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愛媛高校球児・キッズたちにティーボール・野球指導!

2018.03.05

  愛媛高校球児、「次の100年」を担うキッズたちにティーボール・野球指導~3月4日(日)9時から松山市立小野中体育館で約2時間行われた総合型スポーツクラブONOスポーツクラブ主催「ティーボール教室in小野」に愛媛県の高校野球指導者・球児たちが初参加。子どもたちに野球の楽しさを教え、共に楽しむ時間を過ごした。

愛媛の高校球児が講師役として参加!

愛媛高校球児・キッズたちにティーボール・野球指導! | 高校野球ドットコム
ティーボール教室前の指導実習でティーボールを打つ小学生と見守る愛媛高校球児たち

 これはさる1月20日(土)・愛媛県高野連監督研修会中に行われた「ティーボール講演会」の流れを受け、「今の子ともたちは野球をする機会がないので、野球をした上でスポーツを選択してほしいと思うし、その選択をする上で子どもたちにとって身近な存在の高校生がそ野球を教えてくれることは大きい」(篠原 昌也クラブマネージャー)と、主催者・ONOスポーツクラブから出した協力要請に愛媛県高等学校野球連盟が全面協力する形で実現したものである。

 かくして当日は松山商済美済美平成・聖カタリナ学園・松山聖陵松山東松山北松山中央松山中央・東温の9校からコーチ役として選手計29名、そのサポート役として指導者9名が参加。松山聖陵の選手たちは小学校3~6年の男女野球・ソフトボール経験者31名にキャッチボールやバッティングを楽しみの要素を加えながら教える一方で、残りの25選手は幼稚園・保育園児から小学校3年生までの野球未経験者を中心とする男女55人に対し、「投げる・捕る・打つ・走る」楽しさを笑顔を交え伝えた。

 開会式時はお互い硬さが目立ったキッズたちと高校球児たちも、時間の経過と共に笑顔のキャッチボールも交わすように。この姿に接し、この日はオブザーバー役に徹した指導者側からは「僕らも野球人口が減っている理由をいろいろ考えていたが、子どもたちと触れ合える機会が少なかったこともあったので、ここで楽しさに触れて野球を続けるきっかけになればと思うし、選手たちも最初は戸惑い気味だったけど、だんだん笑顔が出るようになったし、子供と触れ合いながら教え方も工夫していた」(松山東・堀内 準一監督)など、感心の声がしきりに聞かれていた。

 加えて保護者の皆さんもからも概して歓迎の声が。「打ったするのがが楽しかった」と話す唯翔くん(8歳)の笑顔を横目に「中学校まで野球をしていた」原 誠史さん(33歳)はこう話す。

 「スポーツ少年団の体験会ではレクリエーションやドッチボールをしているが、いろいろな競技をした上で本人がやりたいことをやらせてあげたいと思う中で、こういう機会はありがたい。やってみないと解らないですし、高校生になったらあんな感じになるというのもつかめますので」

[page_break:次の100年へ向けた第一歩!]

次の100年へ向けた第一歩!

愛媛高校球児・キッズたちにティーボール・野球指導! | 高校野球ドットコム
子供たちと握手を交わす聖カタリナ学園の選手

 一方、その指針となるべき愛媛高校球児たちも、子どもたちから多くの学びを得ていた。松山聖陵の1年生左腕・本永 大は熱を帯びた瞳でこう語った。

 「自分たちが小学校時代に教わったことを思い出しながら教えました。僕は将来教師になりたいと思っているので、教えることを高校時代に経験できたことはよかったですし、子どもたちがこれで野球を好きになってくれればと願っています」

 また、ティーボール打撃実演では大いに子どもたちを笑わせるなど終始、プレーヤーズファーストの指導を行っていた済美の主将・池内 優一(2年・右翼手)も「僕も小さい子どもたちを通じ『ただ楽しむ』という子どもの気持ちを思い出させてもらった。その時期があるから今がんばれていると思ったし、違った目線が大事だと感じた。みんなからも『甲子園に出た済美高校』と言ってもらったし、僕も子どもたちに野球を続けてもらえるよう、夏に甲子園に出るべく必死にやっている姿を見せたい」教室での先生役を振り返り、決意を新たにした。

 

 最後は野球・ティーボールともに「ミニゲーム」で全員が走攻守を体感して2時間余りの「ティーボール教室in小野」は終了。閉会式で子どもたちに「高校野球で待ってます。高校生のお兄さんたちはがんばるので、ぜひ坊っちゃんスタジアムに来てください。私たちも初心に帰ってかんばります。みんな、またボール遊びしような!」と呼び掛けた松山商・重澤 和史監督は、こう教室を総括した。

 「みんな楽しそうだったのはよかったです。ここからがスタート。子どもたちは宝ですし、私たちも成長の過程をお預かりしていいることを感じてかんばらないといけない。日程をなんとか工面して他の地域でもぜひできたらと思います。子どもの数自体が少なくなっている事実はありますが、各々が魅力を提示する中で選んで頂ける野球界でありたいです」

 そう、これは「次の100年」へ向けた一歩目。子どもたちの笑顔から「原点」を思い出した愛媛高校野球は、これからも様々な人たちを手をつなぎながら、全国に「野球の楽しさ」を発信できるシステムを整えていく。

(文・寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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