Column

水口(滋賀)「全員で『本気』になって、今よりも強く・魅力的なチームへ!」

2019.02.18

強豪校との試合で諦めずに戦うことを実感!


ハードルを使ったトレーニングの様子

■創立110年を迎えた伝統校

 滋賀県甲賀市にある滋賀県立水口高校は、1908年(明治41年)に県立水口農林学校として創立され、その後水口中学校、甲賀高等学校と改名し、1975年(昭和50年)現校名の水口高校となり、2018年(平成30年)には創立110年を迎えた伝統校である。

 野球部は春・夏共に1度甲子園出場経験がある。近年では甲子園出場はないものの昨年、3年連続で夏の大会ベスト8進出、秋では夏の県大会準優勝の綾羽を破りベスト4に進出するなど、着実に実力をつけてきている。

■水口野球部の紹介

 現在は1年生18名、2年生21名、計39名で活動している水口。グラウンドは校舎のそばの道向かいにある水口城のお堀の中にあり、サッカー部・陸上部・ソフトボール部と共同で練習を行っている。練習前にはベンチ前や部室などを毎日自分が担当する各場所の掃除をしてから練習を始めている。そんな水口ナインには3つのウリがある。
・勢いに乗ったら強い
・反骨心
・打ち負けない
この3つを武器に水口は決勝戦進出を目標に日々練習に励んでいる。

■水口の名物メニューは?

 水口のオフシーズンでは2つの名物メニューがある。1つ目は、練習場の近くにある坂道と階段を各7本ずつのインターバル走だ。このインターバル走には、タイムを切れなければ追加のダッシュがある。2つ目は綱登りやタイヤ押しを行うサーキットトレーニング。この組み合わせで更にレベルアップしている。

■新チームがスタートしてから、最も印象に残っている試合は?

 チームをまとめる林佳毅主将は、新チームがスタートした時、「変革」をテーマに、「自分たちでチームをよりよい方向へ変えていこうと考え、まだまだ出来てないところも多いため基本的なところからしっかり定着してきたい。」という決意でスタートし、オフシーズンでは「秋の大会ではコールド負けをしたので、その悔しさを忘れずに厳しい練習にも耐えて春・夏にぶつける」をテーマにトレーニングを重ねていると語る。
 昨秋の初戦の綾羽戦では、8回表まで1対3で負けていたが、その裏に小技や機動力を生かした攻撃で逆転に成功し勝利した。その試合から林主将は「やっぱり諦めずに最後まで戦うことが大切だと実感した」と話す。

■新チームを引っ張ってきた選手は?

 新チームをここまで引っ張ってきたのは、田村叶夢田中翔橋本康祐管河成紀の4名だ。4名はホームランを打ったり、守備で助けられたり、気持ちで相手バッターを抑えたりしてチームの勝利に貢献した。

 今後の春・夏の大会でキーマンとなる選手は、田村叶夢田中翔橋本康祐管河成紀奥村文飛、林の6名を挙げた。その中で凄い長所を持っているのは田村叶夢だ。「田村は打席に立つと高確率で出塁し、例えアウトになっても良い内容でベンチに帰ってくる。今はケガをしているが、復帰したらヒットやホームランを量産してくれることを期待したい」(林主将)

■この冬の意気込み!

 林主将は、「きつい練習ばっかりだけど、それでも自分を追い込み、多く食事を取り、体つくりにも励んで春と夏に勝負できるようにしたい」と最後に抱負を語った。

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[page_break:自分に負けずやり切ることで技術的・精神的な成長大きく変わる!]

自分に負けずやり切ることで技術的・精神的な成長は大きく変わる!


ハンマーをタイヤに向かって振り下ろして体力強化

ここからは、水口山田啓人副主将と冨増大和投手にお話を伺いました!

Q.秋季大会などを経て、見つけた課題を教えてください

 山田:自分たちは波があるチームで、それがなくならなければ上位に行けない。練習から波があるので常に良い練習ができるようになければならない。また1度言われたことを何度も注意されるので、もっと意識しないといけないです。
 冨増:試合の後半になると集中力が切れてしまい、イージーミスが多くなってしまった。また私立の強豪校とは、打球の速度や飛距離、投手の速度などパワー面での力の差を大きく感じました。

Q.このオフシーズンの目標、個人的に強化したいことを教えてください。

 山田:チームとしては、夏の大会で勝負できるだけの体力と体づくりをすること。また厳しいメニューにも負けずに声をかけながら強くなっていきたい。個人としては、夏にどんな球も打ち返すことができる体か筋力をつけることと守備力向上。特に守備のミスは1球で流れが変わるので守備は大切にしたいです。
 冨増:自分は体が細いので、ウエイトトレーニング、食事の量、プロテインの摂取回数を増やして、体重を増加させたいです。ピッチングの面ではボールの回転数やキレ、コースの投げ分けなど、シーズン中にチェックしづらい細かい点を強化していきます。

Q.応援する方々へ自分のここを見てほしいというのを教えてください。

 山田:バッティングを見て欲しいです。
 冨増:野球に対して前向きに取り組む姿勢を見て欲しいです。水口高校の指導者の方々・トレーナー・両親のおかげで今の自分があると思うので、そのことを忘れずに自分のプレーや姿で恩返ししたいからです。

Q.チームの好きなところや、他のチームに負けていないところはどこですか?

 山田:一人ひとり個性があるのでまとめるのが大変だけど良いところもたくさんあるところが好きです。まだまだ波があることが課題ですが勢いに乗ると私立にも負けないくらいの打撃力があるところです。
 冨増:選手の個性が強く面白いところが好きです。仲が良さや盛り上がりは他のチームに負けていないと思います。

Q.このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

 山田:厳しい練習でも自分から行い、チームの柱として練習ができるようになりたいですし、副主将としてチームのためにたくさん声をかけられるように成長したい。また130キロ後半のピッチャーにも振り負けないだけのパワーとスイングスピードをつけたいです。
 冨増:秋の大会はベスト4に進むことができたが、個人的には結果が出せずチームに貢献できなかったため悔しい思いをしました。
そのため春・夏と結果を出すために苦しいメニューでも誰よりも早く、誰よりも多く走り自分の自信をつけていきたい。1日1日を大切にして来シーズンとしてチームを勝たせるピッチャーになります!

 山田啓人副主将、冨増大和投手、ありがとうございました!

[page_break:本気になってやるしかない]

本気になってやるしかない


下半身のトレーニング中

  種谷涼先生にお話を伺いました!

Q. 今年のチームは新チームが始まってからどんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 どんな投手にも打ち負けない攻撃力をテーマにチームを創り上げていきました。
 そのため、新チームが始まってからバッティング強化と体づくりを行っていきました。しかし秋は力のある投手から思うように点が取れなかったため、この冬で振り込み・基礎トレーニング・体づくりなどして春・夏に臨みたいです。

Q. 最後に、これから厳しい冬の練習に挑んでいる選手たちにメッセージをお願いします!

 「苦しい時」「辛い時」「逃げたくなるとき」そこで自分に負けずやりこと。その瞬間にどう取り組めるかで、技術的・精神的な成長が大きく変わると思います。この冬でとことん自分を向き合い、そして全員で『本気』になって、今よりも強く・魅力的なチームに成長していこう!!『本気』になってやるしかない!!

 種谷先生、そして水口高校野球部の皆様ありがとうございました!

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今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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