キューバの独特なボール回しを参考にしよう!
坂本 勇人(侍ジャパン)
3月7日のWBC一次ラウンドの初戦・侍ジャパン対キューバ戦の中で、実際に球場に足を運んだ方の中には、キューバ代表の内野陣が行っていたボール回しに、疑問を抱いた方も多かったのではないだろうか。イニング間、アウトを取った後のボール回しは、日本とは大きく異なっていた。独特なボール回しをする意味、そして高校球児に限らずどの年代にも参考になるその効果とは?
キューバ代表のボール回しに込められた意味
今回紹介したいのはキューバ内野陣のイニング間の動きについてだ。試合のイニング間に内野手はボール回しをしており、一般的には一塁手が他の内野手に向かってゴロを転がして、捕球した選手は一塁へ送球するのが通常である。ところがキューバ内野陣は、数イニングに1度ではあるが、マウンド後方あたりで一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手の4人が近づいて四角形を作り、短い距離で横や下からスローイング(キャッチボール)をし、さらにはトスでボールを回す姿が見られた。試合で送球する時は、いつも上からしっかり投げられるとは限らない。だからこそ、ゆるいゴロなどにそなえて試合間にもいろいろな投げ方をやって準備しておくことはプラスに働くことだろう。これはどの年代でも取り入れられるだけに参考にしたいところだ。
他にも、ボール回しの技術を上げるオススメの練習法がある。例としてソフトボールの塁間(約18m)でボール回しを行う方法。効果としてはスピード感が増し、さらに無駄な動きも少なくなる。大きなスペースではなく、小さなスペースで練習できる点も特徴だろう。ぜひやってみてほしい。
(取材・文/大平 明)