暑さに打ち勝て!夏バテ必勝法!
前回は、「梅雨対策」について説明をしました。今回は、夏バテ対策について!高校野球も各地で開幕しましたね。悔いを残さない戦いをするためにも必要な知識を取り入れましょう。今回は、夏バテの原因・対策を解説していきます。
そもそも「夏バテ」ってどうしてなるの?
夏バテは、ズバリ!「自律神経失調症」と同じです。
夏バテの代表的な症状として以下のようなものがあります。
・全身がだるく、疲れがとれない
・胃腸の調子が悪くなり、食欲がなくなる
・疲れているのに夜眠れない
実はこれらは、すべて自律神経失調症の症状でもあります。
自律神経とは、呼吸、消化吸収、血液循環、体温、心拍数などを調整している神経。体のほとんどの器官は、脳にある自律神経の中枢によってコントロールされています。
人が考えたり動いたりなどの生命活動を行うと、自律神経中枢の細胞で活性酸素が発生し、酸化が起こることで疲労が生じます。なんらかの原因で自律神経中枢の働きが過剰になると、疲労の回復が追いつかず、神経細胞がサビついて傷ついた状態に。すると本来の機能が果たせなくなってしまいます。
これが自律神経失調症です。
夏バテも自律神経に負担がかかりすぎて起こる、いわば「夏特有の自律神経失調症」。自律神経の不調が起きやすい更年期の人ほど、夏バテしやすくなります。
自律神経をバテさせる夏の2要因
夏に自律神経がバテてしまうのには、主に2つの要因があります。
暑さ:体温調節のためにフル稼働しなければいけない1つ目の要因は「暑さ」です。暑いと汗をかきます。汗が蒸発するときに気化熱を奪うことで体の熱を放出して、一定の体温を保っているのです。
この働きを担っているのが自律神経で、暑くて大量に汗をかく夏は、自律神経が常に働かなければなりません。夜間にも寝汗をかくような状態でいると、眠っているにも関わらず自律神経は一晩中酷使され続けることになります。休むことができずに疲れがたまってしまうのです。
寒暖差:変化に対応し続けなければいけない
2つめの要因は「寒暖差」です。寒暖差にも2種類あり、1つは朝晩と日中との寒暖差。夏でも早朝と真昼とでは気温差があります。
もう1つは冷房による寒暖差。屋外と室内との温度差はもちろんですが、室内にいても上半身と足元では温度差があります。
対策!朝ごはんで自律神経を目覚めさせる
朝ごはんを食べて胃の動きが活発になることで、内臓を動かす司令塔である自律神経が目覚め、活動のスイッチが入ります。ちゃんと自律神経を起こしてあげることで、体の働きがよくなるのです。
三食バランスよく食べるのは、栄養的にもちろんいいことですが、それ以上に「朝に何か食べる」ことが、自律神経を目覚めさせるという点でとても大切です。
・体内リズムをしっかり作動させる
人は約24時間周期の体内時計のリズムをもっています。これをサーカディアン・リズム(概日(がいじつ)リズム)といいます。このリズムにより、体が活動的になる時間や眠くなる時間などが決まってきます。
朝の光を浴びるだけでもサーカディアン・リズムのスイッチが入りますが、さらに朝ごはんを食べて自律神経のスイッチも入れることで、よりしっかり作動させることができます。
サーカディアン・リズムが整うことは、睡眠の質をあげることにつながるので、結果、自律神経の疲労を回復することになり、夏バテ予防につながるのです。
・食事で疲労回復に効く成分をとる
おすすめは「イミダペプチド」が多く含まれる鶏の胸肉
サーカディアン・リズムを整えると同時に、日中の疲労を少しでも軽減するようにすることも大切です。
疲労回復におすすめの食材は他にあり、その代表的なものが「鶏の胸肉」。鶏の胸肉には抗酸化作用がある「イミダペプチド」という成分が大量に含まれています。イミダペプチドは疲労の原因となる細胞の酸化を防ぐ働きがあり、結果的に疲労を軽減することにつながります。
1日量としてイミダペプチド200㎎摂取すると、疲労を軽減することが臨床試験で明らかとなり、論文発表されています。鶏の胸肉で摂取する場合は1日100gを目安にしてください。他にも、マグロやカツオなどの大型魚にもイミダペプチドが含まれているのでおすすめです。
エネルギー効率を高めるクエン酸も◎
レモンやグレープフルーツなどの柑橘類、梅干し、お酢などの「酸っぱい」食材に多く含まれる「クエン酸」も、疲労回復効果がある成分です。
クエン酸には、生命活動に使われる体のエネルギーをつくり出す手助けをする働きがあります。これを多く取ることでエネルギーが産出され、疲労が軽減します。
ビタミン、ミネラルも豊富。胃腸の調子を整える食物繊維が野菜よりも多い。
紫外線を浴びた体に効果抜群の雑穀を白米に混ぜる。
とくに、食欲不振やダイエットなどで摂取カロリーが少ない方は、クエン酸をとることでエネルギー効率を高めることができるのでおすすめです。
ただし、クエン酸は単独ではあまり効果がありません。疲れを感じる前に日常的に、「イミダペプチド」と「クエン酸」を組み合わせて摂取するのがベストです。日本人は、吸収する能力が高く無いので雑穀米を一緒に摂取すると吸収しやすくなります。
夏本番!熱い戦いを繰り広げる球児の皆さんが、1人でも多く最高の夏にするために自己管理は必須です。以上のことを意識して過ごしていきましょう。
オススメの雑穀は下記になります。
文=久保 翔平 (カラダツクル株式会社代表取締役)