Column

東北学院高等学校(宮城)

2017.01.31


練習風景(東北学院高等学校)

「選手主体の練習」

■西武の本田の出身校!東北学院野球部

東北学院高等学校は、宮城県仙台市宮城野区にある私立高校(男子校)である。かつては作文・英語教師として島崎 藤村氏が教鞭をとっていたことでも知られる東北学院だが、現在埼玉西武ライオンズで注目の本田 圭佑投手はこの野球部を経て、大学に進学後プロの道へ進んだ。2016年秋の県大会でベスト8まで勝ち進んだ東北学院は、今年更なる飛躍のために鍛錬を積んでいる。今回はその様子を伺った。

■選手主体の練習が特徴!

2年生27名、1年生30名の総勢57名が日々切磋琢磨する東北学院。チームを引っ張る齋藤 清駿主将に東北学院のウリについて伺ったところ、「選手主体の練習」ができることだと教えてくれた。新チームが始動してから、1つでも多く強みを作るため練習メニューを全員で考え、その意味を明確にして行う方針に転換し、この「選手主体の練習」が実現。それぞれが課題意識を持ち、一つひとつ強みを作っていくチーム強化を行っている。

 その結果、一人ひとりが責任をもって取り組めるチームへ成長した。日頃の練習はグラウンド整備時間が短いので、選手たち同士で一番早くキレイにできるグラウンド整備を常に考えている。

■東北学院期待の選手たち

昨秋の宮城県大会では志津川柴田を破りベスト8に名を連ねた東北学院中部地区予選から県大会2回戦までの5試合で、許したのはたったの4失点。この投手陣を引っ張ったのが西城 愁太投手。「安定感のあるピッチング」だと齋藤主将も信頼を寄せる西城投手だが、チームの「宮城の頂点」という悲願のためには彼の活躍が不可欠だ。

 また守備では、抜群のポジショニング能力と安定した守備で投手陣を助ける千葉 温大外野手、塁間を3秒台で駆ける俊足をもつ荒木 佑樹内野手、さらにスイングスピード141kmを誇る東海林 成外野手など、走攻守に期待を持てる選手たちが揃っている。

■強豪校との戦いを終え、春へ

宮城県大会中部地区予選では、昨夏甲子園大会に出場した東北と対戦。東北相手に0対1の善戦を演じ、守備力に自信を持った東北学院ナインだったが、県大会準々決勝で後の東北大会で優勝する仙台育英と激突し、0対10で敗れてしまった。齋藤主将は「相手の名前に負けてしまい、入りが悪くリズムを作れなかった。同時に力の差も見せつけられました」と振り返った。

 宮城県を代表する東北仙台育英との対戦を終えて齋藤主将は、「この2チームは自分たちよりも自信を持っている。今後自分たちに自信が持てるようになるためには、より成功体験を積み重ねることが重要になる」と感じたという。また、「秋季大会を戦っていく中で、多くの戦い方があるという発見がありました。練習の中で、今までの固定観念を捨てる勇気を持つことができました」と言い、秋の大会から得た収穫を、選手たちは自らの手で練習に生かしている。

■完全燃笑!

オフシーズンの思いについて齋藤主将に伺ったところ、「試合がなく目標が遠く見えて、方向性がぶれやすくなる冬ですが、短期的な目標を意識してそれを一つひとつ達成していき、『完全燃笑』でどこのチームよりも成長する冬にします」と誓った。

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[page_break:甘さを見せず1日1日をやりきる]

練習風景(東北学院高等学校)

甘さを見せず1日1日をやりきる

 ここからは副主将のお二人、及川 諒外野手と安部 颯三塁手にお話を伺いました!

Q. この秋を振り返って、見つけた課題を教えてください。

及川:体が小さいことです。県大会では仙台育英さんと試合をしましたが、大人と子供の勝負のようでした。
安部:地区大会では東北に負け、県大会では仙台育英に負け、力で負けているのは確かですが自分たちのミスも絡んでいるので、練習でもそういう部分で甘かったと実感しました。

Q. それを受けてどういう冬にしていきたいですか。

及川:一人ひとりが主体的に熱量のある練習を、一体感を持ってやっていきたいです。
安部:冬は練習時間があまりとれないので、東北仙台育英に勝つための練習にするためにも、今以上に効率よく練習したい。一人ひとりがもっと主体的に、甘さを見せず1日1日をやりきったと思える冬にしたいです。

Q. 野球をする上でモットーにしている好きな言葉は何ですか。

及川:「水は方円の器に従う」です。(水は方円の器に従う…人は環境や交友関係によって良くも悪くも変わるということの例え)
安部:プレーでは「平常心」、そしてチームでは「完全燃笑」を大事にしています。

Q. このチームの好きなところや他に負けていないところは何ですか。

及川:試合での集中力と声です。日頃の練習試合からベンチワークを工夫しているので、その点は他に負けていないと思います。
安部:どんなチームよりも考えてメニューを作り、いろいろ参考にしながら考えてできていることです。

Q. このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という冬の宣言をお願いします!

及川:チームを声とプレーで引っ張っていける副主将になります!
安部:個人として、チームの打線の主軸となる打者になる。春夏に東北仙台育英に勝って甲子園に行きます!

 及川選手、安部選手ありがとうございました!

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[page_break:人数に甘えて楽をしないこと]

練習風景(東北学院高等学校)

人数に甘えて楽をしないこと

 最後に渡辺 徹監督にお話を伺いました。

Q. 今年のチームは、新チームが始まってからどんなテーマを持ってチームを作りあげてきましたでしょうか。秋の大会の振り返りと冬のテーマを合わせてお願いします。

 主将の齋藤が「考える野球」をやろうとしてくれていたので、ただ見守っていました。
秋はまだ、本当の意味で仙台育英さんや東北さんを見ていなかったと思います。私生活や練習で、当たり前にやるべきことの質が低かった。それを気付かせてくれたのが秋だったと思います。この冬は、夏をイメージしながら過ごしたいと思います。

Q. これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちにメッセージをお願いします。

 もっとできる工夫があるはず。人数に甘えて楽をしないこと。

 渡辺監督、並びに東北学院高等学校野球部の皆さまありがとうございました!春夏の活躍に期待しています!


今年も大好評!
冬が僕らを強くする 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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