25日、全国高校野球選手権岩手大会決勝戦が行われ、花巻東大船渡を破り、2年連続甲子園出場を決めた。令和の怪物こと佐々木 朗希は登板はおろか打席にも立たず、ベンチで最後の夏を終えた。この結果を受け、様々な関係者がコメントを発表するなど話題を呼んでいるが、「登板回避」の真相とはいったい何だったのか。

徹底的に選手を守る姿勢が生んだ「登板回避」


 「甲子園大会の素晴らしさ、達成感というのは私も理解していますし、地元の方々の期待も高かったのは感じておりました。だからこそ負けたのは私の力不足。佐々木がいなくても勝てる投手を作れなかった、チームを作れなかった私の責任です」

 試合後にこう語ったのは大船渡の国保監督である。では野手としての出場は考えなかったのか。「心の負荷がかかるからです。また野手として出れば投げる動作が入ります。そういうのもすべて排して、試合には出しませんでした」例え野手としての出場でも、肉体・精神に負担がかかる。登板しないだけでなく、試合にも出さない。選手の体調を徹底的に守る姿勢が生んだ采配だった。

 佐々木の起用法にばかり目が向けられるが、国保監督の「選手ファースト」の姿勢は全選手に対してのものだった。大船渡では普段の練習からも球数管理をしており、準々決勝の久慈戦で好投を見せた大和田健人、和田吟太も、決勝戦での登板はなし。この日は柴田貴広、前川眞斗が投げ抜いた。

「大船渡を選んで良かった」

 

 「負けてしまいましたが、みんな頑張ってくれたと思います。高校野球をやっている以上、試合に出たい思い、投げたい気持ちはもちろんありました。それでも監督の判断なので。
 大会が終わってみて、悔しいこと、嬉しいこともいろいろありましたが、この仲間たちがいたからこそ乗り越えたことも多くあり、大船渡を選んでよかったと思います」

 試合後、佐々木はこう話している。決勝戦の登板がないことを知ったのは当日の朝だったが、それでも笑顔で受け入れた。それだけ、普段から指揮官やチームメイトとのコミュニケーションが取れており、信頼関係があるということなのだろう。

 佐々木 朗希の最後の夏は終わったが、ここからU-18、プロ野球、メジャーリーグと、まだまだ長い野球人生は続く。数年後、この「登板回避」があって良かったと思えるような、そんな未来を期待して待ちたい。

文・林 龍也

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