ドームの舞台で未来を拓く躍動を

2月26日・埼玉西武ライオンズ2軍とのオープン戦で遊撃守備につく水野達稀(JR四国)
5月17日、都市対抗野球四国予選一次リーグ初戦で最大のライバルと目されていた四国銀行(高知市)相手に8番・遊撃手スタメンを張り3打数3安打2打点。これで水野選手はさらなる自信を深めました。
「高校時代より深めには守っているが、苦にしたことはない」守備から「ストレート、変化球共にキレが全く違うが、そこで振り負けず強いスイングをすることを心掛けている」打撃につなげるスタイルは、試合を重ねるごとにチーム力の源泉へ。
JR四国・山田 啓司監督も「新人とは思えない」と称える堂々としたプレーぶりは、準決勝・アークバリア(高松市)戦の3打数2安打2打点3盗塁。
そして地元開催で四国銀行を破って勢いに乗る松山フェニックス(松山市)との決勝戦では「追加点が欲しいところでの貴重な一発だった」と指揮官を喜ばせる社会人初アーチ含む6打数3安打2打点。そんな彼に転がり込んできたのは3年連続12度目のJR四国都市対抗出場と共に「首位打者賞」の栄冠だったのです。
「東京ドームに行くことで全国の投手とも対戦できる。今与えられた場所で役割を果たす中で、自分の経験も積んできたいです」と大会後、初都市対抗への意気込みを述べた水野選手。
甲子園では日南学園(宮崎)戦でわずか7球で4打数無安打に終わった悔しさを晴らし、「一歩目のスタートから送球までの身体の使い方がうまいので参考にさせて頂いている」源田 壮亮(大分商~愛知学院大~トヨタ自動車~埼玉西武ライオンズ)や安達 了一(榛名~上武大~東芝~オリックス・バファローズ)のような社会人名遊撃手の系譜をたどることができれば……。
2021年秋には現在チームトレーナーを務める川畑 勇一さん(捕手・1993年ヤクルトスワローズ4位指名)以来となる「四国社会人野手ドラフト指名」が実現するはずです。
(文・寺下 友徳)