Column

明徳義塾・市川 悠太「侍ジャパンU-18代表」で学んだこと

2018.09.12

 2007年2月に首都圏から居を四国地区に移し12年目。「さすらいの四国探題」の異名を背に四国球界でのホットな話題や、文化的お話、さらに風光明媚な写真なども交え、四国の「今」をお伝えてしている寺下友徳氏のコラム「四国発」。
 
第13回のテーマは11日に終了した「第12回BFA U18アジア選手権」です。今回は四国地区から侍ジャパンU-18代表に選出された市川 悠太投手(高知・明徳義塾3年)に9月10日、宮崎の地でインタビュー。忌憚なく話してくれた「代表参加を通じ学んだこと」をお伝えします。

前向きに取り組んでいた「四国発」侍ジャパン・市川悠太

明徳義塾・市川 悠太「侍ジャパンU-18代表」で学んだこと | 高校野球ドットコム
キャッチボールをする市川悠太選手(明徳義塾)

 9月11日まで宮崎県で開催されていた「第12回BFA U18アジア選手権」。皆さんご存知の通り侍ジャパンU-18代表は3位に終わりました。来年、韓国で開催される「第29回WBSC U-18ワールドカップ」出場権を獲得できたことにはホッとしていますが、地元開催での結果と内容は残念の一言です。

 詳細な分析と次への提言はフルで大会を取材されていた皆さまに譲るとして、今大会では2人、四国にゆかりのある選手が参加していました。1人目はインドネシアU-18代表のリム・アンダーセン選手。もう1人は侍ジャパンU-18代表の最速149キロサイド・市川 悠太投手。いずれも高知・明徳義塾からの出場です。

 アンダーセン選手は「3番・捕手」としてフル出場した一方、市川投手の大会登板はオープニングラウンド・スリランカ戦の1イニングのみ。周囲から見れば不完全燃焼の印象は拭えませんが、それでも市川投手は前向きに日々を過ごしていました。

 私が取材に伺った9月10日にも、キャッチボール、遠投、ポール間走にストレッチと投手陣とコミュニケーションを図りながら、3位決定戦・中国戦登板に備えた調整を進めていた市川投手。その理由は、練習後の話で明らかになりました。

[page_break: 代表の日々から学んだ「自分の目指すべき姿」]

代表の日々から学んだ「自分の目指すべき姿」

明徳義塾・市川 悠太「侍ジャパンU-18代表」で学んだこと | 高校野球ドットコム
ソ・ジュンウォン選手

 「ちわっす!」。普段、明徳義塾野球道場で話をしている時と同じスタイルで筆者を迎え入れた市川投手。翌日に試合が控えていたので大会全体の振り返りは後日回しとし、まずは侍ジャパンU-18代表の選手たちから受けている刺激について聞いてみました。

 「一番はトレーニングの方法です。みんながやってきたトレーニングは、これまで明徳義塾でやってきたトレーニングとは全く違いました」

 刺激は自チームからばかりではありません。市川投手は同タイプの「ある投手」に自分の将来像を重ね合わせていました。

 「韓国のソ・ジュンウォンも150キロを超える右サイドでしたけど、ボールが暴れていましたよね?それに比べて(壮行試合で対戦した)侍ジャパン大学代表の津森(宥紀・東北福祉大3年)さんは、同じ球速帯でもコースにしっかり決まっていたし、ボールの重さが違う。『僕が目指すべき道はそこだな』と思いました 」

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津森宥紀投手(東北福祉大)

 さらにすでにプロ志望を表明している市川投手は、一塁コーチャーが多かった今大会中、プロ入り後に必須となる「外国人対策」もひそかに練っていました。その一端を紹介すると……。

 「韓国の右打者は右肩が下がる傾向があるので、横の変化球にはついてくる傾向がある一方で、インコースや縦変化への対応はよくなかった」。きっとこの研究成果はプロのマウンドで出してくれることでしょう。

 「今までと違う責任とプレッシャーの中で自覚も出てきた」侍ジャパンU-18代表での約半月。次に「JAPAN」のユニフォームをもっと大きな舞台で、そしてエース格として付けるために、市川 悠太の努力はこれからも続いていきます。

(文・寺下 友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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