第129回 3年生座談会 都立総合工科高等学校(東京)「野球の神様が降りてきた夏」【Vol.3】2017年12月09日

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【目次】
[1]戦えると手ごたえをつかんだ序盤戦
[2]やっぱり櫻井周斗はすごかった!
[3]高校野球を終えて実感したこと

高校野球を終えて実感したこと

――3年間やってきましたけど、思い出に残っていることは何でしょうか?

小島:朝7時から練習をやるのですが、ほぼ休みがなくて、最初の夏休みは、有馬先生の怒鳴り声をずっと聞いていたのが思い出ですね(笑)あとは8月の半ばにあった大島合宿ですね。大島にはいくつか、球場があり、そこの行き来がランニングだったのが本当に大変でした!

石川:室内練習場もあるのですが、蒸していて、そこでやるティーが一番きつかったですね。

――いろいろあった3年間だったですね。高校野球を終えて、学びになったことを語っていただければと思います。

石川:高校野球は大人になるためにいろいろなことを学びました。有馬先生だったからこそいろいろ学ぶことができました。

大場:野球以外のこともいろいろ教わることができましたね。それまでの自分と比べると、精神的に強くなったと思いますね。

小野里:楽しかったですね。自分は野球はこれで終わりで、就職しますので、良い集大成だったなといえる3年間だったと思います。メンタル面ではビシバシと教育を受けて強くなったと思いますし、感謝しています。

大河内:自分はもともと入ってきてさぼりがちだったというか、さぼっていました。3年間、つらかったですし、朝早かったですし、帰りも夜遅かったですし、だけれど、良い経験になったと思います。一度辞めたいといったことがあるんですけど、両親に引き留められて。本当に続けられてよかったと思います。続けられたからこそ、夏で日大三を3失点に抑えた経験は僕にとって大きな財産になりました。

棚橋:有馬先生から社会に出るのに必要なことを教えてくれたので、野球だけじゃなく、本当に社会で通用する人間になるには、どうすればいいか、それを学ばさせていただき、良い経験をさせてもらったと思います。

――では最後にキャプテンで締めていただきましょう。

小島:キャプテンをやらせてもらい、大変なことが多かったですけど、その分、人としても選手としても成長できたことと実感できます。有馬先生は、社会に出ても通用する人間を育てることを指導方針で、野球はその手段といっていましたが、高校野球3年間は有馬先生の言葉通りだなと感じています。

 有馬監督は、このチームの良さのことを「仲間を尊重しあえる」ことだという。
「確かに最初は弱かった。辞めたいという選手もいました。精神的にも弱いチーム。だけれど、最終的には仲間思いで、チームのために動ける選手が、レギュラーにも、控えにも出てきました。彼らより素質のあるチームはありましたけど、仲間を思いやる心は強かったチームかもしれません。だけど、強いチームになるためには必要不可欠なんですよね。今年の選手たちは最後の夏になってその気持ちが出てきた。チームのために行動できる3年生だった。そういう姿勢が数々の逆転劇を呼び込んだのかな」

 仲間を思いやる、人を傷付けない。これは有馬監督が大事にしている信念だ。同校のOBで今年8勝3敗を挙げ、大ブレイクした石川柊太投手(現・福岡ソフトバンク)も「アスリートとしては変わったところがある選手ですけど、いろんな人に好かれ、仲良くなれる素質がある」と評した。

 そういうチームだったからこそ、夏は2度の逆転勝利。そして日大三に競ることができたのだろう。仲間思いの総合工科ナインに野球の神様が降りてきたのであった。

(構成/河嶋 宗一

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プロフィール

寺下友徳
寺下 友徳
  • 生年月日:1971年12月17日
  • 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
  • ■ 経歴
    國學院大學久我山高→亜細亜大。
    幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。
  • ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
  • ■ 執筆実績
    web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。

    さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。
  • ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
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