Column

高岡第一高等学校(富山)

2017.02.03


集合写真(高岡第一高等学校)

全員が自分に厳しく、意識を高く持ち、ハードな冬錬を乗り越える!

■NTT西日本の監督、高校野球解説者で活躍した村本監督が母校に帰ってきた!

富山県高岡市にある高岡第一高等学校は1959年に開校。今では幼稚園、大学院まである総合学園となった。そんな高岡第一1981年夏の甲子園で初出場、2000年の選抜大会では初の選抜甲子園出場を果たしている。昨年4月からNTT西日本の監督を務め、その後高校野球解説者として活躍した村本 忠秀氏が監督に就任。村本氏は高岡第一が甲子園初出場を果たしたときの4番キャッチャーである。母校に帰り、再び甲子園を狙っている。

■普段は学校から7キロ離れたグラウンドで練習

選手22名、マネージャー2名で活動する高岡第一。グラウンドは学校から7キロ離れた場所にあり、選手たちはバスでグラウンドに向かっている。選手たちは学校の終礼が終わってから着替えやストレッチなどを行い、球場に着いたらすぐに準備ができるようにしている。
そんな今年の高岡第一のウリについて中野 悠也主将は、「部員同士の仲の良さ」、「最後までやり遂げる精神力」、「ここ1番の盛り上がりの良さ」と答えてくれた。

■富山第一から学んだこと

昨秋は準々決勝まで勝ち進んだ高岡第一。準々決勝では富山第一と対戦して敗れたが、中野主将は収穫が多かったと語る。
「この試合は0対7の7回コールド負け。手も足も出ず、三塁も踏めませんでした。今の自分たちがいかに力がないか、このままではいけないと部員全員が感じた試合でした」

 富山第一から何を学んだのだろうか。
富山第一高校は甲子園を経験されており、ベスト4をかけた舞台でも堂々と振る舞い、試合開始までの時間を有効に使い試合開始にベストな状態になるように行動ができていました」

準備の仕方を学んだという。そして秋季大会後では、速球にも対応できる打撃力を磨いている。その結果、失点をしても次の回には追いつき、勝ち越すことが出来る練習試合が増えてきているようだ。

 また中野主将は秋に活躍した選手を2人紹介してくれた。まずは投手陣の先頭に立ち、準々決勝進出に導く好投を見せた中尾 有槙(あしん・1年)投手。そして1試合4安打を放つなどの活躍を見せた湶 侑士(あわら ゆうじ・2年)二塁手だ。

■村本監督の言葉で印象に残っていること
この冬は筋力トレーニングや走り込みを重ねて、身体の総合的なパワーアップをテーマに過ごしているという高岡第一。その中できついのが、塁間5往復インターバル走だ。このメニューは3ペアに分かれて1分間で塁間を5往復する。他の2ペアがトレーニングを行っている2分間は走っている選手に声かけをしながら息を整える。このサイクルを5回繰り返す。

こうして高岡第一の選手たちは心身を鍛えている。中野主将に、村本監督からいただいた教えの中から、特に記憶に残っているものをいくつかお聞きした。

・野球が上手いかどうかの前に、人間として当たり前の行動ができるようになること。まずは挨拶から。しっかり立ち止まって挨拶ができる人になれ。
・自分の使う道具は常にきれいにしておくこと。スパイクは毎日黒ずみを塗ってピカピカにしておく。グローブもしっかりオイルを塗っておく。
・キャプテンが常に先頭を走ること。辛くても絶対に顔に出さないこと。
・自分でできることは親の力を頼らない。甘えないこと。
・誰かに言われたからではなく、自分の頭でしっかり考えて行動すること。

 この5つの教えを胸に刻み、中野主将は日々、チームを引っ張っている。
チームの目標は春、夏と県内でトップに立つこと。そして夏の甲子園では必ず1勝以上を挙げること。目標達成に向けて中野主将は、「全員が自分に厳しく、意識を高く持ち、ハードな練習を乗り越えて、冬のトレーニングを自信に変えられるように頑張ります!」と意気込みを語ってくれた。
高い意識を持ち続け、夏2度目の甲子園出場を目指していく。

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[page_break:笑顔が絶えないのがこのチームの良さ!]

笑顔が絶えないのがこのチームの良さ!

 副主将の干塲 輝二塁手と湶 侑士三塁手にお話をお聞きしました。

干塲 輝選手

Q. この秋を振り返って、見つけた課題を教えてください。

干塲:速球を打ち返すためのスイングスピードや対応力とチーム全体の打力の向上です。
湶:富山第一の森君の球に全くタイミングが合いませんでした。タイミングの取り方やスイングスピード、パワーをつけることが課題です。

Q. この冬はどんな冬にしていきたいですか?

干塲:トレーニングや食事の量を増やし、身体を大きくして、また柔軟性や身体のキレを出す冬にしたいです。
湶:きつい練習を乗り越え、野球の動きに繋がる身体づくりをしていきます。食事にも気を配り、身体を大きくします。

Q. 野球をする上でモットーにしている、好きな言葉は何ですか?

干塲:平常心ですね。
湶:全力プレーです!プレーだけではなく、グラウンド内はトレーニングを兼ねて全力疾走をするというチームの決まりになっています。1つひとつのことを常に全力でやり遂げます。

湶 侑士選手

Q. このチームの好きなところ、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?

干塲:チーム全体が仲良く、笑顔が絶えないところが好きです。とても元気がよく、練習の雰囲気がいいです。一方で、やるときはしっかりやる。その切り替えは他のチームに負けていないと思います。
湶:全員が明るいところが好きです。お互いが本気で言い合えるところが負けていないところだと思います。

Q. このオフシーズン、『自分はここまで成長するぞ!』というこの冬の熱い宣言を最後にお願いします!

干塲:チームの中でも攻撃・守備の両方で中心選手になります。身体を大きくして、長打が打てる2番打者に成長します!
湶:攻守ともに人一倍練習をして常にチームの中心的存在にります。1球を無駄にせず練習し、チャンスで必ず結果が残せるようにします!

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[page_break:好投手を打ち崩す力を身に付けていきたい]

練習風景(高岡第一高等学校)

好投手を打ち崩す力を身に付けていきたい

 村本 忠秀監督にお話を伺いました。 

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。秋の大会の振り返りならびに、冬でのテーマも教えていただけたら幸いです。

 秋の大会は、打力優先でゲームを進めてきましたが、好投手を打ち崩すだけの力が無かったですね。秋の結果を踏まえ、基礎体力の向上をテーマに練習を行い、投げる、打つ、守る、走るとすべてのレベルアップを課題としています。この冬は捕球練習と送球練習、重いバットでの打撃練習、敏捷性を重視したランニングを行い基本的な動きを重視したメニューとなってます。

Q. 最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。

 厳しいトレーニングもすべては自分たちの力を付けるためであり、選手みんなで助け合い、やりきる事が大切です。一つ一つの練習に対して考えて行動し、集中力をもって何事にもチャレンジしてもらいたい。前向きに、元気で、明るくやりきってほしいです。

 村本監督、高岡第一高校野球部の皆様、ありがとうございました!


今年も大好評!
冬が僕らを強くする 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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