目次

[1]選手自身が自らの失敗の原因を分析する
[2]選手からも絶大な信頼「野球だけでなく人間としての成長に繋げてくれる」
[3]『僕の足らないところはどこですか』ではなく『自分が今どう思っているのか』

 発足から11年目を迎えた東村山中央ボーイズ。今年3月に行われた第48回日本少年野球春季全国大会に出場を果たすなど、毎年堅実な強さを見せており、これまでも5人の選手が日本代表に選出されている。
 今回は、そんな東村山中央ボーイズの松岡昌一監督にお話を伺い、チームの指導方針や勝ち続けるチーム運営の秘訣について迫った。

選手自身が自らの失敗の原因を分析する


松岡昌一監督(東村山中央ボーイズ)

 中学野球の指導者にお話を伺う中でよく感じることは、「ビジネスマン」としての色合いが非常に強い指導者が多いということだ。
 高校野球の指導者の多くは普段は教員として学校に籍を置き、「教育者」として教壇に立っているのに対して、中学野球の指導者の多くは普段は企業に在籍している為、「ビジネスマン」としての感覚が備わっている指導者が非常に多いのだ。

 東村山中央ボーイズを率いる松岡昌一監督は、その中でも特に「ビジネスマン」としての色合いが強い。普段は企業の取締役を務めている松岡監督は、東村山中央ボーイズでの指導においても、ビジネスで培ったノウハウを活かしていると語る。

 「こうやって考えたら分析できるよというヒントを与えて、そこからなぜダメだったのか、なぜ負けたのかを分析するということを教えました。仕事でいうところの『PDCA(Plan・Do・Check・Action)』ですね」

 選手自身が、自らの失敗の原因を分析する。それこそが、松岡監督の東村山中央ボーイズでの指導において大きな肝になっている。
 そのために、必要不可欠なアイテムとなっているのが野球ノートだ。東村山中央ボーイズの選手は、その日のミーティングや練習内容、試合内容をノートにまとめて提出することになってる。それが、自らの失敗の原因を分析する貴重な機会となっているのだ。

 「頭の良い子たちはまとめ方が違います。ミーティングで言われたところに色でマークしたり、中には棒グラフにまとめて分析をしてきた選手もいました」

 松岡監督は、基本的に選手達がまとめてきたものに手を加えることはしない。選手なりの言葉で考え、実行していくことに大きな意味があると松岡監督は考えており、また一度ミスをして反省すれば、同じミスをしたとしても次に繋がると信じているのだ。

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