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来年も米子東は熱い!山内陽太郎、土岐 尚史、岡本大翔の逸材トリオの進化に注目だ!

2019.08.09

 6回表まで1対1の接戦を演じた米子東。2019年は二季連続出場と大躍進を果たした1年だった。実は来年も期待が持てる布陣となっている。そんな期待の2年生トリオを紹介したい。

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鉄壁の智辯和歌山 優勝候補という名に違和感なし

秋は山内、土岐の2枚看板で活躍する!

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自信を深めた山内陽太郎(米子東)

 

「あの同点打は自信になりました」
 と振り返ったのが6回表、同点打を放った山内陽太郎だ。俊足、強肩を誇るセンターの山内は智辯和歌山のエース・池田陽佑の速球にくらいついて、中前適時打。必死に食らいついていった結果が同点打につながった。

 また山内は中学時代から投手を兼任。6回裏、途中からマウンドに登った山内は1回を投げ2失点だった。左足をあげた時、右手を隠しながら、重心を下げていき、振り下ろすストレートは常時130キロ~133キロの直球、自信に持つ110キロ中盤のフォークが光る。ストレートのスピード自体はエース・森下祐樹よりも上回っており、落ちる球を決め球にしている点は強みである。

 山内は制球力の高さを自信にしているが、甘く入ったボールをことごとくとらえられた。

 全国レベルの打線を体感した山内。新チーム以降は主力投手としての出番も増えそうだ。

 また最後の打者になった土岐尚史も期待の好左腕だ。昨秋の中国大会決勝戦では先発登板を務め、制球力の高さに自信があった土岐は冬場のトレーニングの成果もあり、130キロ中盤まで球速が速くなった。7回裏、途中からマウンドに登った土岐は左腕から常時130キロ~136キロを計測し、エース・森下よりも球威も球速もある投球を見せたが、甘く入った球をとらえられ、1.1回を投げて2失点。
 「コントロールには自信がありましたが、甲子園ではそれを発揮できず悔しかったです」と唇をかんだ。

 入学した時からエース・森下の背中を追って成長してきた。
 「森下さんが一番すごいところは試合が絶対に作れる安定感だと思います。そこを学んでいきたいです。森下さんは練習に参加することがあれば、森下さんからどんどん学んでいきたいと思います」
 また目指すは中国大会優勝と神宮大会出場。土岐は投打の中心として活躍を見せていく。

岡本大翔のポテンシャルがエグイ!

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岡本大翔(米子東)

 そして4番ショートで出場した岡本大翔も3安打を放った。189センチ88キロの大型遊撃手。このスケール感の大きさは3年生を含めてもトップクラスだろう。一番、目を引いたのはやはり鳥取大会で2本塁打を記録した強打である。重心を深く沈め、手元で呼び込んで打つ豪快な打撃フォーム。現在のフォームは対応力を高めるために取り組んだ結果が自然と今の動きにつながったようだ。

 第1打席は二塁打、第2打席も左前安打、第3打席は遊撃内野安打を放ち、猛打賞を記録した。

 「池田投手は本当に速くて、変化球も切れていました。ストレート待ちでストレートに対応することができてよかったです」

 冬場のトレーニングの成果もあり、スイングスピードも速まり、この春から10本塁打を放ち、高校通算17本塁打に達した。さらに、投手を務め、最速141キロを投げ込む強肩でもある。秋の大会へ向けて「課題はいろいろあることが分かりましたし、僕たちの代は投手が土岐、山内しかいないので、僕も投げてカバーできるようになりたい」
と意気込んだ。

 鳥取から二季連続出場するチームが現れ、さらに組織力の高い野球を見せるチームが現れたことも驚きだが、年代続けて全国クラスのポテンシャルを持った選手が3人もいるということに驚きを隠せない。
 今年の秋の中国大会は鳥取開催。この流れをものにできるか。これからも米子東野球部が見逃せない。

(記事・河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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