Column

津久見(大分)「力強さを身に付けて、打ち勝つ野球を実現する!」

2019.02.13

秋ベスト4!大分県の21世枠推薦校に選出された津久見!


パートナーに足を持ってもらい、腕立てで筋力強化!

■春夏両方の優勝実績を持つ名門校

 大分県津久見市にある大分県立津久見高等学校。1939年に創立された旧・津久見と、臼杵商、海洋科学の3校が統合される形で、2012年に新・津久見として設立された背景を持つ。旧・津久見時代は普通科と工業系の機械科、電気科を設置していたが、臼杵商と統合したことにより、商業系の学科も加わった5学科が設置されている。旧・津久見時代の1967年春、1972年夏に全国制覇を果たした野球部は学校を象徴する存在だ。

■野球部の紹介

 現在2年生18名、1年生26名、マネージャー3名の計47名が在籍。野球部専用のグラウンドを有しているだけでなく、ティー打撃や投球練習が行えるビニールハウス、ウエイトルームも併設されており。練習環境は充実している。春夏連続で県8強入りを果たした旧チームに続き、昨秋は県4強まで勝ち進んだ。この実績を高く評価され、大分県の21世紀枠推薦校に選出。惜しくも九州地区推薦まで残ることはできなかったが、名門復活の1歩を刻む秋となった。新生・津久見として、1988年夏以来の聖地を目指す。

■秋季大会を振り返って

 河室聖司監督が発した「秋は優勝しようや!」のゲキから、「練習試合を含めて、すべての試合に勝つ」という目標を掲げて新チームがスタート。高いモチベーションを保ちながら練習、試合を重ねた成果が実り、は県4強まで勝ち進む。この結果を受け。近藤龍美主将も「秋を戦い終えて、『甲子園が狙える』と思えるようになりました」と手応えを口にする。この冬は相馬豊樹部長考案のサーキットトレーニングなど、心身ともに追い込むメニューで力を蓄え、夏の復活出場に照準を定めている。

■新チームを引っ張ってきた選手は?

 近藤主将が推薦してくれたのは、伊藤海吏岡部優四朗柴田享兵の3選手。「伊藤は副主将としてベンチを盛り上げてくれるだけでなく、打席でも粘って逆方向に鋭い打球を打ってくれます。岡部は1年生ながら、チャンスでも長打が打てる打線の主軸です。彼の打撃で大量得点に繋がることも少なくありませんでした。

 伊藤、岡部は守備範囲の広い外野手としてもチームに貢献してくれています。柴田はエースとして、失点を許してもしっかりと耐えて試合を作ってくれます。彼が作った守備のリズムのおかげで、攻撃でもいい流れを作ることができました」と、愛情たっぷりに理由を説明してくれた。

■この冬の意気込み!

 「秋にひとつ結果を残すことができ、チームとしても自信を持つことができました。しかし、この結果に満足して、冬を疎かにしてしまったら、夏どころか春すら勝てなくなると思っています。選手層を厚くするためにも、チーム内の競争も激しいものにしていきたいです」と語ってくれた近藤主将。自信と課題を得た秋を糧に、春以降の飛躍を目指している。

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副将とマネージャーから見えた課題


ティーバッティング中の様子

 ここからは、津久見の副主将を務める伊藤海吏中堅手、チームを陰で支える首藤梨花マネージャーに話を伺いました!

Q.秋季大会などを経て、見つけた課題を教えてください

 伊藤:秋は逆方向を意識した打撃で、5割近い打率を残すことができました。その反面、逆方向への意識が過剰になる余り、内角の球に手が出ない、打っても詰まる場面も多くありました。遠くを狙った際の送球のコントロール等の守備面とともに、課題として取り組んでいきます。
 首藤:チャンスで1本が出なかったり、大事な場面での判断ミスが目立ったりしたので、徹底できるように、冬の練習で取り組んでいます。

Q.このオフシーズンの目標、強化したいことを教えてください(マネージャーはチームの目標、強化事項を教えてください。)。

 伊藤:今よりもさらに身体を太くして、パワー、スピードをつけることが目標です。身体の強化を生かし、内外角両方に反応して、長打を打てる打者を目指します。守備でも70mの距離を低く、正確に投げられるように、肩も強化していきます。
 首藤:チャンスで確実に1本打つことを目標に、各自が今まで以上の集中力で打撃練習に取り組んでいます。

Q.応援する方々へ自分のここを見てほしいというのを教えてください。(マネージャーはチームの「ここを見てほしい!」と思う点を教えてください。)

 伊藤:チャンスで打つだけでなく、チームメイトを信じてチャンスを作れる選手、細かなカバーまで流すことなく、一球一球、ひとつひとつの動きにまで気づける選手を目指すので、見ていてください!
 首藤:投手が点を取られても、打撃で取り返す。そんな「津久見は打のチーム」であるところを見てほしいです!

Q.チームの好きなところや、他のチームに負けていないところはどこですか?

 伊藤:緊張感のある試合、流れがどちらに傾いてもおかしくない場面での元気の良さはどのチームにも負けていない自信があります。どんな練習に対しても、全員が真剣に盛り上がって取り組める一体感が大好きなところです。
 首藤:元気のよさだけでなく、下級生が上級生に意見が言える風通しの良い環境であること、部員数が多く、競争率が高いので、ひとりひとりが高い意識で取り組んているところが長所です。試合の打席で個人個人が結果を出している点は、他のチームに負けていないと思います。

Q.このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

 伊藤:自分自身の技術を磨き、チームの主軸として活躍するだけでなく、練習中や試合中の声掛けにも気を配り、チーム全体、選手ひとりひとりを成長させる女房役でもある。そんな選手に成長します!
 首藤:「身体を大きくしよう」と全員がキツいトレーニングをがんばっています。どんな投手でも打てるように、成長してほしいです!

 伊藤選手、首藤さん、ありがとうございました!

[page_break:破壊力を身に付けて聖地まで突っ走る!]

破壊力を身に付けて聖地まで突っ走る!


パワーを付けて甲子園を目指す!

 相馬豊樹部長にお話を伺いました!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも教えていただけたら幸いです。

 河室聖司監督が就任して4年目を迎えた2018年は、第100回大会の夏に県8強まで勝ち進むことができました。新チームになり、「先輩たちの成績を上回ろう」と目標を立てました。目標を達成するための最重要ポイントとなるのが、「打ち勝つ野球」の実現です。打撃の弱さの克服、得点力アップを目指し、ティー打撃を含めた打撃練習に時間を費やしました。

Q. 秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも教えていただけたら幸いです。

 練習を重ねたことで、秋の県大会前に開催される県選手権(大分県独自の公式戦)で優勝するなど、徐々に打撃が開花し始めました。センバツに繋がる九州大会出場を懸けた大分県大会では、第1シード校として順調に勝ち上がりましたが、準決勝で甲子園常連の明豊に延長10回3対4の惜敗。一般枠でのセンバツ出場の夢は断たれました。

 その後、大分県の21世紀枠推薦校に選出され、わずかな望みを託しましたが、九州地区推薦には届きませんでした。この秋の経験から、攻撃面の勝負強さ、守備面での堅実なプレーを磨くことを目標に掲げています。

Q. 最後に、これから厳しい冬の練習に挑んでいる選手たちにメッセージをお願いします!

 力強いスイング、力強い投球に代表されるような「力強いプレー」はパワーをつけなければ実現できません。上半身、下半身ともに太くし、破壊力抜群の身体になることを期待しています。

 相馬部長、そして津久見高校野球部の皆様ありがとうございました!

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今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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