練習中、綺麗に並べられている横浜隼人ナインの野球用具

―― 高校野球の世界に触れて、新たな発見は他にもありましたか?

マイケル監督:高校野球を通じて、日本の在り方を見た気がします。
自分個人よりも、集団としてチームをよくする。それは今のアメリカ社会とは逆で、アメリカの場合は、個人が活躍することを求められていて、才能がある人や個性がある人は活躍できる社会ではあるけど、それがゆえに、あまり良い方向に行かなくなっている現状があります。

でも日本の場合は、自分ひとりが良くなることよりも、社会全体が良くなるように考えている。それを日本に半年間いた中で、高校野球を通じて分かりました。そういった考えが、高校野球に象徴されていましたね。それは今のアメリカが、日本の高校野球から学べることなんじゃないかなと思いました。

―― 高校球児たちをみていて、多くの気付きもあったのですね。

マイケル監督:そうですね。なにより、高校球児が持っていた素直さには驚きました。素直に、必死に頑張る純粋な姿は、アメリカでは前面に出すことをよしとされません。アメリカの高校生は「クールでいないといけない」と教えられるんですよね。

僕もそうでしたが、野球も頑張ってやってきても、努力をしていることは隠しながらやらないといけなかった。必死に勉強しても、必死に練習しても、「僕、思い入れなんてないよ!」みたいな態度がよしとされるので。

でも、日本では、純粋に必死に頑張る姿のほうが評価されていました。それはアメリカと真逆の部分でしたね。

―― U18ワールドカップで取材してきたアメリカ代表の選手たちも、とてもクールで、インタビューでも努力についてはあまり口にされませんでした。そういった違いもあったのですね。今回の撮影を通じて、横浜隼人の水谷監督から学んだことは何かありましたか?

マイケル監督:僕の家は野球一家で、おじいちゃんもセミプロで野球をやっていたりしていました。
だけど、横浜隼人では、今まで僕が聞いたことのない野球の哲学がたくさんありました。

とくに、「野球はホームに帰ってくるスポーツだ」という言葉が印象的でした。アメフトでもバスケでも勝つためには相手を上回る発想が多いけど、野球は振り出しに戻るというか、ホームに帰ってくることを求める。だから、野球って美しいスポーツなんだなっていうことを改めて水谷監督の言葉で気付かされました。それは、他のスポーツにはない部分ですよね。

でも、今、アメリカではアメフトやバスケのように時間を優先して考えてしまっているので、もう一度、原点に戻って、野球の面白さを日本の高校野球を通じて、改めて考えていくべきなんじゃないかなと撮影を通じて感じました。

マイケル監督、貴重なお話ありがとうございました。

今回、マイケルさんが映像監督を務めた映画『甲子園 フィールド・オブ・ドリームス』(山崎エマ監督制作)は、現在、全国各地の劇場で放映中です!

マイケル監督が撮影してきた日本の高校野球の姿を是非、劇場でご覧ください。

映画公式サイトはこちら→『甲子園 フィールド・オブ・ドリームス』







(取材=安田 未由


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