ボクシングに例えるならば「ジャブを打ち続けてのストレート」


 第101回全国高等学校野球選手権大会第3日目、第2試合では2年ぶりに20回目の夏聖地へと戻ってきた高知代表の明徳義塾が6対4で2年連続3度目の出場となった藤蔭(大分)の猛追をかわし、智辯和歌山(和歌山)が待つ2回戦への切符を手に入れました。

 今大会49出場校中最年長の63歳・馬淵 史郎はこれで春夏通じ甲子園51勝(春14回出場・19勝14敗、夏19回出場・32勝17敗)で歴代4位に浮上。今大会最年少となる26歳の藤蔭・竹下 大雅監督に対しても理詰めで勝利への方程式を編み出す執念は「流石」の一言です。

 それともう1つ、この試合は近未来に導入されるであろう「球数制限」の見地から分析しても実に興味深いデータが出てきました。

 まず見てほしいのは両校先発の球数。明徳義塾左腕・林田 大成(3年)が5回までに5者連続初球凡退を含む50球、最終的に5回3分の1・63球で降板したのに対し、藤蔭右腕の小宮 大明(3年)は1回から5回までの球数を並べてみると「10球・23球・25球・31球・12球」なんと合計101球を要してしまったのです。そして藤蔭は6回表に2番手投手が4失点。彼らにとって結果的にこれが痛手となり、その裏の反撃も届きませんでした。

 では、もう少し「101球」を細かく分析してみましょう。ここで気づくのは明徳義塾が「ただでは凡退しない」ということ。2回表は二死二塁から7番の今釘 勝(2年)が遊ゴロに倒れる前に10球を投げさせ、3回表は二死一塁から2番の正本 旭(3年)が実に13球を投げさせる粘り。そして4回表には一死一塁から5番・奥野 翔琉(2年)が8球目を捉えての先制右越三塁打。ボクシングに例えるならば「ジャブを打ち続けてのストレート」。これは相手にとって相当のダメージを与えるに十分でした。

 となれば「球数制限」が導入された際には、明徳義塾のような戦い方はますます効力を発揮するはず。「好き・嫌い」の論議は当然あるでしょうが、「明徳義塾の基本形」ともいえる試合運びは、、これからの高校野球のあり方に一石を投じるものであったことは間違いありません。