第78回 刈谷工業高等学校(愛知)2018年03月03日

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

刈谷工野球部

【目次】ページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!
[1]ポジティブフィードバックで日々、前進!
[2]いいプレーでの盛り上がりは負けません!
[3]戦うのは相手ではなく、自分だ

ポジティブフィードバックで日々、前進!


■日本史上初のヤンキースとマイナー契約を結んだ野球人を輩出!
 愛知県刈谷市に所在する県立刈谷工高等学校。高い就職率を誇り、卒業生の多くは東海圏内の企業へ就職している。OBには、日本人の外野手としては初めてニューヨーク・ヤンキースと契約し、現在は俳優として活動している伊藤 裕正さんがいる。

■刈谷工野球部の紹介
 現在、1年生19名、2年生20名の計39名で活動している刈谷工。グラウンドは他部活と共用で、平日は週2日しか野球部優先で使えない環境の下、毎日を過ごしている。そんな刈谷工のウリは、以下の3つだ。
・走る姿
・お互いを褒め合う雰囲気作り(ポジティブフィードバック)
・野球ノート(今日の練習を振り返り、翌日の練習の質を高める)
特にポジティブフィードバックは、些細なことでも、チームメイトを誉めあい、雰囲気をよくする。この方針に則り、試合中では負けている状況でも雰囲気が落ちないように意識をしている。

■秋で印象に残った試合は?
 そんな刈谷工の昨秋の戦績を振り還ると、県大会ベスト16に進出。3回戦で中京大中京にコールド負けを喫した。南主将は「自分たちがテーマにしている5項目の『走・攻・守・姿・体』がすべて上でした」と自分たちと強豪校との差を実感した。

 だが選手たちは県大会後に行われる中日旗争奪 全三河高校野球大会で成長した姿を見せる。初戦の渥美農戦と対戦し、1対3で敗れていたが、逆転勝利。南 拓斗主将は、「ベンチは最後までポジティブフィードバックを繰り返し続けた結果、9回表に2点取り同点に追いつくことができました。そして延長10回に勝ち越して逆転勝ちできたこと。精神的にも鍛えられている渥美農さんに、自分たちの野球で終盤競り勝てたことは自信となりました」と振り返った。

■新チームを引っ張ってきた選手は?
 目標は東愛知大会優勝と掲げる刈谷工。その目標を達成するべく、南主将は多くのキーマンを紹介してくれた。
・大畑 慎吾二塁手 渥美農戦で逆転タイムリーを打つ活躍。
・上野 達也投手 エースとして粘り強く抑えてきた左腕。打者として勝負強い打撃を見せる。
 ・大塚 玲雄選手 盗塁技術が長けた選手。
・三浦 雅弘選手 外野からの声かけ、新チーム公式戦初戦でのホームランやタイムリーを打つ活躍を見せる。
・杉本 和樹選手 1年生ながら攻守で実力あるプレーヤー。
・石川 拓志選手 地区予選の吉良高校戦で、延長11回、代打初球勝ち越しホームランを放った。

 さらに南主将は今後の大会へ向けて、内山 龍選手、山下 達也選手、東川内 悠兵選手、村山 哲汰選手にも期待している。その中で最も期待できる選手は?と聞くと、大塚選手を挙げてくれた。
「大塚はチームトップクラスの俊足です。だけれど攻・守・姿・体すべてにおいてチームのトップクラスになって欲しい。さらに自慢の俊足を生かすために、小技を織り交ぜてチームに貢献してほしい」と期待を込めた。

■この冬の意気込み!
 このオフシーズンでは「出力強化」をテーマに取り組んできた。南主将は「指示・指摘・確認など、気づき考えたことをどんどんアウトプットして、雰囲気を高めていくことがテーマです。これまで定期的にメンタルトレーニングを実施し、自分たちの現在地を確認し、東愛知大会を制覇するためのビジョンを明確にしていき、日々の練習を積み重ねきました。

 厳しいオフのトレーニングの中で名物練習として挙げてくれたのは、アメリカンティーゲッツー。
これは塁間を左右に振られた打球を捕球し、塁間のやや後方中央にいる選手に向けてステップ・スローをする。これを何本か繰り返し、何セットか行う。
基本は5本連続を10セット行い、球際に強くなるための練習でもあり、一番は、捕球後しっかり投げる方向に対してステップしてスローをする練習となっている。
打者は選手で、ティーで塁間を左右に振るので、打ち分けの打撃練習にもなっている。いよいよ冬が明け、公式戦も近づいてきた。
最後の南主将は「僕たちは試合を意識した冬にしてきました。これからも緊張した状態で練習をやり、公式戦でもしっかり出力して雰囲気を作れるようにして、夏には東愛知大会を制覇して、甲子園に行きたいです!」と力強く宣言。

 メンタル改革で、チーム力を高めてきた刈谷工。オフの成果をしっかりと発揮したい。

このページのトップへ

【次のページ】 試合中の雰囲気の良さに注目!!

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
東邦vs愛知啓成【愛知県 2018年春の大会 春季愛知県大会】
享栄vs至学館【愛知県 2018年春の大会 春季愛知県大会】
西尾vs半田工【愛知県 2018年春の大会 春季愛知県大会】
愛知産大三河vs渥美農【愛知県 2018年春の大会 春季愛知県大会】
中京大中京vs犬山【愛知県 2018年春の大会 春季愛知県大会】
第96回 【ひとまとめ】2015年の全国各地の高校野球を占う!【大会展望・総括コラム】
刈谷工 【高校別データ】

プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
    ■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム