10代の頃は、アメリカのベーブルースリーグに所属し、自身も野球少年として白球を追いかけてきたマイケル・クロメットさん。現在は、アメリカで映像監督の仕事をしています。

 2018年にニューヨーク在住の山崎エマ監督の『甲子園 フィールド・オブ・ドリームス』の撮影で、約半年、日本の高校野球チームを追い続けました。

 神奈川県の強豪・横浜隼人高校と、岩手県の花巻東高校の練習を撮影し続けたマイケル・クロメット監督が、日本の高校野球から学んだこと。そして、アメリカの高校野球との違いについて、今回おはなしいただきました。


―― 撮影初日、横浜隼人高校のグラウンドに入って、驚いたことは何でしたか?

マイケル監督:全員が坊主で、同じ格好で、同じことを指示通りに動いている光景に驚きました。圧倒的な「統一感」は、僕の想像をこえるものでした。

―― 映画では、横浜隼人の水谷監督や花巻東の佐々木監督と、そして部員たちとの関係性が丁寧に描かれていますが、日本の高校野球のような「監督と選手」の関係性は、アメリカでも同じようにあるのでしょうか?

マイケル監督:アメリカでは、日本のような「監督像」はないですね。もっといろんな関係性があって、僕の場合は、監督から「お前は打つのだけが取り柄だけど、走るのはセンスがないな」と厳しく言われたりしていました。日本の場合は、高校野球の監督はこんな感じというのが大体ありますが、アメリカの監督イメージは、こんな感じというのはなくて、もっと幅広いです。

―― チームメイトとの関係性はどうですか?

マイケル監督:これも日本の高校野球とは全く違います。アメリカの場合は、競争社会なので、一緒に夢に向かってというよりも、「アイツより打てなきゃ4番になれない」とか「あそこのチームのアイツよりも打てるようにならないと」とか、そうやってコーチからも言われながら鍛えられてきました。

 でも、日本の高校野球の場合は、戦うのは「アイツ」ではなくて、「自分たち」自身と戦っているんですよね。チームメイトと一緒に、「より良い自分たち」になるために戦っているのが素晴らしいと思いました。