目次

[1]1時間をかけて行う「怪我しないための基礎体力作り」
[2]今年は投手陣を中心に力のあるチーム


 これまで計8度の全国大会出場実績(2020年第51回夏季全国大会含む)を持つ、福岡県の強豪・八幡南ボーイズ。地元の福岡県を中心に毎年OBも活躍を見せているが、最近では県外でも活躍する選手が目立っている。

 文武両道をモットーとし、学習塾とも提携を結ぶなど選手の学力の向上にも積極的に取り組んでいるが、野球技術向上と人格形成を主に選手たちと日々努力を続けている。そんな八幡南ボーイズの取り組みに迫った。

1時間をかけて行う「怪我しないための基礎体力作り」


 北九州市に専用球場を持っており、屋内練習場での練習や屋根付きのブルペンなど恵まれた環境の中で練習ができている八幡南ボーイズの選手たち。平日は夕方5時から8時までの約3時間練習に励んでおり、学校を終えた選手たちはグラウンドに集合して全体練習がスタートする。八幡南ボーイズの練習は、まずウォーミングアップに大きな特徴がある。

 始めに選手たちはストレッチと体幹トレーニングを入念に行い、その後ランニング、ダッシュと続いていく。ダッシュまで終わると、今度は1メートルほどの棒を持ってきて肩のストレッチを行い、さらにその後反復横跳びも行うなど、ウォーミングアップだけで何と1時間以上も時間をとる。練習時間が限られている中でウォーミングアップにこれだけ長い時間を割く理由を、チームを率いる徳野 晴美監督は「怪我しないための基礎体力作り」と説明する。

 「怪我の防止がまず一つですが、それ以外にも、今の子どもたちは山や野に入って遊んできていないので、私達の時代と違って基礎体力がありません。そのため体幹トレーニングなども含めて、普段の練習の中で基礎体力を伸ばして行こうと、そういった目的で行っています」

 また打撃練習中も、待ち時間を活用してウォーターバッグトレーニングを行うなど、選手たちは体作りに余念が無い。八幡南ボーイズでは技術よりも体力的な成長を重視しているが、それは徳野監督が常に指導理論を学ぶ中で構築されていったものだ。

 徳野監督は現役時代は福岡県・東筑高で甲子園出場を果たし、その後も専修大、門司鉄道(現JR九州)とアマチュア野球の強豪を渡り歩いた。特に専修大時代は東都大学リーグ1部の外野手部門でベストナインも獲得し、指導者としてもJR九州の監督だけでなく、多くの少年野球チームを指導した。そんな経験豊富な徳野監督でも、野球の理論は日々進歩していると感じており現在でも学ぶべきことはとても多いと話す。

 「私が現役の頃とは野球のやり方が180度変わっています。昔は水を飲むと根性がないと言われたり、ピッチングが終わった後も肩や肘を温めるなど、今と真逆のことをやっていました。野球を教えるにあたって私たちも常に勉強していかないと、嘘は教えられないので一生懸命勉強していますここ5、6年は成績も良いので、効果は出ているのかなと感じています」