Column

白岡(埼玉)「強豪私学を倒すための力を付ける冬」

2019.02.28

悔しさをバネに戦った秋


実戦練習で感覚を取り戻す!

■部活動盛んな学校

 埼玉県白岡市にある白岡高校。2018年は陸上部が関東大会に出場するなど部活動が盛んであり、野球部も昨秋の県大会では浦和学院を倒すなど大きな成果を上げた
 過去には夏の埼玉大会で決勝戦まで勝ち進んだ実績を持つ白岡野球部は、オフシーズンにどんな練習をしているのか。

■白岡の紹介

 現在は1年生15名、2年生は18名となっている白岡。広い校庭をサッカーと陸上ともに使っているため、配慮しながらバッティングを行う。ただ日曜日は全面使うことができるため、ネットを張って練習試合をやっていると高橋勝也監督は語る。

■今年のウリ

 今年は
 泥臭い野球
 全力野球
 チームが1つにまとまった時に持っている以上の力が発揮される
と主将の山田大空選手は語る。
 山田主将に新チーム結成時にどんなテーマでスタートしたのか聞いてみると、
 「去年の3年生を超えるベスト8以上を目標にスタートしました。また、自分たちは弱いと言われてきたので、先輩たちを超える!絶対に結果を出す!という決意を持っていました。」という。

■チームが始まって最も印象に残っている試合は?

 新チームが始まって最も印象的だったのが新人戦の春日部共栄戦だった。
 「自分たちの代の初戦だったのですが、5回コールド負け。相手のミスをキッカケに先制できましたが、そこから踏ん張ることができませんでした。記録に残らないエラーも10個以上してしまい、自滅で負けてしまいました。
 この時の悔しさと3年生の凄さ、そして隠し切れない実力の差を感じる中で、チームをどのように強くして、主将として3年生から受け継いだ白岡をどうやって試合で勝たせるのか。色んな考えと感情が試合を通じて出てきました。」と振り返った。

 その悔しさをバネにバットを振り込んだ結果、昨夏の甲子園にも出場している名門・浦和学院を倒せたのは思い出深い試合となった。


白岡の選手たち

■新チームが始まって活躍してきた選手

 新チームからチームを牽引してきたのは、浦和学院戦でも好投を見せた迫田将矢投手。その迫田投手をリードし、2塁送球が1.92秒を誇り、1番打者として活躍した三瓶祐貴捕手。
 さらには高橋監督からセンスがあると注目され、安定した守備が武器の矢部飛龍選手や、チームの4番を務める主砲・松永一洸選手。そして浦和学院戦で逆転打を放った佐藤優多選手を山田主将は挙げた。

 春以降は浦和学院戦で好投した迫田や4番・松永に加え、秋の地区予選ではエースとして県大会に導いた右のサイドハンド・佐藤英司投手の台頭にも山田主将は期待を込めた。

■春先への意気込み!

 冬は白岡の名物トレーニングで、1時間で6種類のトレーニングをこなしている。1種目を1人1分、2人ペアで4セットを行うというものだ。
 ただ走るのではなく、メディシンボールを持って走ったり、タイヤを押したり引いたりして全身を鍛えつつ、体の使い方や連動性を覚えることが狙いだ。
 また1分という短い時間でやることでスピードを身に付けつつ、4分間同じ力を発揮するために必要な持久力を身に付けることもこのメニューの狙いである。

 目標である打倒私学、打倒春日部共栄に向けて熱気を増していく白岡。最後にどんな冬にしたいのか聞くと、

 「2年生は個々の能力が低いですが、本気になればチームとしての力はとても強いと思います。しかし、大きな壁を乗り越えると安心してしまう所があるので、冬の間に個々が目標を達成して満足することなく、さらに上を目指してストイックに練習して、春と夏には目標以上のことを達成したいです。

 1年生は初めての冬で辛いことが多いと思いますが、限界や器の大きさを自分で決めずにできることを真剣に取り組んで、チャンスが来た時にモノにして欲しいです。まだ1年生だからではなく、春先はレギュラーとして試合に出てチームで勝つ。チーム全員で上手くなって強いチームを作り上げていける冬にしたいです。」と宣言してくれた。

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[page_break:粘り強さこそ最大の武器!]

粘り強さこそ最大の武器


左から矢部飛龍選手と安類拓巳選手

 ここからは白岡矢部飛龍選手と安類拓巳選手にお話を伺いました

Q.秋の大会や練習試合が終わって見つけた課題を教えてください。

矢部:守備では安定感はありましたが、完ぺきとは言えない守備でした。また打撃では私立の投手のボールに押し負けてしまい間を抜く打球を打つことができませんでした。そして連携プレーなどもっと確実にしたいと思います。
安類:守備では安定感が出てきたが、私立の投手から全く打てなかったことです。

Q.このオフシーズンの目標、個人的に強化したいことを教えてください。

矢部:自分に厳しくねげ道を作らずに辛い練習にも自分から向かっていきたいです。また私立を倒せる打撃や体力をこの冬に身に付けつつ、確実なプレーもしっかり強化したいです。
安類:まずは身体を大きくして私立相手でもしっかり戦えるようにしたいです。また、バットを振り込んで、スイングスピードを上げて私立の力ある投手から打てるようにしたいです。

Q.応援する方々へ自分のここを見てほしいというのを教えてください!

矢部:2年間夏の大会のベンチに入っていろんなことを学んだことを活かした打撃や、球際やスローイングといった守備を見てもらいたいです。
安類:入学当初より安定した守備を見て欲しいです!

Q.このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところ ですか?

矢部:大会になるとどこの誰よりも闘争心がむき出しになるところです。
安類:上下関係がなくとても仲が良いところと、辛い練習でも全員で声を掛け合っていい雰囲気で練習できるところです!

Q.このオフシーズン、『自分はここまで成長するぞ!』と、いうこの冬の熱い宣言を最後 にお願いします!

矢部:私立に負けない守備職人になって、兄(矢部陸哉選手)が倒せなかった花咲徳栄を倒し、良い夏だと思えるような夏にします!そのためにもこの冬は辛い練習を乗り越えて、夏に花を咲かせたいと思います!
安類:体重を5キロ増とスイングスピード10キロ増!そのためにも辛い練習を乗り越えて技術を向上させて、私立を倒します!

 矢部選手、安類選手ありがとうございました!

[page_break:私立に負けないトレーニングを!]

私立に負けないトレーニングを!


トレーニングに取り組む選手たち

  高橋勝也監督に伺いました。

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも教えていただけたら幸いです。

 チーム全体の底上げと技術向上を重視し、部員一人ずつに何が足りないのか話をしてきました。またどうすれば強豪私立高校に勝てるのかという説明と意識付けを同時にしてきました。
 秋の新人戦、初戦で春日部共栄に大敗。予想はしていましたが、あまりに内容が酷く情けない試合だったため、とても情けなく感じました。恩師である本多監督との初対戦だったため非常に強い印象を感じた試合でした。

 試合後、しばらく選手たちと今後について話し合ったところ「勝ちたい」という気持ちを確認できたので、翌日から再スタートしました。春日部共栄戦からチーム状況は改善し雰囲気が良くなりました。勝ちにこだわった結果、地区予選で勝てましたし、県大会では強豪校・浦和学院に勝利ができたのではないかと感じています。

 冬のテーマはパワーアップです。
 強豪私学の冬のトレーニングは想像以上に追い込んでくると思っているので、負けないようにトレーニングさせています。

Q. 最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。

 自分に厳しくトレーニングの内容をよく考えて強化してほしいです

 高橋監督、そして白岡高校野球部の皆様、ありがとうございました!

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今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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