伝統を守りつつ時代とともに進化する、智辯和歌山に導入された野球ノートの中身とは?2018年08月27日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

【目次】
[1]アップデートする智辯和歌山野球
[2]「大多数」対「1」を補う野球ノート
[3]野球ノートとともに成長を続ける



智辯和歌山

 智辯和歌山の敗退は今大会、これまで最大のサプライズだったといえる。 勝った近江は強かった。優勝候補をくだすだけのチーム力があった。 一方で涙を呑んだ智辯和歌山。3年生にとっての夏は終わったが、新チームが持つ潜在的な力は、今チームをしのぐかもしれない。

 2017年から智辯和歌山のコーチに就任したOB中谷仁(元阪神タイガースほか)が、1年次から指導する選手たちが3年目を迎えるのだ。この秋からは監督に就任した中谷仁がコーチ就任時から取り組み始めたものはいくつもあるが、そのうちのひとつに「野球ノート」がある。 球児たちの「グラウンド以外の努力」が表れている、と話題を呼んでいる『野球ノートに書いた甲子園FINAL』より、智辯和歌山の取り組みについて紹介する

アップデートする智辯和歌山野球



選手へノックを打つ、中谷仁コーチ

 智辯和歌山の「野球ノート」は、取り組み始めてまだ1年半。中谷仁がコーチに就任して以降始まった。当時の1年生だった現在の2年生は全員義務付けられ、現在の3年生はふたりをのぞいて自由参加だ。他校にあるような「やり方」もなければ「フォーマット」もない。練習が始まる前に中谷に提出し、練習後に返される、それだけ。

 中谷は、選手がアップなどをしている間に目を通し、コメントしていく。中谷が言う。「野球ノートにかんしてはやったほうがいいよ、ということを言って僕がやらせてもらっているものです」。監督の高嶋は言った。
 「あれは中谷に任せてます」

 かつての師弟関係は、ともに「教える側」と変化したが、そこにある「信頼関係」は変わらない。中谷自身「高嶋野球を選手たちにかみ砕いて教えていく役目」と言うとおり、長い時間をかけて築いてきた智辯和歌山野球をつねに守りながら、時代に合わせてアップデートしていく、その一環に「野球ノート」はあるのだろう。

 特徴的なのは選手からの質問が多いことだ。一般的に「野球ノート」と言えば、問いかけや檄といったアクションが指導者側からなされることが多い。しかし、智辯和歌山の場合は違う。アクションの主体が、選手側にあるのだ。

【次のページ】 「大多数」対「1」を補う野球ノート

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
智辯和歌山vs東海大仰星【2020年秋の大会 令和2年度 秋季近畿地区高等学校野球大会】
尽誠学園vs智辯和歌山【2020年甲子園高校野球交流試合】
智辯和歌山vs日高【和歌山県 2020年夏の大会 高校野球和歌山大会】
智辯和歌山vs市立和歌山【和歌山県 2020年夏の大会 高校野球和歌山大会】
第1224回 持ち味は高校生レベルを超えたスピード感あふれるプレー 巧打者・細川凌平(智辯和歌山)が掲げるビジョン 【2020年インタビュー】
第1223回 世代トップクラスの剛腕・小林樹斗(智辯和歌山)は昨夏の米子東戦以上のインパクトのある投球を見せることができるか 【2020年インタビュー】
第267回 夏の代替大会が開催されることを願って…。全国のドラフト・注目投手一覧【ドラフト特集コラム】
第255回 徳丸、前川など西日本の新2年生野手はスラッガー、巧打者揃い!【後編】【ドラフト特集コラム】
第253回 森木大智だけじゃない!2003年世代は145キロ右腕、140キロ左腕など好投手が数多く点在【後編】【ドラフト特集コラム】
第108回 履正社初優勝で幕が閉じた2019年の甲子園。注目15校の逸材の進路を公開【高校野球コラム】
第5回 センバツの要注目は来田、中森らの6名!ではブレイク候補だったドラフト候補17名は?【センバツ2020】
第1140回 1年から名門・智辯和歌山の4番に座る徳丸天晴。目指すは高校通算50本塁打 【2020年インタビュー】
第1105回 進学志望から一転。明石商の名捕手・水上桂(東北楽天)の野球人生を変えた日本代表の経験【後編】 【2020年インタビュー】
第1105回 明石商を二季連続甲子園ベスト4に導いた水上桂が名捕手になるまで【前編】 【2020年インタビュー】
滋賀選抜vs龍谷大【2019年 練習試合(交流試合)・秋】
池田 陽佑(智辯和歌山) 【選手名鑑】
西川 晋太郎(智辯和歌山) 【選手名鑑】
智辯和歌山 【高校別データ】
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム