Column

県立湯本高等学校(福島)

2018.02.10


集合写真(湯本)

接戦を通して学んだ気の持ち方

■接戦を勝ち抜き、掴んだ秋4強
 福島県いわき市にある福島県立湯本高等学校。1942年に創立された、普通科、英語科の2学科を持つ県立校だ。部活動では吹奏楽部が全国クラスの強豪として有名。野球部は昨秋、県大会で2勝を挙げ、4強入り。惜しくも東北大会出場は果たせなかったものの、接戦をものにする試合運びが随所に光る戦いぶりを見せた。

■湯本野球部の紹介
 現在2年生17名、1年生10名の計27名が在籍。グラウンドに民家が隣接していることもあり、実戦形式の打撃練習に取り組めないという大きな制約があるなか、「打ち勝つ野球」をテーマに掲げ、日々バットを振り込んでいる。高い打撃への意識が実を結び、練習試合、公式戦を合わせて15連勝を記録する等、自信をつけている。

■秋季大会を振り返って
 小松 康平副主将は印象深い試合の一つに秋季福島大会準々決勝・須賀川戦を挙げる。「4回まではお互いにチャンスを潰していて、0行進の内容。5回に先制されて、焦りもあったんですが、グラウンド整備のインターバルで上手く気持ちを切り替えることができて、すぐに逆転できました。そこから『勝てる』と油断した面もあり、8回に追いつかれ、試合は延長に。最終的には10回に勝ち越して逃げ切ることができ、自分達の『粘り強さ』を実感できた試合でした」と、気持ちの切り替え、油断の怖さ、土俵際での粘りと様々な要素が凝縮された一戦から多くのことを学び取った。

■新チームを引っ張ってきた選手は?
 阿部 海吏大山 凌椎名 孔智新妻 綾人の4名を挙げた小松副主将。「阿部 海吏大山 凌の1、2番は出塁率が高く、初回の得点に大きく貢献しました。椎名 孔智は様々な場面に対応して打ちとる投球に徹してくれました。新妻 綾人は点がほしい場面で打点を記録する勝負強さが光っていました」とそれぞれ理由を語ってくれた。

■この冬の意気込み!
 「先ずはとにかく振り込むこと。夏は体力勝負にもなってくるので体力強化に努め、塁間のタイムを全国レベルに上げるために、短ダッシュや瞬発系のトレーニングを中心に練習していきたいです」と力強く語る小松副主将。テーマに掲げる「打ち勝つ野球」を実現するために高い意識で練習に取り組んでいくつもりだ。

[page_break:自慢の得点力をさらに磨く冬に!]

ガッツポーズを見せる選手たち(湯本)

自慢の得点力をさらに磨く冬に!

 ここからは遠藤 雄介選手、大谷内 陽輝選手に話を伺いました!

Q.秋の大会や練習試合が終わって見つけた課題を教えてください。

遠藤:チャンスでの一打(ここぞという時の打撃)です。
大谷内:試合中盤、終盤にかけての得点力と集中力です。

Q.このオフシーズンの目標、個人的に強化したいことを教えてください

遠藤:上半身、下半身共に筋力アップすることと、瞬発系を多く取り入れて足を速くすることです。
大谷内:体力面では体重を増やして身体を大きくすること。技術面では走攻守全てでレベルアップしたいです。

Q.応援する方々へ自分のここを見てほしいというのを教えてください。

遠藤:積極性のある打撃と、形を意識した守備です。
大谷内:この冬で体を大きくし、走攻守全てでレベルアップして夏を向かえるので秋よりも成長した姿を見てほしいです。

Q.このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?

遠藤:好きなところは、チームワークの良さ。序盤の得点力の高さは他のチームに負けていないと思います。
大谷内:攻撃力には自信があり、他のチームに負けていないと思います。

Q.このオフシーズン、『自分はここまで成長するぞ!』と、いうこの冬の熱い宣言を最後にお願いします!

遠藤:秋の大会では打撃での勝負弱さが出てしまいました。この冬自分自身を鍛え上げ、誰よりもバットを振り込み、チームメイトから信頼される打者になります!
大谷内:筋肉量を増やし、体重を68㎏に載せます。ただ、身体を大きくするだけでなく、野球に必要な瞬発力も磨き、力強く、しなやかに動ける身体を手に入れます!

遠藤選手、大谷内選手、ありがとうございました!

[page_break:攻撃力アップで打倒・聖光学院!]

集合写真(湯本)

攻撃力アップで打倒・聖光学院!

 郷家 邦博監督にお話を伺いました!

Q.今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。 「打倒・聖光学院」をテーマに、攻撃力アップを第一に考えました。具体的には1試合7点以上を取ることを目標にチームを鍛えてきました。

Q.秋の大会の振り返り、並びに冬のテーマも教えていただけたら幸いです。 秋季福島大会の準決勝で目標としてきた聖光学院と対戦。しかしながら、5回コールドで敗れてしまいました。この試合で浮かび上がった課題を胸に、冬のトレーニングで攻撃力を高め、次こそ、聖光学院に打ち勝ちたいと思います。

Q.最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。 一日一日、一本一本に真剣に向き合い手を抜かず、「克己心」でトレーニングに挑み、自己ベストを更新してほしい。未来を作るのは、“今”の自分でしかない。今、一瞬を生ききろう。

郷家監督、そして湯本高校野球部の皆様ありがとうございました!


今年も大好評!
;【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.17

昨秋は仙台育英に勝利も県4強止まり「サイン以上のことをやる野球」を極め甲子園目指す【野球部訪問・東陵編①】

2024.04.17

「慶應のやり方がいいとかじゃなく、野球界の今までの常識を疑ってかかってほしい」——元慶應高監督・上田誠さん【新連載『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.1】

2024.04.17

根尾 昂、一軍昇格へ準備着々! 盤石・中日投手陣に割って入れるか?

2024.04.17

【茨城】土浦日大と明秀日立が同ブロックに!選抜出場の常総学院は勝田工と対戦!<春季県大会組み合わせ>

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!

2024.04.15

四国IL・愛媛の羽野紀希が157キロを記録! 昨年は指名漏れを味わった右腕が急成長!

2024.04.12

【九州】エナジックは明豊と、春日は佐賀北と対戦<春季地区大会組み合わせ>

2024.04.12

【東京】ベスト8をかけ激突!関東一、帝京、早稲田実業などが登場<春季都大会>

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード