目次

[1]1日6食で体づくりに専念
[2]4スタンス理論が選手を伸ばす
[3]逸材の土台を作り上げる


 中学野球界では全国屈指の強豪チームとして知られている神戸中央シニア。毎年のように甲子園球児を輩出しており、昨年の夏は垪和 拓海内野手(智辯学園)と栗原 琉晟内野手(神戸国際大附)が甲子園に出場した。

 ここ数年では大阪桐蔭履正社智辯学園神戸国際大附龍谷大平安など強豪校に選手を送り出した実績があり、今春に卒団した3年生も公立進学校を受験した選手以外は、スポーツ推薦で高校への進学が決まっている。いわば、強豪校から欲しいと言われるような人材を数多く育ててきた確かな実績があるのだ。

 今回は甲子園常連校からも必要とされる選手の育成ノウハウや今年注目の新3年生などについて迫っていきたい。

1日6食で体づくりに専念


 練習拠点となっているのが、神戸市西区にある共栄第1野球場。他にも専用グラウンドを2つ所有しており、学年ごとに充実した練習を行えるのが神戸中央シニアの強みだ。

 チームを束ねるのは指導歴25年の山田高広総監督。23歳から長年に渡って監督を務めてきたが、昨年から指導者育成の方針もあり、各学年に監督を配置して、自身が総監督に回った。選手をスキルアップさせるためにこだわっていることについて、山田総監督は次のように話してくれた。

「中学生は二次成長期の大事な期間ですから、この間にきちっとした食生活も含めて体づくりをしっかりやって、高校の方に送り出すことを心がけています。また、技術的な部分については、自分に合った体の使い方をしっかり覚えるために4スタンス理論を数年前から取り入れて、自分に合った体の使い方を覚えさせることに取り組んでいます」

 神戸中央シニアの育成で特徴的なのが、食育と4スタンス理論だ。まずは食育について触れていきたい。練習のある土日は1日で6食を食べることになっている。その内訳は以下の通りだ。

・練習前に自宅で朝食
・10時に補食
・12時に昼食
・15時に補食
・18時に補食
・練習後に自宅で夕食

 育ち盛りの中学生とはいえ、これだけの量を食べ切るのは容易ではない。実際に大半の選手が「1年生の頃は大変だった」と口を揃える。もちろん、無理矢理食べさせるのではなく、ストレスなく食べられるように指導者も配慮している。

 昨年度のエースだった安福 拓海は時間をかけてでも多く食べるように工夫したという。こうした食育の効果もあり、神戸中央シニアの選手は全体的に中学生とは思えないほど体格が良く、スポーツメーカーが実施している体力測定では高校生と比較しても全国上位レベル。チーム単位の平均値では中学生に1度も負けたことがないという。

 主将の今岡 拓夢(新3年)もこの2年間で身長167センチ、体重56キロから178センチ、73キロに成長。「入った時に比べて打球が飛ぶようになりましたし、肩も強くなりました」とプレーの変化を実感している。中学生の間に高校生顔負けの体づくりができることで、高校でも早くから戦力になっている選手が多いのが、神戸中央シニアの大きな特徴だ。

 昼食と補食は選手の保護者が作っているため、負担は決して軽くない。山田総監督は以前、保護者の負担を減らす提案を行ったそうだが、保護者側がそれを断ったそうだ。近年は少年野球における保護者の負担が問題に挙げられがちだが、子どものためなら進んでやるというマインドを神戸中央シニアの保護者たちは持っている。選手、指導者、保護者が三位一体となっているからこそ、一定の実力を保ち続けているのだ。

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