Column

桜井高等学校(富山)

2018.03.03


スタンドへ笑顔を見せる選手たち

11年ぶり栄冠と甲子園初勝利目指して

■創立80年目の伝統工業高等学校
 富山県の東部地域・黒部市にある富山県立富山桜井高等学校は、1909年に下新川郡立農業学校として創立。戦前は農業校として歩み、1948年4月から現校名となった。主なOBには「ウルトラマン」ハヤタ隊員役の俳優の黒部 進さんがいる。

■桜井野球部の紹介


 過去に1979・1983・1990・2007年と4度の夏甲子園出場を果たしている野球部は、現在2年生18人・1年生14人の32人で活動中。練習前に監督・コーチが整備カーやトンボでグランドを球場同様に整備する野球部専用グラウンドと人工芝室内練習場を使用し効率の良い練習を心掛ける。さらに冬場は練習場から約1km離れた場所にある高架橋でのダッシュ10往復など、大きな支援を受ける地域の皆さんの声援も感じながら練習を進めてきた。
 現チームのキャプテンは山本 航生遊撃手。「打線のつながり・頼れるセンターライン・頼れる新監督」の3大長所を活かすべく、「立ち上げ時から新生桜井高校として富山県チャンピオンになるということを決意しました」と話してくれた。

■チームがスタートしてからの思い出深いエピソードは?

 2007年夏・甲子園出場時の4番・一塁手で、福岡ソフトバンクホークスでも2年間プレーした藤井 翼氏がコーチから監督に昇格。練習試合初戦で富山商に競り勝った自信を手に臨んだ昨秋の富山県大会は、富山、富山滑川に快勝。準々決勝では富山第一には8対7で競り勝ち、北信越大会まであと1勝に迫った。
 しかし、準決勝では富山国際大付に1対5。3位決定戦では高岡商に0対7で7回コールド負け。相手投手にノーヒットノーランを喫する屈辱を味わった。山本キャプテンが「県内のどこのチームよりバットを振り、ボールを打つということをテーマにした」と話す冬練習も、この2試合での悔しさが基盤となっている。

■新チームを引っ張ってきた選手は?
 山本キャプテンが新チームのけん引選手として、まずあげたのは自らから始まる上位打線。吉澤 龍輝岡田 篤哉八木 拓弥と続く4番までについて「旧チームから試合に出ているし、とても心強い」と語る。
 また、林 悠太安達 美虹の2枚看板についても、「ライバル意識が強く、どちらかが良いピッチングをすると負けじともう1人も良いピッチングをしてくれる」と、高い信頼を寄せている。
 春以降のキーマンは4番・キャッチャーの八木。「体つきがよく、長打力は県内トップクラス。キャッチャーとしてもうまくピッチャーをリードし盗塁もしっかりと刺してくれるので、チャンスでの一打、チーム全体への声掛けをさらにやってくれれば」と山本キャプテンからの期待も大きい。

■この冬の意気込み!
 「最後の冬なので富山県内のどのチームよりもバットを振り、ボールを打って春には相手野手の正面でもはじかせるような打球を打てるようにしていきたいです。また、後悔の無いように日々全てを出し切り、練習で涙と汗を流して春には笑っていられるようにしたいです」(山本キャプテン)

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[page_break:時間を無駄にせず、効率が良く質の高い練習が強み]

時間を無駄にせず、効率が良く質の高い練習が強み


ウエートに励む選手

 ここからは、富山桜井高校の副キャプテンの八木 拓弥捕手と、林 悠太投手のお二人にお話を伺いました!

Q.秋の大会や練習試合が終わって見つけた課題を教えてください。

八木:3つの課題が出ました。「1つ目はチーム内のレギュラーとそれ以外の人とのレギュラー争いを激しくする。2つ目は1~9番どこからでも点を取れる打撃力。そして3つ目は外野手の肩力と正確性」です。
林:課題は4つです。「まずは長期戦を投げぬく体力です。そして内外の出し入れの精度や変化球のキレと真っ直ぐの力と質です。そこに加えて、決め球のコントロール」の4つです。

Q.このオフシーズンの目標、強化したいことを教えてください

八木:富山県NO.1捕手になるために、二死得点圏などの土壇場でランナーを返せる勝負強さと送球の正確性を上げることです。
林:ストレートの質やキレを伸ばしつつ、基本的なコントロールを磨く。そして長期戦、連戦を投げぬく体力をつけることです。

Q. 応援する方々へアピールしたいセールスポイントは?

八木:肩と内野ゴロでも野手がはじくような強い打球と飛距離です。
林:気持ちを前面に出した投球と要所でとる三振です。

Q.チームの好きなところや、他のチームに負けていないところはどこですか?

八木:みんな仲が良く、部室で笑いが絶えない半面、時間を無駄にせず、効率が良く質の高い練習をしているところです。

林:ベンチの雰囲気や周囲からの声がけがとてもいいので、投げていてもプレーしやすいですし、走攻守どれをとっても他には負けてないと思います。

Q. このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

八木:富山県NO.1捕手&打者になり、チームの勝利に貢献する選手になります!
林:チームの打撃の調子が良い、悪い関係なしに勝てる富山県内で1番の投手になります!

八木選手、林選手、ありがとうございました!

[page_break:「すべては夏にチームみんなが笑顔になるように」]

「すべては夏にチームみんなが笑顔になるように」


選手たちへ指示を出す藤井 翼監督

 ここからは藤井 翼監督にお話を伺います!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 新チームになってコーチから監督に就任いたしました。全ての選手を入学時から見ていたことで選手1人1人の性格・能力・適正は熟知できていたため、スムーズにチームの立て直しができました。また近年は軸となる投手育成ができていなかったため、起用法を明確化しました。結果が出ることの方が多かったですが、まれに結果が出なかった時でも一貫して起用法の変更は行いませんでした。
 一方、野手ではセンターラインを中心とした守りを重視して守備のリズムから攻撃へつなげることを意識していました。27個のアウトを無駄にせず攻撃することもまた心がけていました。

Q. 昨秋の大会を振り返り、冬の強化ポイントを教えてください。

 秋季大会では優勝を逃しベスト4という結果でした。走攻守においてスピードアップが必要であると痛感しました。よって冬には「投手対打者・打者対投手」の個人レベルアップはもちろんのこと、冬の練習でも試合に近い形で練習を行いました。「質より量・量より質」ということではなく、質と量をバランスよく融合させていきたいと思います。

Q. 厳しい冬の練習に挑んでいる選手たちにメッセージをお願いします!

 1つ1つのメニューをやらされるのでは成長のスピードが遅くなっていくと思います。このためにやってやると思って考えてやり切ってほしい。「すべては夏にチームみんなが笑顔になるように」。

 

藤井監督、そして富山桜井高校野球部の皆様ありがとうございました!


今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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