Column

県立能代高等学校(秋田)

2017.02.24


集合写真(能代)

30分間で素振り300回

■能代はどんな学校?
秋田県能代市にある秋田県立能代高等学校は1925年に旧制・能代中学校として設立。48年、学制改革により秋田県立能代南高等学校となり、53年に現校名となった。現在は普通科と理数科を設置している。校是は文武両道で、体操部はオリンピック4大会で5つの金メダルを獲得した小野 喬氏を輩出。野球部は63年夏77年夏78年夏92年夏の4度、甲子園に出場しており、全国2勝。昨春も秋田県大会で優勝し、昨秋はベスト8だった。OBにはプロ通算284勝を挙げた山田 久志投手(元阪急)などがいる。

■能代野球部の紹介
現在、野球部は2年生21名、1年生19名の計40名。「一つひとつの練習に全員で声を掛け合い活気の溢れる練習にすることを日々の目標にしています」と、田森 力樹主将。現チームは「気持ちで負けない」のが長所で、小技を絡めたバッティングを目指しているという。
冬はグラウンドに雪が積もるが、屋外ではダッシュやタイヤを使ったトレーニング、グラウンドに隣接している室内練習場ではバッティング、ウエイトトレーニング、キャッチボール、守備練習などを行っている。

■能代を引っ張る選手は?
後藤 悠之投手は秋季大会でエースとして大事な試合で好投。特に秋田県大会初戦の横手清陵戦では延長12回を完投して18三振を奪った。中野 弥琴選手はガッツのあるリードオフマンで、1番バッターとして出塁とチャンスでの一本の両面で活躍した。さらに、今シーズンは長打力があり主将としても、主砲としても重責を担う田森主将。努力家で堅実な守備を誇る塚本 春樹選手らに期待がかかる。

■秋季大会で得た手応えと課題
昨夏のチームからメンバーがほぼ総入れ替えとなり、一からのスタートだった能代。「夏休みにスイングを多くやったので得点力が上がったと思います。また、秋季大会はピッチャーの後藤が苦しい場面を抑えてくれました」と、田森主将は振り返った。県北大会では第5代表になんとか滑り込んだこともあって「秋田県大会ではガムシャラにいこうと思っていました」(田森主将)というチームは、初戦の横手清陵戦で延長12回の末に5対3で勝利。「苦しい試合展開でしたが、全員が声を掛け合いチームが一丸となって勝つことができました。ピッチャーを中心に粘り強く守りきれて自信にもなりました」

 しかし、続く準々決勝の秋田商戦は3対11で完敗。「守備での不用意なエラーや四球で無駄な失点をしたことが敗戦につながりました」。また、攻撃も淡泊になり残塁が多かったため、「持ち味の強いスイングをさらに高めつつ、状況に応じた攻撃も必要だと感じました」と、今春への課題を手にしている。

■この冬の意気込み

毎日、30分間で300スイングの素振りをしているという能代。田森主将が「1スイングも力を抜かず全力で振るので、終わったときはみんなへたり込みます。素振りはごまかしがきかないのできつい練習です」と言うように、基本から手を抜かずに練習に励んでいる。そして、この冬は「ひたむきに、一日一日を無駄にすることなく過ごします」と決意を表明。目標は春季秋田県大会2連覇と、夏の甲子園出場だ。

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[page_break:試合に勝って「ありがとう」の思いを伝えたい!]

雪上ダッシュ(能代)

試合に勝って「ありがとう」の思いを伝えたい!

 ここからは、後藤 悠之副主将(2年)と渡邊 大祐選手(2年)の二人にお話を伺いました!

Q. 秋季大会で見つけた課題や強化したいところを教えてください。

後藤:連投できる力が足りなかった。連投になると制球が乱れカウントを悪くし、打たれることが多かったのが課題です。
渡邊:先輩たちがいたときからレギュラーとしてやってきたのに、新チームになってケガをしてしまい力を発揮できなかったことです。技術的にはインコース打ちを磨きたいです。

Q. この冬は、どんな冬にしていきたいですか?

後藤:選手として、人として成長できる冬にしたいです。そのために苦しい練習から逃げず、どんなことにも全力で取り組んでいきます。チームの目標を達成するためには、この冬どれだけ自分を追い込むことができるかが大事だと思うので、意識を高く持って練習していきます。
渡邊:腰回りに筋肉をつけるために走り込みを中心にやって、自分の武器である走力向上に努めたいです。そして、ケガと向き合いながらスイングを繰り返し、自分のバッティングの形を作っていきたいです。

Q. 野球をする上でのモットーや好きな言葉はありますか?

後藤:「心が前」です。
渡邊:「ありがとう」です。自分が今こうして野球を続けていられるのも、たくさんの方々に支えられているからだと思います。普段、あまり親や監督、部長には伝えられていないので、試合に勝って「ありがとう」の思いを伝えたいと思います。

Q. では、チームの好きなところや、ここは他のチームに負けない!というところを教えてください。

後藤:全員で一つになって試合、練習に臨むことができるところで、盛り上がった良い雰囲気で試合ができています。また、全員が強いスイングでボールをとらえることができます。この点は常に意識して練習に取り組んでいるところなので、負けないと思います。
渡邊:今のチームは練習時と学校でのオン、オフがしっかりしていて練習に対する意識はどのチームよりも上だと思います。秋季大会が終わって、また一からのスタートになるので、走攻守の全てでレベルアップしたいと思います。

Q. 最後に、このオフシーズンで「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

後藤:甲子園へ行くために、勝てる投手になる練習をする!
渡邊:個人的にはケガの予防に努めたいです。また、全国に通用する走力を身につけたいです。チームではやはり甲子園出場を目標に頑張ります。チーム一丸となり、「一丸頂点」で頑張ります。ありがとうございました!

 後藤選手、渡邊選手、ありがとうございました!

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[page_break:春は目の前、ここからもう一歩成長できるように!]

ウエイトトレーニング(能代)

春は目の前、ここからもう一歩成長できるように!

 最後に、牧野 嘉訓監督にお話を伺いました!

Q. 新チームが始まってから、どのようなテーマをもってチーム作りをされて来たのでしょうか?

 前チームからメンバーがほぼ総入れ替えになり、しかも唯一のレギュラーだった渡邊 大祐がケガで満足にプレーができない状態でした。しかし主将の田森 力樹を中心にひたむきにプレーできる選手たちで、日々成長が感じられました。

Q. 昨秋の大会を振り返り、冬の強化ポイントを教えてください。

 昨秋は県ベスト8でしたが、その後の練習試合では秋田大会の上位校に勝つなど、自信をつけて冬の練習に入ることができました。今は筋力とスイング力アップをメインに追い込んでいます。

Q. 最後に、厳しい冬の練習に挑んでいる選手たちにメッセージをお願いします!

 自分自身に厳しく、妥協せず。チームメイトを励まし、みんなで声を掛け合ってここまで練習できていると思います。春は目の前、ここからもう一歩成長できるように頑張っていこう!

 牧野監督、そして能代高校野球部の皆様ありがとうございました!


今年も大好評!
冬が僕らを強くする 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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