目次

[1]上下関係のないチーム作り
[2]「野球の楽しさを十分に感じて欲しい」



 今年で設立20周年を迎えた湖北ボーイズ。古沢 勝吾(元ソフトバンク)、横川 凱(巨人)、土田 龍空(中日)といったプロ野球選手を輩出するなど、育成力の高いチームとして知られている。取材を進めていくと、優秀な選手が育つ土壌が明らかになってきた。

上下関係のないチーム作り


 練習拠点となっているのが滋賀県長浜市にある奥びわスポーツの森の多目的広場。白土ではあるが、十分な広さがあり、保護者の協力の下で綺麗に整備されている。そのためイレギュラーが少なく、守備力が向上しやすい環境であると中村 忠博監督は胸を張る。

 「守備に関しては県でナンバーワンという自信を持っております。これからもどんどんいい選手が出てくると確信を持っています」

 卒団生の土田は高い守備力が評価されてドラフト指名を勝ち取っている。その背景には名手を生み出すのに最適なグラウンド環境があったのだ。

 また、学年や能力を問わず全員で練習を行うのが湖北ボーイズの特徴だ。「後輩は先輩を見習え、先輩は後輩を可愛がれ」というのが湖北ボーイズのチーム方針。後輩が実力のある先輩のプレーを間近で見て学ぶことで選手たちの成長を促している。

 土田が湖北ボーイズにいた時も1学年上に守備の上手い遊撃手がいた。その選手がノックを受ける姿を後ろから見ることで遊撃手としてのイロハを学び、超高校級の守備を身に付けた。

 上下関係もほとんどなく、先輩と後輩が活発に意見を交わせる環境にあり、選手同士で刺激し合いながら力をつけていくのが湖北ボーイズのやり方だ。指導方針も指導者が一から十まで指導するのではなく、選手の自主性を重んじていると中村監督は話す。

 「我々が指示をするのではなく、選手で考えてもらっています。あくまでも選手がノビノビとプレーできる環境を整えることを第一に指導しています。ただ楽しいばかりでは困りますが、選手個々が考えてやってくれていると感じています」

 中学時代から自分で考えて練習する習慣を身に付けさせることで、上のカテゴリーでも活躍できる選手を育てている。決して指導者のトップダウンになることはなく、風通しの良い環境でノビノビと選手たちはプレーしている。

 その中で湖北ボーイズが抱えているハンディがある。それが冬場の気候だ。滋賀県最北端の市町村である長浜市は降雪量が多く、12月から2月まではグラウンドで練習することが難しい。その期間は体育館で体力強化などに励んでいるが、実戦練習ができないまま2月に大会を戦うこともある。

 温暖な地域のチームに比べて不利な環境だと思われがちだが、「室内での練習で体幹等を鍛えて粘り強く体作りに専念できることで、夏場に力を発揮できると感じています」と中村監督は前向きに捉えている。冬場に土台をしっかり作っておくことで、夏場の厳しい暑さの中でもパフォーマンスを落とさず戦えることを強みとしている。

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