宮崎県内では評判だった松浦 佑星(富島)が全国の舞台で躍動した4打数2安打1得点。そして4度の守備機会はすべて軽快に処理。ホームスチールを決めたり、最終打席では左中間を破る三塁打と甲子園のファンをくぎ付けにした。

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全国レベルの好投手同士の対決は敦賀気比の笠島尚樹が制する!

足で魅了した松浦佑星


 

 まさに心が動かされるようなパフォーマンスだった。
 まず見せ場を作ったのは守備。まず9番・笠島 尚樹が放ったセンターよりのゴロ。セカンドが取りそうなゴロだったが、松浦はかっさらうように捕球し、そのままワンステップスローでアウト。1番・大島 正樹が放った三遊間よりの打球にも追いつき、ダイレクトスローで二死。そして2番・中川 宙が放った勢いが弱い打球も追いついてからランニングスローとリズミカルな動きを見せた。

 「スピード、守備範囲、肩はどれも自信がありますが、その中で一番自信あるのが守備範囲です」
 そのために意識しているのは一歩目の意識、
 「やはり一歩目の意識が大事で、バウンドの合わせ方やスピード良く動くために日々のノックを繰り返し行ってきました。インパクトが当たる瞬間に合わせて動くことを意識しています」

 送球も力強い。遠投110メートルの強肩を生かし、踏ん張ってもダイレクトスローができる身体能力の高さは魅力だ。守備がうまいだけではなく、ほかの内野陣、投手に声をかけてケアをすることを忘れなかった。その点について松浦は「投手に声をかけることは意識していたことなので、それができてよかったです」
 また、9回表には二塁走者を牽制でアウトにした。これも走者に隙があるとみて、牽制のサインを送り狙い通りのアウトを決めた。この日の松浦の守備は冴えに冴えわたっていた。

 

 そして打者としても4回表、第2打席で一塁内野安打を放ち、塁間4.00秒を計測。さらに敦賀気比のエース・笠島尚樹のモーションを盗んで、二盗に成功。さらに二死一、三塁の場面で、富島はダブルスチールのサイン。一塁走者は走り、三塁走者の松浦は「送球を見て走る」指示だった。

 ただ、敦賀気比はそれを読んでいて、三塁へ送球し、三塁走者の松浦を挟む。松浦も「まずいと思いました」とアウトにならまいと逃げる。ただピンチをチャンスに転じる。捕手が松浦を詰めようとしていたのだ。捕手は当然の動きをしたが、「逆にそれが大きかったです」と詰め寄る捕手の横をすり抜け、ヘッドスライディングで本塁に生還したのだ。

 しかし三塁手が送球した瞬間に松浦は挟もうとした捕手をかいくぐるように走り、ホームスチールに成功。足で1点をもぎとったのであった。
 そして最後の打席は三塁打を放ち、主将としてチャンスを広げたものの、一歩及ばず松浦の夏は終わった。松浦は一時、怪我で離脱している期間があった。
「自分はケガで離れている中、チームメイトがみんな成長してくれて、甲子園の舞台を立たせてくれたことに感謝しています」とチームメイトへ感謝の思いを述べた。勝利ができなかったことは悔やんでいた松浦だったが、自分のパフォーマンスを最後まで表現できたことにやり切った表情を見せていた。

 今後は大学進学をして、野球を継続する予定だ。甲子園の舞台で一躍、名前を挙げた松浦。身体能力の高さに加え、相手を観察して動けるクレバーさもあり、大舞台でも冷静にプレーができるメンタルの強さもある。さらに脚光を浴びる可能性を持ったショートストップであることは間違いない。

(記事・河嶋 宗一

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