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第129回 3年生座談会 都立総合工科高等学校(東京)「野球の神様が降りてきた夏」【Vol.3】2017年12月09日

【目次】
[1]戦えると手ごたえをつかんだ序盤戦
[2]やっぱり櫻井周斗はすごかった!
[3]高校野球を終えて実感したこと
この夏の西東京大会は高校通算111本塁打の清宮 幸太郎のラストサマーが注目を集める中、都立高校が私学の強豪校に挑む姿は大きな感動を呼んだ。この大会で大きな印象を残したのが都立総合工科だろう。有馬信夫監督が「いつも弱い弱いといいますけど、今年は最弱」というチームが、いかに日大三に競り合いを演じるチームになったのだろうか。今回は中心選手たちに話を聞いた。
最終回では、注目の日大三戦を振り返っていきます。あの場面、選手はこう考えた!そして最後に3年生たちに、高校野球の思いを語っていただきました。
<メンバー>
小島巧:捕手として、主将としてチームをまとめた
大河内輝也:日大三戦で先発した右サイドハンド、シンカーがウリ
棚橋明博:逆方向への流し打ちを得意とする右打者
石川幸之介:チーム一の長打力を持ち、主砲として活躍
大場朋:左のエースとして活躍
小野里剛:バットコントロールの良さはチーム一の左打者
戦えると手ごたえをつかんだ序盤戦

都立総合工科
小島:でかかったですし、かなり速かったですね。
――速いといいますけど、石川君、ヒット打っていますね!
石川:全然曲がらないカーブがきましてそれを狙い撃ちして打つことができました!早めに降板してしまいましたけど、もう少し投げてくれと思いました。
――いきなり初回、2点を先制しました。
小島:こんなに簡単に点を取れると思っていなかったので、驚きました。
――そして先発マウンドに登った大河内君。日大三打線に対し、どう抑えようと思ったのでしょうか?
小島:大河内はボールが手元で動くので、それを有効活用しようと思いました。気を付けたのは同じコースに同じボールを続けないこと。構えるときに気を付けたことは厳しいゾーンに構えること。そのまま構えていたら、甘いコースが真ん中に集まりやすい。だからボールになってもいいから厳しいコースに構えることを意識しました。不用意にストライクを取りにいかないことを気を付けました。
大河内:四球になってもいいからぎりぎりに狙いましたね。
――そして1回で、櫻井 周斗君を迎えましたけど、どうでしたか?
大河内:怖かったですね。でもツーシームで三振を取ることができて、いけるじゃないか?と思いましたね。
小島:あまりタイミングが合っていなかったよね。
――4番金成君に対してはどういう配球を?
大河内:金成は自分の投球に対して、全くタイミングが合っていなかったですね。金成には決め球のシンカーで打ち取りにいきましたね。
小島:大河内のシンカーはストレートとあまり球速差がないのが良いところですね。ストレートは120キロぐらいですけど、シンカーも110キロなので。そして手元で変化するので、打ちにくいと思います。でもいつ捕まるか分からなくて、やれることを尽くして打たれたらしょうがないと思ってリードしました。

- 寺下 友徳
- 生年月日:1971年12月17日
- 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
- ■ 経歴
國學院大學久我山高→亜細亜大。
幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。 - ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
- ■ 執筆実績
web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。
さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。 - ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita