十和田(秋田)「部員16名が1つとなって、十和田高校の名を秋田に轟かせる!」
優勝して、秋田の高校野球界の歴史に名を残す
十和田野球部
■地元への親近感を持たせる授業カリキュラムがある
秋田県鹿角市に所在する公立の高等学校十和田高校。設立は1943年で70年以上の歴史を持つ。
そんな十和田では5年前より“かづの学び”と呼ばれる地域の自然や文化、そして産業を学ぶプログラムがある。こうした学習を通じて地元のことを知るだけではなく、地域の良さを発信していくことに狙いを置いている。
■人数が少ないなりに工夫して練習する
野球部の部員は3年生2名、2年生4名、1年生10名の計16名で活動。うち4名のマネージャーがいるため、選手は12名だ。3年生2名で2年生4名のため、入学したばかりの1年生もスタメンで試合に出場する。グラウンドは野球部専用のグラウンドがあり、練習が広々行えるが、校舎から離れているため、校舎内のトレーニングルームと野球場をうまく併用して練習している。
そんな十和田のセールスポイントの一つとしてスマホを使うことがある。動画を撮ってもらうことによって、自分の姿をその場で確認でき、分析することができる。またたくさんの練習メニューからその日、その時の自分に合った練習を行い、自分の意見を他の人たちと話して共有し合い、新しい発見をすることができることも強みだ。
■目標は甲子園へ行くこと
「人数が少なかったのでやりたい練習もできなくて、最初はつらかったです。しかし、自分たちで少ないなりの練習をして、ほかの高校ではできない練習をすることができました」と語るのは主将の斉藤蓮だ。
新チーム結成時は、人数が少なくても応援される、期待されるチームを目指してスタートした。しかし最初は連合チームで戦っていたために、試合をする機会が少なかった。その中でも、「試合ができることにありがたみをもてましたし、実際試合をやってみて、一緒にプレーしたことのないメンバーとともに試合をすることに難しさを感じながらプレーできました」と斉藤主将は振り返る。
そんな彼らの目標は甲子園出場だ。その目標のために現在は一人ひとり先輩・後輩関係なく話し合い、その内容を共有して個人もチーム全体も高めあうことをテーマに練習に打ち込んでいる。
最後に「甲子園に出場して十和田高校の名前を秋田に轟かせる」と意気込みを口にした斉藤主将。16人が1つとなって秋田の夏を熱くする。
■ここまで活躍した選手、そして夏のキーマン
ここまでチームを引っ張ってきたのは2年生の豊田駿平選手だ。豊田選手は半年間ホームランを打つ練習を行い、今年の公式戦でレフトスタンドにホームランを打つなど大きく成長した。この夏のホームランにも期待したいところだ。
さらに澤田慶吾、藤田大樹の2人も伸びしろが計り知れず、まだまだ成長する可能性を秘めた2人。斉藤主将は、「豊田とともにホームランを打てるようになることを期待しています」とコメントを残した。
[page_break:地域の方々とともに甲子園へ!]地域の方々とともに甲子園へ!
それぞれがトレーニングに打ち込む
ここからは十和田の柾木渉藏選手と豊田駿平選手に話を伺います!
Q.夏へ向けて見つかった課題を教えてください
柾木:筋量を増やすということです。
豊田:個々の力の向上です。そのためにはまず1人1人の力や野球への考え方が成長していくほど強くなっていくことが必要だと思います。
Q.ここまで振り返って、高校野球で一番の思い出を教えてください
柾木:トレーニングのときに前の自分よりも成長しているということが、高校野球で一番の思い出です。
豊田:結果が出ても出なくても、指導者と選手たちが一緒に考え、実践し、失敗してまた考えていき、結果が出たときに全員で喜びを分かち合うことが一番の思い出です。
Q.応援する方々へ自分のここを見てほしい、というアピールポイントを教えてください!
柾木:自分の成長した姿を見てほしいです。
豊田:自分の持ち味は守備、打撃、そして元気の良さです。誰にも負けないくらいの力を発揮して見ている人を感動させられるよう頑張ります。
Q.このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?
柾木:監督さんも練習に参加しているところです。自分たちがわからないことがあったときに質問がしやすいからです。
豊田:指導者と選手が一体となって練習を行っているところです。常にお互いの学びを大切にして、成長している事への楽しさを感じています。
Q.この夏に向けた熱い意気込みをお願いします!
柾木:甲子園に行くことです!
豊田:これまで多くの方々の協力がありました。この夏は地域の方々とともに一つのチームとして、1球に思いを込めてプレーしていきたいと思います。
柾木選手、豊田選手ありがとうございました!
誇りを持って、夏の勝利をとりに行く
ここからは十和田の神居恵悟監督にお話を伺いました
Q. 今年のチームは結成時から夏に向けてどんなチームを目指しましたか
昨年の夏が終わって以降、部員数が4名になり昨秋は連合チームで戦いました。昨秋から、「成長の楽しさ」を感じるためにということを突き詰めて考え、全員で試行錯誤しながら取り組んできました。生徒たちは、今自分に、もしくは自分たちがすべきことは何かを考え、必要な情報を集め、次の練習に向けてすべきことを整理する習慣ができてきました。この点がチームの強みだと思います。
昨年12月からSNSでのチームの情報発信や、地域との交流の機会をつくるなどのトライをしています。この夏に向けてもそうですが、その後の何年間についても、関わってくださる人を増やしていくこと、十和田高校野球部に関わる全員で子どもたちの成長を作り上げるという風土をつくっていきたいです。
Q. 最後の夏に燃える3年生や部員たち皆様へのメッセージをお願いします
これまでの自分たちを振り返ろう。誇りを持って、夏の勝利をとりに行こう
神居監督、そして十和田野球部の皆さん、ありがとうございました。
今年も大好評!
【僕らの熱い夏 特設ページ】
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