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第15回  攻撃的な守備は丁寧さがあって成り立つ。甲子園を魅了したショートストップ・西川晋太郎の意識改革2019年04月01日

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 明石商と激戦を演じた智辯和歌山。ドラフト候補として注目される東妻 純平黒川 史陽のほかに見逃せないのが遊撃手の西川 晋太郎だ。甲子園では好守備を連発して、甲子園を沸かせた。1年生から高く評価されてきた守備はますます鋭さが増し、センバツナンバーワンショートという呼び声も高い。西川はどのような意識で守備力を高めてきたのか、本人に語ってもらった。

観衆を驚かすプレーも本人は練習通り



西川晋太郎(智辯和歌山)

 思わず興奮するプレーだった。
 2回戦の啓新戦。1回裏、2番幸鉢 悠樹が打った打球は投手の足元を抜けて、二塁ベースへ。誰もがセンター前ヒットと思った瞬間。西川が見事に追いつき、体を一回転させてからダイレクトスローでアウト。追いつくだけでもすごいのに、回転してノーバウンドスローできるのは簡単にできるものではない。

 しかも幸鉢は左打者でこの時の一塁到達タイムは4.17秒。西川の打球処理は非常に速く、打球が転がって送球が一塁手のファーストミットに収まるまでのタイムが3.97秒と、よほどの俊足でなければアウトにできないタイムでどれだけ西川のプレーに無駄がないのかが分かる。

 西川はこれも普段の練習から行ってきたことだと話す。
 「回り込んでから一回転して強いスローイングするのは、練習から行ってきました。練習通りのプレーができたと思います」

 また、この試合では雨が強く振り始め、1時間50分の中断があっても小雨は続き、グラウンドはぬかるんでいる状況。それでも5回裏の併殺処理もしっかりとこなした。これも普段の練習が生きている。中谷監督になってからは行っていないが、高嶋監督時代、雨の中でもノックを行っている姿を見たことがある。高嶋監督がノックを放ち、泥んこになりながら西川は捕球をしていた。今では選手の健康状態を考え、雨の中では行わないようになったが、「今では生きていることがあると思います」と笑う。

 明石商戦でも1回裏に4番安藤 碧が放った痛烈な打球を横っ飛びで捕球し、アウトにした。次々と観衆を驚かせる守備ができるまでになったのは、昨秋の近畿大会後の意識改革にあった。大会後、西川は自分の守備を立ち返って「丁寧さ」がないと反省。西川といえば、猛チャージをして、打球を捌きアウトにする攻撃的な守備スタイルだが、冬場のノックでは1つの打球に対して、「丁寧」に処理することにこだわった。野球ノートには自身の守備、打撃の状態を記し、常に立ち返る状況を作り、守備の精度を上げてきた。

 守備だけではなく、打撃面でも3試合で打率.467を記録し、攻守で躍動した。
 「打撃も、守備も攻撃的なスタイルの中に丁寧さを求めてきましたし、甲子園3試合ではそれがうまくいったと思います」

 だが、明石商に二度負けてしまった悔いは大きい。
「大事なところで仕留めきれなかった。今後の課題です」
 今年の目標は決まった。打倒・明石商だ。

 「まず和歌山を勝ち抜くことからですが、近畿や全国の舞台で対決する機会があれば、今度は勝ちたいです。それまでに今よりもレベルアップしたいです」

 悔しさをこらえながら夏へ向けての意気込みを語った西川。夏にはどんな西川 晋太郎をグラウンドで見せてくれるのか。今から見逃せない。

取材=河嶋 宗一

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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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