Column

城東(徳島) しぶとさ武器に戦う「徳島県一あきらめ悪いチーム」!

2019.02.17

万事徹底の精神!


グラウンドに新しい土を入れる城東の選手たち

■県内屈指の進学校

 徳島県徳島市にある城東は1902年に創立された伝統校で、東大や京大に合格者を輩出するなど県内屈指の進学校だ。野球部は昨年に4強、は8強と県上位の成績を残している。はいずれもセンバツに出場する富岡西に敗退。悔しさをバネにして日々の練習に取り組み、甲子園出場を目指している。

■城東野球部の紹介

 現在は2年生9名、1年生5名、マネージャー2名で活動している。基本的に20時完全下校で学校のグラウンドは狭い上に、6つの部活動(硬式野球・男女サッカー・ラグビー・ソフトボール・ハンドボール)で共有して使っているため、内野しか使えないときが多い。

 放課後に夕暮れまで時間がある時や土曜日は1.5km離れた吉野川河川敷グラウンドを借り、雨でグラウンドの状態が悪い時や冬の寒い時には近くの城山(徳島城公園)でトレーニングするなど、少人数で限られた環境の中、様々な工夫を凝らして練習を行っている。

 飯田太智主将(2年)は「好投手を中心とした守備力、チーム全体の走塁力、チームワークがよく、粘り強い」の3つをチームのセールスポイントに挙げた。

■今までを振り返って

 試合に出ている9人だけが戦うのではなく、チーム全体で必死になって戦うことをテーマにスタートした新チーム。秋季県大会では1回戦の阿波戦、2回戦の城南戦と2試合続けてサヨナラ勝ちの快進撃を見せたが、準々決勝の富岡西戦では0対7の7回コールドで完敗を喫した。飯田は「序盤から押され気味で、あっという間に点差をつけられ、力の差を見せつけられた」とこの試合を振り返っている。

■新チームで活躍した選手は?

 新チームが始まってから活躍が目立ったのは井村多朗(2年)と鶴野雄太(2年)の2人。井村はエースで4番の投打の柱であり、度々ベンチの期待に応える一打を放つ。鶴野は守ってはショートで球際の強さをみせる好守備でチームを助け、攻撃では1番打者としてチームを引っ張った。
 春以降のキーマンとなりそうなのが、上地俊輔(2年)と福井大貴(1年)だ。飯田は「上地は積極的かつ勝負強い打撃、福井は捕手としての成長(状況判断・配球・送球)」にそれぞれ期待している。また、ムードメーカーである久野楓季(2年)もチームの士気の高める存在として必要不可欠な存在だ。

■この冬の意気込み!

 このオフシーズンは「打撃力(打球の質)の向上」と「各個人で目標体重を設定した体作り」をテーマにトレーニングを重ねている。「選手一人一人が『考動力』を実践し、それぞれの課題を克服できるように頑張ります」と意気込みを語った飯田。一冬超えて強くなった姿に期待したい。

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チームワークと粘り強さが武器!


ランジで足腰強化中!

 ここからは城東高校のエースで4番・井村多朗選手と攻守の要である遊撃手の鶴野雄太選手にお話を伺いました!

Q.秋の大会や練習試合が終わって見つけた課題を教えてください。

井村:変化球の精度です。
鶴野:盗塁や走塁の精度と長打力です。

Q.このオフシーズンの目標、個人的に強化したいことを教えてください。

井村:下半身を中心とした筋力アップ、体重増加、球質の向上です。
鶴野:体重の増加、筋力アップ、打撃力の向上 の3つです。

Q.応援する方々へ自分のここを見てほしいというのを教えてください!

井村:ストレートに自信があるので、ストレートで空振りをとるところです。
鶴野:守備力の高さです。

Q.このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところ ですか?

井村:全員の仲が良いところとあきらめの悪いところです。
鶴野:チームワークの良さと一人一人が自分の役割を理解しているところです。

Q.このオフシーズン、『自分はここまで成長するぞ!』と、いうこの冬の熱い宣言を最後 にお願いします!

井村:春の大会で142㎞を投げてチームを勝利に導ける選手になりたいです。
鶴野:打率4割5分以上を打ってチャンスで期待に応えられるバッターになりたいです。

 井村選手、鶴野選手、ありがとうございました!

[page_break:伸びろ活かし目指すは「台風の目」!]

伸びろ活かし目指すは「台風の目」!


練習メニューの打ち合わせをする選手たち

  鎌田啓幸監督にお話を伺いました!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 このチームは旧チームや県内の他校チームと比較しても力がないと感じているので、テーマとして「徳島県一あきらめの悪いチームになる」を掲げています。たとえ試合で劣勢になったとしても最後まであきらめず、しぶとく戦うということです。

Q. 秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも教えていただけたら幸いです。

 秋季県大会では初戦、2回戦ともサヨナラ勝ちで勝ち上がることができました。しかし、準々決勝で富岡西高校に序盤から攻められ、7回コールドで敗れました。これを受けて、冬のテーマとして攻撃力の向上、特に終盤に試合をひっくり返す得点力を身につけるために「打力・走塁・選球眼」に重点を置き練習に取り組んでいます。

Q. 最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。

 新チームは主将の飯田を筆頭に、真面目に手を抜かずコツコツと頑張れるチームだと思うので、チームとしての「伸びしろ」に期待しています。得点力さえアップすれば、春・夏の大会では「台風の目」的な存在になれると思います。これまでの先輩たちに負けないよう、己に厳しく練習に取り組んでもらいたいです。

 鎌田監督、そして城東高校野球部の皆様、ありがとうございました!

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今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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