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岡山学芸館が優勝するまで!粘り強い学芸館野球で全国での1勝をつかみ取る!

2019.07.30

 好投手・西純矢がいる創志学園が優勝候補と目された岡山大会を制したのは、岡山学芸館だった。昨秋はベスト8に入ったものの、春は初戦のおかやま山陽に敗れた。ノーシード、しかも大会初日の開幕戦からの頂点に立った岡山学芸館の選手たちの声を聞いてみた。

春のリベンジから勢いづき、4年ぶりの優勝を掴んだ

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4年ぶり2回目の甲子園に行く岡山学芸館 ※岡山学芸館からの提供

 「優勝した瞬間は実感がなかったです。ですが、終わって周りの人から“おめでとう”とか“頑張って”と声をかけてもらって実感が沸いてきました」

 そう語るのは決勝戦では1番・右翼手として出場した岡山学芸館好田凌主将だ。その好田主将に決勝戦の倉敷商の試合を振り返ってもらうと、「ピンチが多かったですが、チーム全員で春の大会終わってからテーマにしてきた“笑顔”をやり切れたので、乗り越えられたと思います」と自分たちらしさを貫けたことが勝因だと話してくれた。

 今大会ノーシードから6試合を戦い抜いて優勝した岡山学芸館。そのなかでも重要となった一戦を好田主将に聞くと、開幕戦となったおかやま山陽戦を挙げた。<br .=""  「チームとして春の試合が一番印象に残っていましたし、最後まで粘り強く戦ってサヨナラ勝ちできたので、自分たちの野球に大きな自信を持つことができました」

 そのおかやま山陽戦に特別な思いをもって戦っていたのがエース・中川響だ。「春は自分のせいで負けました」と振り返る中川投手は「仲間や監督から精神面を指摘されてから自覚して、練習試合から終盤で登板したりして強気な投球を心がけていたので、鍛えられました」と春からメンタル強化の成果が夏に花開いたことを語った。

 その中川投手について「春は気持ちが良かったのですが、夏にかけて強くなっていました」と好田主将が語れば、「後ろに中川が控えていると安心です」と3番の知念大輔が語るほどの信頼感を勝ち取り、中川は優勝の瞬間をマウンドで迎えることができた。中川は1年生の仲村竜投手と切磋琢磨しながらここまできたが、野手の支えも心強い。

 「知念、長船滉大丹羽淳平のクリーンナップ3人は勝負強いので、信頼をしています」と期待を寄せている。好田主将も、「3人は欠かせない存在です」と話す。


 そのクリーンナップの一角を担う知念は、「いつもと違う状況で優勝の実感がわきました」と心境を語ったあと、決勝を振り返ってもらうと、「ピンチの場面はいくつもありましたが、持ち味の粘り強さを発揮できたのが成長できたことだと思います」と語った。そして自身の活躍について振り返ると、決勝戦を悔やんだ。「打つことができた試合もあれば、決勝戦ではヒットを打てなかったのは、実力ではない何か、隙とかがあったと思うので、改善して甲子園でチームを救える一打を打てればと思います」

 1年生から夏に入ったことで経験値があった知念はチームを引っ張るつもりで岡山大会を戦い抜いた。その姿勢を崩すことなく戦うことを誓いながらも、「自分が打てないときに、2人がカバーしてくれるので気楽に打てていることもあります」と4番・長船と5番・丹羽の存在が大きいことを明かした。

 4年ぶり2度目の甲子園へ、好田主将は、「学芸らしく粘り強い野球を発揮して全国での1勝を目先の目標に、1つでも多く戦えるようにしたいです」と意気込みを語った。また知念選手も、「甲子園で1勝できていないので、自分たちの野球をすれば1勝できると思いますし、勢いにも乗れると思います。目の前の一戦を大事に戦って、岡山代表として恥じないプレーをしたいと思います」と語る。そしてエース・中川も、「甲子園で1勝できていないので、しっかり投げたい」と語るように3人とも“甲子園での1勝”を目標に掲げる。

 悲願の1勝へ、チーム学芸館で粘り強く戦い抜けるか。甲子園での戦いぶりに注目だ。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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