Column

入れ込みすぎず、離れすぎず。物事を双方向で見られた時、視野は広がり成長に繋がる

2019.05.10

 2007年2月に首都圏から居を四国地区に移し13年目。「さすらいの四国探題」の異名を背に四国球界でのホットな話題や、文化的お話、さらに風光明媚な写真なども交え、四国の「今」をお伝えしている寺下友徳氏のコラム「四国発」。

 第45回では大型10連休を終えたからこそ心掛けたい物事の見方を、春季四国地区高等学校野球大会中に筆者が取り組んだ「お仕事」から考えていきます。

学びの多い「愛媛CATV野球中継」のお仕事

入れ込みすぎず、離れすぎず。物事を双方向で見られた時、視野は広がり成長に繋がる | 高校野球ドットコム
2年ぶり11度目の優勝を決め校歌を歌う明徳義塾

 皆さま、超大型10連休も終わり、通常の日々が戻ってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?私はゴールデンウイーク恒例の春季四国地区高等学校野球大会取材を中心に……私のことはどうでもいいですね。はい。

 ちなみにですが、この春季四国地区高等学校野球大会は私の居住する愛媛県松山市・坊っちゃんスタジアムでの開催でした。ということで通常の「高校野球ドットコム」等の仕事の他に、準決勝からはこんなお仕事が加わりました。「愛媛CATV野球中継」。

 実は毎年、四国アイランドリーグplusを年間数試合生中継している愛媛CATVは高校野球中継にも力を注いでおり、春季愛媛県大会では準決勝と決勝戦・3位決定戦2試合ずつを毎年生中継。さらに四国大会が愛媛県で開催された際には、春は準決勝2試合と決勝戦。秋は1回戦・準々決勝の各4試合ずつを四国全県のCATVネットを通じ生中継することが恒例となっています。

 その中で私が拝命している業務は「割烹鶏一八」店主の森 一八さんの実況と、松山北~法政大~熊谷組と名遊撃手として鳴らし1976・1980年のアマチュア野球世界選手権・日本代表にも選出。さらに代表キャプテンも務めた森貞 周治さんの解説をサポートさせて頂く「データマン&スコアラー」。視聴者の皆さまにより有益な情報を提供させて頂くため、記事で書けなかった情報もここでは入れさせて頂いております。

  ただ、私自身もここでは様々な「学び」をさせて頂いております。森さんの軽妙なしゃべりや、森貞さんの内野手を中心とした緻密な野球理論を活かすも殺すもすべて私次第。普段の取材とはまた違った緊張感をもって仕事にあたらせて頂いています。

 また、放送前後やイニング間の会話では、普段見えなかった視点も引き出させて頂いていますし、モニター、スロー再生がある放送席にいることで、絶対に肉眼では解らない発見もしています。

 この視点を記事に反映し、記事の取材を中継へ活かすことが私の使命。森さん、森貞さん、そして愛媛CATVさんとはこれからもウィンウィンの関係を築きつつ、四国の野球ファンの皆さまにも貢献していけるよう、これからも頑張ります。

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見方を「双方向」にすれば、新たな視点が見えてくる

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令和元年度(第72回)春季四国地区高等学校野球大会閉会式から

 ではなぜ、今回この話を取り上げさせて頂いたのか?野球界のみならず生活の様々な場面で見られる「視野が狭まる」を解決する一方法として、参考になれば思ったからです。

 たとえば高校野球の場合、このゴールデンウイークは練習試合・公式戦含めて連戦が組まれることが多いはず。最後の夏へ向けて心技体の強度を上げるには格好の時期である半面、ともすると自分たちの中だけにこだわりすぎ、負のスパイラルに入りやすい危険性もはらんでいます。

 そこで必要なことは何か?一度コップの中から出て、世間という風に当たり、自らを上から眺めてみる。すると、周りが自分のことをどのように考えているか。その上で相手を上回るために何が必要なのか。そしてもう一度コップの中に入ってみれば、より効果的な対応策も見いだせるでしょう。

 それは何も同業種に限った話ではありません。「第44回」で取り上げた「愛媛プロレス初観戦」も実は私にとっては「双方向業務」の要素を含んだものでした。

 日常に戻りつつある今こそ「入り込みすぎず、離れすぎず」。そこで得た新たな視点が皆さんの成長の一助になれば、私にとってこれほど嬉しいことはありません。

(文・寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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