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ドットコム四国担当記者が語る、2019年「四国発」の初夢5つ!

2019.01.02

 2007年2月に首都圏から居を四国地区に移し12年目。「さすらいの四国探題」の異名を背に四国球界でのホットな話題や、文化的お話、さらに風光明媚な写真なども交え、四国の「今」をお伝えしている寺下友徳氏のコラム「四国発」。

 2019年、最初となる第28回では初春企画として(これも定番ですいません)、2019年「四国発」の初夢をご紹介。「これが正夢になれば、なるだろう、いや・なるようにする!」という決意をもってキーボードを打ち込みます。

「実現可能な」初夢を5つ

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神宮大会ベスト4に貢献した、香川琢磨(高松商)

 謹賀新年。日本では西暦1817年以来となる譲位により年号が変わる特別な西暦2019年が明けました。

 さて、新春と言えば初詣。そして改めて新年の誓いを立てる方々も多いかと思います。ただ、私の新年の誓いを聞いても一銭の足しにもならないので、今回は2019年の四国野球界を初夢風に占ってみたいと思います。もちろん「実現可能な」を条件にセレクトしてみました。では、「5つの初夢」をどうぞ!

1.センバツ・四国勢がベスト8に2校入る!
2.夏の甲子園・新元号大会最初の王者は17年ぶりの四国勢!
3.チーム数増加による激戦化が功を奏し、都市対抗・日本選手権で四国代表が2勝をマーク!
4.JEE西日本・河野 竜生鳴門高卒3年目)、複数球団競合でのドラフト1位指名!
5.四国アイランドリーグplus・リーグ15年目にして初の4球団ドラフト本指名選手同時輩出!

 まずは1月25日(金)に出場校が発表されるセンバツ。出場濃厚な高松商(香川)、松山聖陵(愛媛)に加え富岡西(徳島)は中四国5校目と21世紀枠の両方で、高知商(高知)は中四国5校目で出場の可能性を残しています。ベスト8入りは「2勝」が条件ですが、それぞれが強みを持っている各校の戦い方次第では十分実現可能でしょう。

 そこをステップに情報を各県で共有できれば、夏の甲子園でのさらなる躍進=新元号最初の甲子園王者獲得も夢ではない。「四国発」はそうみています。

 これは連載当初から述べていますが、四国には四国で培ってきた「団結力・探究力・高校野球文化」というエッセンスがあります。高校生たちには個のベースアップと同時にそれらを最大限発揮し、いい意味で利用して、「結果」という形で大人たちを納得させ、自分たちの将来を切り拓いてほしい。そして大人たちは、そんな子供たちの願いにこたえられるように、結束力をもって支援して頂きたい。もちろん私も含めてです。そういったことが一致すれば、全国・世界に発信できる新しいムーブメントが生まれるはずです。

[page_break: 四国の社会人野球、夜明けの時期へ]

四国の社会人野球、夜明けの時期へ

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菊池 大樹 (八幡浜)

 3つ目には社会人野球の話を入れました。実は2019年、四国の社会人野球はチーム数の増加が見込まれています。すでに徳島県では徳島野球倶楽部(徳島県徳島市)に続く2つ目の県内クラブチームとして「徳島アストロズ」が設立され、現在選手を公募中。他にも四国内でクラブチーム設立の動きがあることも耳に入っています。

 かつては都市対抗・社会人日本選手権に出場した四国電力(香川県高松市)、大倉工業(香川県丸亀市)、琴平電鉄(香川県高松市)、NTT四国(愛媛県松山市)、丸善石油(愛媛県松山市)、伊予銀行(愛媛県松山市)、愛媛相互銀行(現:愛媛銀行・愛媛県松山市)、土佐電鉄(現:とさでん交通・高知県高知市)、高知相互銀行(現:高知銀行・高知県高知市)、徳島鉄道管理局(徳島県徳島市)、全徳島(徳島県徳島市)、日本通運四国(徳島県徳島市)、阿波商業銀行(現:阿波銀行・徳島県徳島市)、東邦レーヨン(徳島県北島町)をはじめ、社会人野球チームが点在していた四国地区。

 ですが、2006年のアークバリア(香川県高松市)設立以降は長らくJR四国(香川県高松市)、四国銀行(高知県高知市)、松山フェニックス(愛媛県松山市)、徳島野球倶楽部の5チーム体制が続き、なかなか「四国で勝つ」より上のベクトルにならなかったことも事実です。

 2018年はJR四国が都市対抗で社会人野球の盟主・Hondaを破り久々に四国社会人の矜持を見せてくれました。2019年は夜明け前から夜明けの時期に移行するための「全国2勝」へ。プロ入りへ再チャレンジする四国銀行の最速151キロ・菊池 大樹(愛媛・八幡浜~龍谷大卒4年目)、岐阜経済大では最速152キロでドラフト候補にあがり、勝負の大卒2年目を迎えるJR四国・濱口 雄大(高知・高知農卒)両右腕の動向含め、今年は皆さんも四国の社会人野球に注目して頂ければ幸いです。

[page_break:ドラフト指名の歓喜、四国4県で届け!]

ドラフト指名の歓喜、四国4県で届け!

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河野 竜生 (鳴門)

 4つ目が今現在で言えば、最も実現可能性が高いかもしれません。この「四国発」でも取り上げたJFE西日本の左腕・河野 竜生(徳島・鳴門卒3年目)は昨年12月に参加した「アジアウィンターリーグ2018」でも6試合に登板し1勝で防御率2.96。台湾や韓国プロの若手選手やNPBの2軍選抜と対峙しても27回3分の1を投げて32奪三振とすでに実力が一軍に近いレベルにあることを証明しました。

 「入社した時から3年でプロを目指していたし、なるべく上位で指名されたいと思っています」と、社会人野球日本選手権後に意気込みを語っていた河野投手。この成長を2019年も止めずに進んでいけば、10月末には「ドラフト目玉」の称号を得て臨むことになるでしょう。

 そして四国アイランドリーグplus。2019年の新入団選手を見ると、1球団に1名以上は「本指名の可能性が十分ある」選手が含まれています。この部分に関しては「リーグとして仲よく」の論理は一切必要ありません。

 チーム内では練習から「NPBで活躍するための」レベルで競い合い、リーグ戦では「ねじ伏せる」、「打ち返す」で火花を散らし、選抜チームに入った際にはさらに高いレベルで競い合う。その繰り返しの結果、10月には四国4県で同時に笑顔があふれる。そんな2019年になれば、これほどうれしいことはありません。

 こうして今回は5つの「初夢」を記しました。私もその一助になれるように、様々な形で「かかわる」ことをしていきます。皆さま、改めまして、本年もよろしくお願い申し上げます。

(文・寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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