Column

週刊せり高校野球『日本中の高校野球ファンを感動させた親友対決を回顧!』

2017.06.28

皆さん、こんにちは!『バトルスタディーズ』×高校野球ドットコム「強い者にはワケがあるキャンペーン」公式レポーターの芹 玲那です。

ついに沖縄県では全国に先駆けて夏の大会が始まり、各地で夏の予選の組み合わせ抽選会も行われていますね!
皆さまはどこの球場で球児たちに声援を送る予定でしょうか?

さて、週刊せり高校野球第10回となる今回は、私が昨年『バトルスタディーズ』コラボレポートで追いかけた“ライバル対決”についてピックアップしてみたいと思います!

野球が繋ぐ友情。高校野球にはこんな感動もある!

「甲子園で会おう」

一体どのくらいの球児たちがこの言葉を口にするのでしょうか。
そして、この“約束”が球児たちに齎すパワーはどれだけ大きなものなのでしょうか――。

聖地甲子園を目指し、日々奮闘する球児たち。
全力だからこそ毎年多くの感動が生まれますよね。
ふと最近これまでの観戦を振り返っていると、とあることに気がついたんです。
私が今まで一番多く感動した場面はどこなのか。
それは、
「試合後の整列のとき」
でした。
その中でも特に心に響くのは、互いに力を認め合っている“ライバル”同士の握手。
笑顔で互いの健闘を称え合ったり、負けた悔しさを抑えて「頑張れよ」と声をかけたり――。
ほんのわずかな時間ですが、その姿からは逞しさだったり、野球が繋いだ友情であったり、私は様々なものを感じます。
そして、そんな熱い握手を交わせる人と出会えたことを羨ましく、また、そんな出会いを生む野球は本当に素晴らしいと思うのです!
だからこそこの週刊せり高校野球で、“ライバル対決から見る高校野球の魅力”をお伝えしたいと思いました。

まず過去にあったエピソードをご紹介します!

[page_break:果たされた約束。親友バッテリー、甲子園での再会]

果たされた約束。親友バッテリー、甲子園での再会

週刊せり高校野球『日本中の高校野球ファンを感動させた親友対決を回顧!』 | 高校野球ドットコム
左から上野 翔太郎(中京大中京)鈴木 大智(関東一)

2015年夏。第97回全国高等学校野球選手権大会3回戦第2試合。
中京大中京vs関東一
この試合で実現した親友対決を覚えていらっしゃる高校野球ファンの方も多いのではないでしょうか?

中京大中京のエース、上野 翔太郎選手(現・駒沢大)。
関東一の正捕手、鈴木 大智選手(現・駒沢大)。

この2人は小学6年生の時に初めてバッテリーを組み、一緒に野球がしたいと中学生の時は共に愛知西シニアへ入りました。
高校は離れ離れになることになり、その時に約束した「甲子園で会おう」――。
約束がこの試合で本当に実現されたのです!
当時、上野選手の「運命じゃないか」というコメントがとても印象的でしたね。
そして、この試合を甲子園のスタンドから観ていたのですが、7回裏の2人の攻防は今でも忘れられません。
0対0で迎えた7回裏、関東一の攻撃。二死一、三塁のチャンスで打席に立ったのは鈴木選手。
マウンドには上野選手。
「打つ」という強い気持ちと「抑える」という気迫がスタンドまで伝わってきます。
何より印象的だったのが2人の笑顔!
緊張感漂う中、勝負を楽しんでいるようにも見えました。
その真剣勝負に観衆が惹きこまれていく中、迎えた12球目。
上野選手の渾身のストレートが鈴木選手を三振に抑えます!
あの時の観衆の盛り上がりは本当に凄かったです!
上野選手の雄たけび、大歓声、色んな声が甲子園に響き渡りました。

そして、感動の場面は試合後にも訪れます。
関東一・長嶋選手のサヨナラ本塁打というこれまた劇的な幕切れとなった試合後の整列。
両チームの選手が握手を交わす中、上野選手から鈴木選手の元へ向かい熱い握手を交わします。
その後に鈴木選手が上野選手の背中をポンと叩いたのです。
ほんの一瞬の出来事でしたが、私はこの場面がとても印象的で、2人がどんな気持ちで握手を交わしたのか、なんて考えていると胸の中で熱いものがこみ上げてきました。
この場面を見たからこそ、試合後の2人の「楽しかったね」という言葉、
鈴木選手の「今までの三振で一番気持ちよかった」という言葉と上野選手が鈴木選手に言った「ありがとう」が心に響いてきたんです!

ほんの一部の高校球児しか立つことのできない甲子園という舞台。
互いに夏の予選を勝ち上がり、抽選を経て、甲子園で対戦する――。
奇跡のようなことですが、この奇跡は決して偶然ではないですよね。
選手、チームの努力は勿論ですが、その裏にはライバルに負けたくない、約束を果たすんだという強い気持ちもあったのではないでしょうか!

球場で選手の姿を観ていると、ふとした瞬間でこの2人はいいライバル関係なんだなと気付いたり、選手名簿で同じチームメイトだったことを知っておくと、もっと深く高校野球を楽しめたりします。
次回の後編では、私がこれまで観戦してきた中で見つけた、注目してほしいライバルたちをご紹介したいと思います!
こんな観戦の楽しみ方もあるんだな、というお気持ちで読んでみて頂けたら嬉しいです。
それでは、また次回お会いしましょう!

(文=芹 玲那

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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