、「ストレートに関してはそれほど良くなかったです。逆に変化球が良かったから抑えられたと思います」というが、調子が良くなくて、センバツよりも速い140キロ中盤〜148キロを何度もたたきだしているのだから、パワーアップしている証拠である。
緻密な駆け引きで試合を制した習志野。その中で飯塚 脩人という存在は今年の習志野で絶対的に欠かせない切り札である。
(記事・河嶋 宗一)