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ドラフト指名が10人!2017年U-18ワールドカップで優勝したアメリカ代表の現在地

2018.12.01

 第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップを優勝したアメリカ代表。このメンバー、本当にすさまじいものがあった。150キロ越えが4人もいて、150キロを出さなくてもほとんどの投手が140キロ後半。打者もパワーがあって、走力もあって、肩も強い野手が多かった。こんなチームに勝てるのかと絶望感を与えるドリームチームだった。そんな彼らを追うと10人がドラフト指名されていた。

U-18アメリカ代表のドラフト先は?

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ドラフト指名を受けた選手たち

全体6位指名 ニューヨーク・メッツ: ジャレッド・ケレニック
全体7位指名 サンディエゴ・パドレス: ライアン・ウェザーズ
全体16位指名 タンパベイ・レイズ– :マシュー・リベラトーレ
全体19位指名 セントルイス・カージナルズ: ノーラン・ゴーラン
全体21位指名 ミルウォーキー・ブリュワーズ: ブライス・トゥラング
全体23位指名 ニューヨーク・ヤンキース: アンソニー・シグラー
全体26位指名 ボストン・レッドソックス: トリストン・カサス
全体27位指名 ワシントン・ナショナルズ: メーソン・デナバーグ
全体30位指名 ロサンゼルス・ドジャース: J.T.ギン
全体35位指名 クリーブランド・インディアンス: イーサン・ハンキンス

 この中でも印象に残った選手を紹介していきたい。

 まず投手では日本でいう高校2年生で選出されたイーサン・ハンキンス。200センチの長身から常時150キロ台のストレート、130キロ前後のスライダー、カーブを武器にする大型右腕。世界大会では2試合に投げ、12イニングで27奪三振の好成績を残した。ハンキンスはインディアンスから指名を受け、2試合に登板。まだ防御率6点台だが、復活を遂げれば、マイナーレベルでは圧巻の成績を残す可能性を持っている。

 そして決勝の韓国戦で登板したマシュー・リベラトーレは左腕から常時140キロ後半の速球、ブレーキが効いた変化球、130キロ前半のチェンジアップを投げ込み、こんな左腕が控えているのか、驚かされた。その後、レイズ入りすると、ルーキーリーグ9試合で32.2回を投げ、防御率1.38、37奪三振と安定した成績を残しており、来年以降、さらにランクが高いカテゴリーでの活躍が期待される。

 J.T.ギンはクローザーとして大活躍した速球投手。150キロ中盤のツーシームはエグイもので日本の打者は全く太刀打ちができなかった。ただ、ギンは契約が合意せず、ミシシッピ州立大学でプレーをしている。ライアン・ウェザーズは日本戦で7回1安打無失点の好投を見せた大型左腕。テークバックが小さく、突然と左腕が出てくる左スリークォーターで、常時145キロ前後の速球と高速スライダーは脅威。その後、常時150キロ越えを叩き出し、2018年シーズンはルーキーリーグ、1Aにも登板し、順調に経験を積んでいる。

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スター揃いのアメリカ代表

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左から、ジャレッド・ケレニック・ブライス・トゥラング・トリストン・カサス

 野手で最も印象に残った1人として挙げたいのがブライス・トゥラング。日本戦の守備を見て驚いた方も多いだろう。あの動き出し、捕球してから送球までの速さは日本の遊撃手にはまねできない凄みがあった。打っても打率.364を記録し、優勝に大きく貢献した。ブリュワーズに進んだトゥラングはルーキーリーグで42試合に出場し、打率.283を記録。しかし日本の野球ファンを唸らせた遊撃守備だが、遊撃手として35試合に出場し、14失策と苦しんでいる状況だ。

 日本戦でも本塁打を放ち、大会3本塁打を放ち、MVPを獲得したトリストン・カサスは下から掬い上げるようなスイングで広角にも本塁打を打てる左のスラッガー。レッドソックスに進んだカサスだが、2試合の出場のみ。来季以降の活躍が期待される。

 そして最後に紹介したいのが最上位で指名されたジャレッド・ケレニック。インパクトまで最短距離かつヘッドスピードの速いスイングで広角に打ち分け、高い瞬発力を生かした守備、走塁は爆発力があり、日本の比較対象となれば、藤原恭大大阪桐蔭)となるが、藤原並のスピードがあった選手だった。メッツ入りすると、ルーキーリーグ56試合に出場し、6本塁打、42打点、打率.286と順調にキャリアを歩んでいる。

 これから彼らは順調にステップアップを遂げ、MLBデビューする日も近いだろう。ぜひ彼らにはWBC、プレミア12、東京五輪、日米野球の代表として選ばれ、当時の日本代表の選手たちと再戦することを期待したい。

文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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