Column

神島高等学校(和歌山)

2018.02.22


神島高校野球部

砂浜トレーニングで脚力と精神力を鍛える

■全国大会で活躍する部活動も多い伝統校
 和歌山県田辺市にある和歌山県立神島高等学校は、1916年に田辺実業学校として創立。56年には田辺商業高校となり、06年には田辺湾に浮かぶ島名をとって現校名に変更された。現在は普通科と経営科学科が設置されている。部活動は少林寺拳法部、カヌー部、陸上競技部、弓道部などが全国大会で活躍。野球部も田辺商時代の79年に春のセンバツ大会に出場しており、昨秋は和歌山大会一次予選で2勝を挙げ、二次予選への代表決定戦まで駒を進めた。

■野球部の紹介

 野球部は2年生13名、1年生11名の計24名。効率良く練習するため、チームでは全力疾走を徹底。また、「学校の近くにある砂浜で2時間ほどトレーニングをすることもあります。体を限界までいじめた後、さらに最後のメニューとして砂浜の端から端まで選手でリレーをすることで追い込みをかけ、精神力を鍛えています」と、早田 りく主将。試合でも相手を揺さぶる走塁がチームの強みだ。

■最も印象に残っている試合は?

 早田主将が挙げたのは、昨夏、和歌山大会の初戦で対戦した強豪・智弁和歌山との一戦。序盤から失点を重ね、2対12で6回コールド負けを喫したが、「自分たちの目標は甲子園出場なので、『このチームに勝たないと甲子園には行けない』と強く感じました」と、振り返っている。

■新チームを引っ張ってきた選手は?
 共に4月から新2年生となる左向 政輝投手と岩間 凌輝投手の2人が奮投。チームを勝利へ導くピッチングを見せた。また、早田主将は春以降のキーマンとして西山 佳希選手と根岸 大悟選手を指名。さらに、チームに貢献している選手に畑谷 陸斗選手の名前を挙げ、「普段からゴミを拾っている姿をよく見かけるのですが、その人間性が素晴らしいですし、彼の長所だと感じています。そして、その行動は『野球が上手くなりたい』という思いから生じる高い意識の表れだと思うので、これからチームの大黒柱になってくれることを期待しています」と、話している。

■この冬の意気込み!
 オフシーズンは体格を良くすることをテーマにしている神島。早田主将は「上級生は、下級生に下を向いた姿やきつそうな顔を見せないこと。そして、最後の冬になるので、後悔だけは絶対にしないように頑張っていきたい」と、厳しいトレーニングも厭わずに邁進していくつもりだ。

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[page_break:強豪校に負けない体格を作りたい!]

強豪校に負けない体格を作りたい!


練習に励む神島高校の選手たち

 ここからは、西山 佳希選手と濵嶋 元輝副主将の二人にお話を伺いました!

Q.秋の大会や練習試合が終わって見つけた課題を教えてください。

西山:私立校に負けない体格にすることが課題です。
濵嶋:やはり上位校との体格差です。

Q.このオフシーズンの目標、強化したいことを教えてください

西山:(身長-体重)=100を目標に体を鍛えています。また、スイングスピードも上げたいです。
濵嶋:長打力を伸ばしていきたいです。

Q. 応援する方々へアピールしたいセールスポイントは?

西山:僕のバッティングを見てください。
濵嶋:チャンスの場面での勝負強い打撃です。

Q.チームの好きなところや、他のチームに負けていないところはどこですか?

西山:全員の仲が良いところです。
濵嶋:全力疾走では負けません。

Q. このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

西山:体重を10kg増やします!
濵嶋:相手チームから恐れられるような打者になります!

西山選手、濵嶋選手、ありがとうございました!

[page_break: 「今」泣いて、「未来」で笑おう!
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「今」泣いて、「未来」で笑おう!


ティーバッティングをする神島高校の選手

 ここからは中瀬 学監督にお話を伺いました!

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 計算できる投手が2人いたので、確実に点を取ることを考えて「打てなくても点が取れるチーム」を目標にしました。

Q. 昨秋の大会を振り返り、冬の強化ポイントを教えてください。

 秋季大会では勝ち進むにつれて相手チームとの力の差を感じたのですが、特に痛感したのが長打力です。そこで、大会終了後からは「長打力」をテーマに据え、大は小を兼ねると考え、選手のタイプに関係なく全員に遠くへ飛ばすことを意識させています。現在はトレーニングの期間に移行しているので、長打を打つための「パワーアップ」と同時に、力の伝え方が上手くできていない選手が多いので「体の使い方」を主題にして練習しています。

Q. 厳しい冬の練習に挑んでいる選手たちにメッセージをお願いします!

 夏の大会だけ頑張っても結果は出ない。「今」を全力で取り組むことが結果につながる。厳しい練習が続くけれど、野球が上達している「未来の自分」を想像しながら練習に取り組んでいこう。今泣いて、未来で笑おう。
また、このオフでもう一度、当たり前のレベルを上げていこう。

中瀬監督。そして、神島高校野球部の皆様ありがとうございました!


今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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