Column

北陵高校(佐賀県)「甲子園で校歌を歌うために、一日一日何か1つでも身につける!」

2019.02.03

創部45年北陵初の九州大会出場!


ユニフォームを着て神社で集合写真を撮る北陵ナイン

■専門的な学科が特徴的

 佐賀県佐賀市の北部に位置する北陵高等学校は、佐賀中央工業を全身とし、2000年に現校名となる。現在は情報系学科、環境系学科、交通系学科、福祉系学科が設置されており、佐賀県内唯一の工業と福祉を学べる学校として存在している。部活動では、県高校総体にて卓球団体が、3年連続15回目の優勝。他にも柔道部、サッカー部、バスケットボール部なども県内で上位の結果を残している。野球部は、昨秋に北陵初の九州大会に出場するなど着実に力をつけてきている。

■北陵の環境や練習は?

 数年後に専用球場ができる予定ではあるが、現状は、縦70m×横96mのグラウンドをサッカー部と半分ずつ分け合って使っている。
 平日の放課後は縦70m×横48mほどしか使えないが、そのスペースを有効利用するため、吉丸信監督は日々分単位でメニューを組み、選手が飽きないよう毎日違うメニューを提案している。

 ただ朝のHRまでの時間は全面利用できるため、6時30分から準備をし、7時~8時15分までバッティングやノックを行う。整備等は朝だけでなく、昼休みにも行い、放課後の練習時間を稼ぐことに努めている。また、グラウンドが粘土質であるため、雨天後のグラウンドを放置すると1週間は水がなくならない。そのため雨天時には通常集合よりも少なくとも30分は早くグラウンドに集合し、水抜きを行って練習時間を確保している。

 そんな彼らは個々の能力向上・スキルアップをテーマにオフシーズンの練習に打ち込んでいる。ダッシュなどのランニングが中心となるが、その中にある特別メニューが北陵には存在する。それは唐津城の階段と坂道、さらには砂浜で丸1日トレーニングや、熊本県の釈迦院御坂遊歩道の3333段の階段を3往復するトレーニングだ。こうした練習で選手たちは足腰を鍛えている。

■新チームの印象深い試合

 昨秋は旧チームまででできなかったこと、変えなければならないことを分析し、自分たちの代で文化を変え、甲子園に出場することをテーマとした北陵秋季佐賀県大会2回戦で大会前に優勝候補と言われていた東明館との対戦。7回まで0対1でリードを許していたが、8回表に追いつき、9回表に逆転し勝利。9回裏の3アウト目を獲った瞬間のベンチとスタンドの雰囲気は、プレーしている選手たちが鳥肌が立つほど凄いゲームだった。

■昨秋に活躍した北陵の主力選手たち

 そんな昨秋の北陵は、1番・勝野翔貴、2番・牟田佑生、3番・楢嵜陸虎、4番・吉武陸登、5番・ビアイ・マイケルが上位打線として機動力も混ぜながら打線でチームを引っ張る。

 そして、ピッチャー・中尾秀虎藤本風とキャッチャー・末次龍雅のバッテリーが、守備陣でチームを盛り立てる。バッテリーが困っていると絶妙な間合いで声を掛けてくれるセカンド福井咲登もチームの縁の下の力持ちとして貢献する。

■夏を見据えて取り組む!

  創部45年で初の九州大会出場を果たした北陵だが、現在は夏を見据えて日々の練習に取り組む。春、夏のキーマンとして、3番・楢嵜、4番・吉武、5番・マイケルに期待を寄せる末次主将。また、チームのムードメーカーである永田健人の代打の1本や、ピンチでの登板にも期待している。

 そんな末次主将は「高校野球人生、長くても半年ほどになった私たち2年生は、一日一日、何か1つでも身につけ、その日の練習を終われるように充実させていきたいと思います」と意気込む。

 毎日充実した練習を過ごした先にはチームの目標である、甲子園で校歌を歌いバックスクリーンを背景にした光景を監督の年賀状に使ってもらう、という夢が現実として待っているに違いない。

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[page_break:2人の打線のキーマンが語る強化ポイント!]

2人の打線のキーマンが語る強化ポイント!


足腰のトレーニングの様子

 ここからは、北陵高校の外野手・ビアイ・マイケルと、三塁手・牟田佑生郎副主将のお二人にお話を伺いました!

Q.秋季大会などを経て、見つけた課題を教えてください

 マイケル:試合終盤に失点することが多かったです。
 牟田:後半に集中力が切れて逆転されるケースがありました。

Q.このオフシーズンの目標、強化したいことを教えてください

 マイケル:守備範囲の拡大と打撃のスケールアップです。

 牟田:加圧トレーニングなどのトレーニングを通して夏のための身体作り、体力作りをする。
    個人的には50m6.0秒を切る走力とスイングスピードの向上です。

Q.応援する方々へアピールしたいセールスポイントは?

 マイケル:打席での自分を見てほしい。

 牟田:盗塁と守備時のバントに対するプレススピード!!

Q.チームの好きなところや、他のチームに負けていないところはどこですか?

 マイケル:みんなが助け合い、支えあうところ!あと、攻撃力では負けないです!

 牟田:仲がいい。チームで戦う意識が高い!

Q.このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

 マイケル:県NO.1スラッガーになる!
 牟田:副主将として、もっとチームに対して指示を出し、技術向上、身体作りに励み、夏のキーマンになりたい!!

 マイケル選手、牟田選手、ありがとうございました!

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[page_break:きついのは当たり前!冬をどう乗り越えるか!]

きついのは当たり前!冬をどう乗り越えるか!


指導者の話を聞く選手たち

 吉丸 信監督にお話を伺いました!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 夏の段階で、2年生のスタメンが4人(外野手3人とサード1人)おり、ショートとキャッチャーも同レベルの戦力がありました。特に1~3番の走力と3~5番の打力には期待していたので、投手力と6番以下の整備で秋は戦えると思っていました。2番手投手の1年生(藤本風)の成長と夏の経験値が活かされ、秋は本校創部45年にして初の九州大会出場を果たしました。しかし、九州大会では神村学園に完敗し、冬練でさらなる走力アップ、パワーアップを図りたいと、今、頑張っています。

Q. 厳しい冬の練習に挑んでいる選手たちにメッセージをお願いします!

 きついのは当たり前  そこを笑顔で明るく元気よく!
 夢は叶うもの  思いが強ければ!
 逃げない! 負けない! 諦めない!!

吉丸監督、そして北陵高校野球部の皆様ありがとうございました!

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今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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