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スター軍団だった世田谷西シニアの3年生世代。潜在能力の高い注目の8名を紹介

2021.01.27

 リトルシニアの名門チームで、昨年のジャイアンツカップで優勝も飾った世田谷西シニア。ストレスフリーで野球の楽しさを追求した練習も特徴であるが、これまで多くの逸材を輩出している点も見逃せない。

 トレードで阪神タイガースへの移籍が決まった山本 泰寛選手に、昨年のドラフト会議では木下 幹也投手(横浜)が読売ジャイアンツに育成4位で指名を受けた。またアマチュア球界にも廣澤 優投手(日大三-JFE東日本)や内海 貴斗選手(横浜-法政大)など活躍を見せる選手は多く、OBも各地で存在感を見せている。

 今回は、そんな世田谷西シニアの3年生の選手たちにスポットを当てる。本来は実績の無い選手を育て上げるのがチームのスタンスだというが、今年の3年生は小学校時代にNPBのジュニアチームに選抜された選手が10名以上在籍するなど、スター軍団の呼び声もあった世代だ。その中から注目の8選手をピックアップして紹介したい。

2年から試合に出場した延末藍太選手に、飛距離が魅力の青山達史選手

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世田谷西の選手たち

 まず紹介するのが、学年で唯一2年生からレギュラーとして試合に出場していた延末 藍太選手だ。小学校時代は受験勉強に集中するため、6年生の1年間はプレーしていなかったが、世田谷西シニアに入団後は再び選手として本領発揮。

 シュアな打撃を武器に2年生春からレギュラーを掴み、昨年は7番打者としてジャイアンツカップ優勝に貢献。最上級生になると主に2番や3番打者として活躍し、打撃は上手さだけでなく力強さも加わった。兄の勧太選手は横浜高の4番として活躍中で、延末 藍太選手にも大きな期待が懸かる。

 延末選手は高校野球に向けて、「打線を引っ張っていけるようなバッターになりたいです。しっかりとタイミングを取って、またバットの軌道も大事にして、その二つが出来ていれば良い投手でも打てると思うので完璧にしたいと思います」と意気込みを口にした。

 また、飛距離なら青山 達史選手がチーム1だ。小学校時代には横浜DeNAベイスターズジュニアに選出され、この夏は全国の舞台でも4番を任された続けた。8月に行われたリトルシニア全国選抜大会2回戦の大分中学シニア戦では、大阪シティ信用金庫スタジアムの左中間スタンドに本塁打を放ち実力を証明。

 また、身体能力も非常に高く、外野からの強肩は相手チームにとって脅威でスケールの非常に大きな選手だ。将来に向けては「チームを勢いづける打撃と肩の強さを見せていきたい」と語り、高校野球での活躍を誓った。

[page_break:力強いスイングを見せる小竹遥斗選手に、スタメン落ちから復活した渡部奏楽選手]

力強いスイングを見せる小竹遥斗選手に、スタメン落ちから復活した渡部奏楽選手

 

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守備練習の様子

 また、捕手の小竹 遥斗選手も、鋭いスイングを見せる強打者だ。小学校時代は横浜DeNAベイスターズジュニアに選出され、リトルシニア全国選抜大会では1番打者として打線の火付け役を担った。ガッチリとした体格から下半身主導で強いスイングを見せ、飛距離だけでなく高い対応力も武器の一つだ。高校野球でも好守での活躍が期待される。

 また、秋までは4番に座っていた渡部 奏楽選手の打撃も力強い。渡部選手は読売ジャイアンツジュニアの出身で、自分のツボを持っており秋は2打席連続で本塁打を放つなど活躍。激しい競争の中で春先はスタメン落ちを経験するなど苦渋をなめたが、9月の日本選手権大会では7番打者としてスタメンに復帰した。高校野球でも持ち前の飛距離を見せることができるか注目だ。

 その他の打者では東京ヤクルトスワローズジュニアを経験し、大会では1番や3番に座りセンスの高さを見せた高橋 海翔選手に、読売ジャイアンツジュニアの出身でシュアな打撃が特長の小川 隆太郎選手なども能力が高い。

 さらに、元プロ野球選手の清原 和博氏の息子で、読売ジャイアンツジュニア出身の清原 勝児選手は右の強打者でパンチ力が強く、レフト方向だけで無くライト方向の打球も伸びる。日本選手権では6番に座り、三塁の守備でもチームを支えた。

 そして、投手陣では中村 海斗投手が面白い。ガッチリした体格から130キロを越えるボールを投げ込む右腕だが、柔らかさもありボールには伸びがある。ここから体に強さとキレが出てくれば、高校でも注目右腕として名前が挙がる可能性は十分にある。成長に期待だ。

 ここまで計8名の選手を挙げたが、その他にも能力の高い選手はおり高校野球で活躍を見せる可能性は十分に秘めている。彼らの高校野球での活躍を楽しみに待つとともに、今後の世田谷西シニアの活躍も注目したい。

(取材=栗崎 祐太朗

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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