今年の甲子園に出場する1,2年は怪腕、スラッガーが続々登場!
最後に下級生編である。今年も3年生たちに負けない選手たちが集まっている。そんな注目選手たちを紹介していきたい。
中森、岩崎、小林の近畿速球派3羽烏に注目!
注目の2年生右腕・中森俊介(明石商)※写真=共同通信社
2年生投手では中森俊介(明石商)がトップだろう。欠点が少ない投球フォームから繰り出すストレートは140キロ後半。その威力は凄まじいものがあり、さらにスライダー、スプリット、チェンジアップ、カーブなどいずれも精度が高い。
ギアを入れたときの投球は圧巻で、太刀打ちしようがない。投手としての完成度の高さは3年生を含めてもトップレベルではないだろうか。
中森はセンバツ後、なかなか調子が上がらず苦しい日々を過ごしたが、
「日々の基礎練習を信じて取り組んだ成果が出ていると思います。兵庫大会決勝戦の投球は自分のベストの状態に近づいてきていると思います」と、手ごたえを感じている。初戦の花咲徳栄戦では中森のすべてがみられるのではないだろうか。
履正社の岩崎 峻典の完成度の高さに注目。竹田祐(明治大)を彷彿とさせる。140キロ前半のストレートは威力があり、120キロ中盤の縦横のスライダーの精度の高さもある。
飯山の2年生右腕・常田唯斗も完成度の高さが魅力。伸びのある140キロ前後のストレートは大きな可能性を感じさせ、強豪校を立て続けに破ってきた能力を感じさせる。
あまり登板はないが、星稜の寺西 成騎は150キロ近い速球を投げるポテンシャルを秘めており、甲子園で登板できる状況になれば、そのポテンシャルの高さに甲子園のファンも驚く可能性はあるだろう。
智辯和歌山の最速147キロ右腕・小林樹斗も、縦回転を生かしたフォームから繰り出す速球は回転数が高く、フォークの落差も鋭い。和歌山大会では12.2回を投げて、11奪三振、1失点と結果を残している。
さらに、神村学園の2枚看板・田中 瞬太朗 、桑原 秀侍 はともに130キロ中盤の速球、120キロを超える縦横のスライダーをコントロール良く投げ分ける好右腕で、全国クラスの好投手だろう。
[page_break:2年はスラッガー、ショートストップ、好捕手とタイプが多彩!]2年はスラッガー、ショートストップ、好捕手とタイプが多彩!
センスあふれるショートストップ・土田龍空(近江)
東海大相模の鵜沼魁斗、山村崇嘉、西川僚祐のスラッガー3名は今大会注目。高校生屈指の技巧派左腕・林優樹(近江)を打ち崩せるか。
対する近江にいる土田 龍空は、高校生トップクラスの守備力を誇るショートストップ。さらに打撃の調子も上がっており、東海大相模戦はさらに評判を高めるチャンスだ。
今大会を代表する2年生スラッガー・来田涼斗は兵庫大会で本塁打1本もなかったが、来田自身、
「安打を多く打ってチームに貢献したい」と欲を出さず、チームの勝利に貢献することを誓った。
対する花咲徳栄のスラッガー・井上朋也も埼玉大会で打率.433、1本塁打、16打点と圧巻の勝負強さを発揮した。中森との対決が楽しみだ。
高校通算20本塁打のスラッガー・内山壮真(星稜)は石川大会で2本塁打、8打点、打率.429と凄みが増している。今年の選抜では自分のタイミングで打てずに苦しんだ。内山は「タイミングは試行錯誤しながらよくなっています。甲子園では何としても結果を残したい」と強く意気込む。内山の打棒が甲子園でも発揮できれば、大きな力となる。
前橋育英の好捕手・須永武志はパンチ力ある打撃に加え、1.9秒台の強肩、上級生投手をどんどん引っ張る姿はとても2年生とは思えない。
習志野の4番を務める櫻井亨佑
また、栗田勇雅(山梨学院)もこの夏の山梨大会では打率.364を記録。攻守に磨きがかかっている。
前回の野手コラムでは「捕手がトレンド」と記したが、彼も注目捕手の1人に入るだろう。
習志野は、高校生トップクラスの守備力を誇る角田勇斗、勝負強さはチームナンバーワンの高橋雅也、豪快なスイングから本塁打を量産する櫻井 亨佑と2年生に逸材が集まる。
二季連続出場の米子東では188センチの大型遊撃手・岡本 大翔は鳥取大会で2本塁打を放っており、智辯和歌山相手に豪打を発揮できるか。
智辯和歌山のアベレージヒッター・細川凌平の高いバットコントロール、守備範囲の広さは必見。智辯学園の白石陸は、この大会で大きく評価を挙げるかもしれない強肩外野手。なら大会でも2本塁打を放ち、大学生レベルと思わせる強烈なバックホーム、俊足ぶりに注目だ。
4年ぶり出場の静岡は相場 貫太も洗練された動きが光るショートストップだ。
注目の1年生たち
完成度の高い伊藤樹(仙台育英)
左腕ながら140キロ前半の速球を投げ込む笹倉世凪、140キロ近い速球と130キロ前半のスプリットを投げる伊藤樹の仙台育英の1年生2枚看板は完成度がずば抜けている。
また140キロを誇る仲村竜(岡山学芸館)も甲子園デビューが楽しみな大型右腕だ。
智辯学園の左腕・西村王雅、速球派右腕・小畠一心の2枚看板。智辯和歌山の140キロ右腕・中西聖輝も楽しみな存在。
注目の1年生を紹介すると、1年捕手・野呂田 漸(秋田中央)も面白い。打率5割を記録した勝負強い打撃に加え、3投手の持ち味を引き出したリードを発揮できるか。
また、1年生ながら正捕手に近い形で起用されていた木村航大(仙台育英)も東北大会での姿はとても1年生とは思えない落ち着きがあった。甲子園では背番号2。勝利のカギを握った選手といえるだろう。
1年生離れしたスラッガー・徳丸天晴(智辯和歌山)も見逃せない。
5年ぶり出場の佐賀北は打率4割を記録した中村一翔は打率4割越えの左の好打者だ。
文=河嶋 宗一
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