第4回 私学4強の壁がある「西愛知」と大激戦の「東愛知」【2代表制大会展望】2018年01月18日

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左:扇谷 莉(東邦)、右上:澤井廉(中京大中京)右下:松原絃介(愛知産大三河)

 2018年は、1915(大正4)年に第1回大会が始まった現在の全国高校野球選手権大会が第100回大会を迎える。途中、戦争による中断があったものの、今日まで1世紀以上の歴史を作りあげてきた。
そして、18年の100回大会は記念大会となり、甲子園への出場校も増加される。記念大会で増枠となる地区では、どんな期待感があるのだろうか。通常の1代表から、2代表となる7地区の今季の動向を探ってみた。今回は愛知編だ。

愛知
【東愛知】東三河地区、西三河地区、知多地区
【西愛知】名古屋市内、尾張地区。

 愛知県は過去二度の記念大会と同じ地区割りとなって東愛知と西愛知に分かれた。
歴史的にもう何十年も「名古屋市内私学4強の壁」と言われている愛知の高校野球だが、記念大会でも名古屋市内を二分することはない。従って中京大中京東邦愛工大名電享栄の私学4強は同じ地区で戦うことになる。さらには近年躍進著しい至学館と徐々に復活を示している愛知もおり、名古屋市内地区の激戦は変わらない。そこに尾張地区が加わることになっている西愛知に属する各校にとっては、その厳しさは、記念大会だからといって、緩和されることはないといっていいであろう。

 その西愛知は、上記6校以外で過去50年の中で甲子園出場実績があるのは愛知啓成愛知黎明(当時弥富)しかない。それくらいに、名古屋市の4強に勢力が集中しているともいえるのだろう。それらに対して、強烈に対抗を示してきているのが、この夏の愛知大会でも決勝進出を果たした栄徳であろう。過去5年の中で2度の愛知大会決勝進出という実績もあり、もっとも初出場に近い学校ということが言えよう。

 栄徳を秋の尾東大会で下して優勝した星城も台風の目となる可能性は十分に秘めているであろう。他には春日丘中部大一、尾張地区大会を制した愛知啓成に続いて清林館大成に誉なども打倒名古屋市勢に挑む。公立では西春小牧南などが健闘している。
また、名古屋市内県立校大会を制した天白や歴史のある旭丘名南工なども注目される存在となろう。6校に続く名古屋市内私学としては名古屋国際名城大附名経大高蔵大同大大同同朋愛知産大工もひと暴れしそうだ。

 東愛知は名古屋市勢との対決がなく、私学4強の壁を乗り越えなくてもよくなる記念大会は、勢いづけばどこにでもチャンスがあるとも言えよう。また、戦力的にも抜けた存在がなく大激戦となりそうだ。
東三河では豊川を筆頭として、夏のベスト4の豊橋中央と秋季県大会ベスト4の桜丘が3強だが、絶対的な練習量を誇っている渥美農成章時習館小坂井豊橋商国府などの公立勢も続く。

 西三河勢はさらに群雄割拠となっている。秋季県大会では準優勝を果たして、東海大会にも進出した愛知産大三河が現時点での実績では筆頭だが、ベスト8に進んだ安城はじめ、夏のベスト8の豊田工、過去5年の間に夏の愛知大会で2度も4強入りを果たしている西尾東もチャンスはある。実績のある豊田西刈谷も当然注目校だが吉良岡崎工安城東知立東刈谷北なども一波乱起こせそうだ。私学勢力も豊田大谷安城学園岡崎城西杜若などが健闘しそうだ。

 知多地区は大府の存在が絶対的だが、近年は東浦が健闘している。また、半田横須賀半田東などの進学校も健闘している。注目は日本福祉大附で、今秋は知多地区3位で県大会にも出場を果たし初戦も突破した。

なお、過去の記念大会は西は愛工大名電東邦。東は古木克明選手のいた豊田大谷大府がそれぞれ出場を果たしている。100回大会はどんな風が吹くのだろうか。

(文=手束 仁

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愛工大名電 【高校別データ】
愛知啓成 【高校別データ】
愛知黎明 【高校別データ】
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春日丘 【高校別データ】

プロフィール

手束仁
手束 仁
  • 生年月日:1956年
  • 出身地:愛知県
  • ■ 経歴
     愛知県知多市出身。半田高→國學院大81年卒。大映映像事業部など映像会社で、映画・ビデオなどの販売促進、営業等を経て、編集プロダクションに10年勤務後独立。
     99年に『熱中!甲子園』(双葉社)を仕掛け、を刊行。同年に『都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社・刊)で本格的にスポーツ作家としてデビュー。99年12月に、『アンチ巨人!快楽読本』(双葉社)を企画編集・執筆。その後、『ふたりの勇気~東京六大学野球女子投手誕生物語』、『高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)などを相次いで刊行。さらに話題作となった『甲子園出場を目指すならコノ高校)』(駿台曜曜社)、『野球県民性』(祥伝社新書)、『プロ野球にとって正義とは何か』、『プロ野球「黄金世代」読本』、『プロ野球「悪党」読本』(いずれもイースト・プレス)などを刊行。
     さらには『高校野球のマネー事情』、『スポーツ(芸能文化)名言』シリーズ(日刊スポーツ出版社)、『球国愛知のプライド~高校野球ストーリー』などがある。
     2015年には高校野球史を追いかけながら、大会歌の誕生の背景を負った『ああ栄冠は君に輝く~大会歌誕生秘話・加賀大介物語』(双葉社)を刊行し18年には映画化された。

     スポーツをフィルターとして、指導者の思いや学校のあり方など奥底にあるものを追求するという姿勢を原点としている。そんな思いに基づいて、「高校生スポーツ新聞」特派記者としても契約。講演なども國學院大學で「現代スポーツ論」、立正大で「スポーツ法」、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」などの特別講師。モノカキとしてのスポーツ論などを展開。
     その他には、社会現象にも敏感に、『人生の達人になる!徒然草』(メディア・ポート)、『かつて、日本に旧制高等学校があった』(蜜書房)なども刊行。文学と社会風俗、学校と教育現場などへの問題提起や、時代と文化現象などを独自の視点で見つめていく。 そうした中で、2012年に電子メディア展開も含めた、メディアミックスの会社として株式会社ジャスト・プランニングを設立。新たなメディアコンテンツを生み出していくものとして新たな境地を目指している。
  • ■ 著書
    都立城東高校甲子園出場物語~夢の実現』(三修社) 
    甲子園への助走~少年野球の世界は、今』(オーシャンライフ社)
    高校野球47の楽しみ方~野球地図と県民性』(三修社)

    話題作となった
    甲子園出場を目指すならコノ高校(増補改訂)』(駿台曜曜社)
    スポーツ進学するならコノ高校
    東京六大学野球女子投手誕生物語~ふたりの勇気』(三修社)
    三度のメシより高校野球』(駿台曜曜社)
    スポーツライターを目指す人たちへ~江夏の21球の盲点』(メディア・ポート)
    高校野球に学ぶ「流れ力」』(サンマーク出版)
    野球県民性』(祥伝社新書)
    野球スコアつけ方と分析』(西東社)
    流れの正体~もっと野球が好きになる』(日刊スポーツ出版社)NEW!
  • ■ 野球に限らずスポーツのあり方に対する思いは熱い。年間の野球試合観戦数は300試合に及ぶ。高校ラグビーやバレーボール、サッカーなども試合会場には積極的に顔を出すなど、スポーツに関しては、徹底した現場主義をモットーとしている。
  • ■ 手束仁 Official HP:熱中!甲子園
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