Column

四国地区の有望1年生球児たち

2018.06.27

 2007年2月に首都圏から居を四国地区に移し12年目。「さすらいの四国探題」の異名を背に四国球界でのホットな話題や、文化的お話、さらに風光明媚な写真なども交え、四国の「今」をお伝えてしている寺下友徳氏のコラム「四国発」。
 第10回では7月7日の徳島大会を皮切りにスタートする「第100回記念全国高等学校野球選手権」四国地区各地方大会での活躍が期待される「有望1年生球児たち」について紹介していきます。

「職人遊撃手」腕ぶす香川県、「フルスインガー」うなる愛媛県

四国地区の有望1年生球児たち | 高校野球ドットコム
軽快な遊撃守備と堅実さが光る前田 大(英明)

 

 すでに6月30日(土)開催の高知大会を除けば組み合わせ抽選会も終わった、四国4県の「第100回記念全国高等学校野球選手権」。7月7日(土)の徳島大会を皮切りに、9日(月)に香川大会、11日(水)に愛媛大会、14日(土)に高知大会の順で開幕。いよいよ夏到来です!

 

 組み合わせ抽選会を踏まえた各大会の展望は改めてさせて頂きますが、今回は大会の華の1つである「有望1年生球児たち」を何人かピックアップしていきたいと思います。

 

 まずは香川県。最注目選手はすでに大阪桐蔭(北大阪)と対戦した香川県高野連招待試合でデビューを果たした英明前田 大(遊撃手・右投右打・173センチ56キロ・丸亀市立西中出身)と、玉井 来輝(左翼手・右投左打・164センチ55キロ・高松市立香東中出身)両選手。玉井は守備で好プレーを見せ、前田は堅実な守備に加え、侍ジャパンU18代表一次候補の根尾 昴(3年)からも「はじめから逆方向を狙って」3安打。来る夏も選手層の薄さに悩んでいた香川 智彦監督を大いに喜ばす活躍に期待です。

 

 その他、尽誠学園では名古屋アスリートクラブヤング(愛知)でキャプテンを務めていた仲村 光陽(177センチ71キロ・右投右打)が香川大会当初登録・背番号「5」でベンチ入り。観音寺市勢の観音寺一観音寺総合も1年生1人ずつに一桁番号を与えて大会に臨むことになりそうです。

 

 愛媛県では大会連覇を狙う済美で豊富な練習試合経験を積んでいる1年生トリオ・越智 息吹(一塁手・右投右打・177センチ89キロ・西条ボーイズ出身)、山田 響(左翼手・169センチ65キロ・新居浜ヤングスワローズ)、松岡 玲旺(右翼手・左投左打・177センチ70キロ・松山リトルシニア出身)が注目株。特に松岡は柳田 悠岐(福岡ソフトバンクホークス)を思わせるフルスインガーとして大会を沸かせてくれそうです。

 

 また、菅 哲也監督が「キャプテンシーがあって、気持ちを持っている」と話す川之江左腕・槍山 聡(左投左打・176センチ64キロ・生駒リトルシニア<奈良>出身)や、春の四国大会ではベンチ外から一転、愛媛大会当初登録では背番号「2」を付ける松山聖陵岸田 明翔(捕手・右投右打・173センチ80キロ・高槻ボーイズ<大阪>出身)らの動向も気になるところです。

[page_break: 鳴門の「背番号5」に土佐の中軸も1年生]

鳴門の「背番号5」に土佐の中軸も1年生

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1年にして中軸を担う松谷 大輝(土佐)

 

 続いて徳島県。近年夏の1年生起用が目立っていた鳴門の「背番号5」は今年も1年生・藤中 壮太(三塁手・右投右打・168センチ64キロ・三好市立三好中出身)。中学時代に最速137キロを投げた抜群の運動能力は、6月開催の総体協賛ブロック大会でも目を引いていました。また、昨年の全国中学駅伝で三好市立池田中のアンカー(6区)を担当した桝田 洸(三塁手・右投右打・176センチ67キロ)は、この夏は徳島池田の背番号「5」を背負って最初の夏に挑むことになりそうです。

 

 そして徳島北河野 勇真(投手・右投右打・173センチ71キロ・徳島藍住リトルシニア出身)も総体協賛ブロック大会ですでに登板済。すでにストレートは130キロ中盤をマークしており、徳島大会初戦・徳島商での出番も十分ありそうです。

 

 高知県の1年生注目は5月の県総体で早くも土佐の「4番・一塁手」を務め、11打数4安打4打点をマークした松谷 大輝(右投右打・172センチ76キロ・志村ボーイズ<東京>出身)。中学時代「NOMO JUNIOR ALL JAPAN」に選ばれた実力もさることながら、守備のカバーリングなどを見ると、野球を知っているのが明らかに解ります。

 

 また、同じく5月の県総体では高知商西村 貫輔(右投右打・165センチ65キロ・南国ヤングマリナーズ出身)が2番・遊撃手スタメンを張り、高知では昨年の侍ジャパンU-15代表・濵田 世(右投右打・180センチ74キロ・高知中出身)も登板。この2人も当然、夏には主力として絡んでくるはずです。

 

 そして明徳義塾でも1年生が台頭中。最近の練習試合で遊撃手に先発起用されているのは今釘 勝(右投左打・167センチ62キロ・京都嵐山ボーイズ<京都>出身)。「一番うまい」と馬淵 史郎監督も認める守備力に課題の打撃が伴えば、今里 征馬(拓殖大~大和高田クラブ)以来9年ぶりとなる「1年生・正遊撃手誕生」も十分考えられます。

 

(文・寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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