台湾の球児は甲子園をどのように思っているのか?
同じ野球でも、台湾と日本では違いがでてくる
台湾と日本、何が違うの?
高校野球において、台湾と日本の交流の歴史は長い。台湾は、日本統治時代に台湾代表として[stadium]甲子園[/stadium]にも出場した。
1931年に甲子園に出場し準優勝した「嘉義農林学校野球部(嘉農=KANO)」の奮闘を描いた映画『KANO』は台湾で大ヒットを収め、日本でも、第9回「大阪アジアン映画祭」オープニング作品として上映され大きな注目を集めた。
そして、最近では蔡鉦宇(サイ・セイウ)(八戸学院光星→拓殖大学)が[stadium]甲子園[/stadium]に出場したのは記憶に新しい。台湾からの留学生は、母国で高校に一度入学しており、高校野球の規定で全国大会は春までした出場できない。蔡は、春の選抜が最後の大会となることで、規定について話題なった。
そんな蔡よりも前に野球留学で台湾より来日し2度甲子園出場を決めている呉承達(日南学園―鈴鹿国際大―関西独立リーグ)に話を聞いた。
呉は、台湾と日本の野球の違い、人気のポジションにいて語ってくれた。
「台湾は、DH制なので、投手が打たなくても良いのは違いますね」
「また、台湾で人気のポジションは遊撃手です。投手より遊撃手ですね」
これだけでも、とても興味深い。DH制なら野球に対する考え方もセリーグとパ・リーグのように大きく変わる。投手交代のタイミングや代打の起用方法も違ってくるだろう。日本のような二刀流と言われる選手はいるのか?など、色々な考えが頭に浮かぶ。
また、投手より遊撃手が人気のポジションというのは、アメリカの球児とも共通している。
そこで、MLBについて台湾の球児がどのように考えているのか聞いてみた。
すると呉は、
「MLBに行きたい!と言う夢を持つ選手が多いので、メジャー契約にこだわらずにマイナーでもMLBに入る選手も結構います」
と語ってくれた。王建民がヤンキースで活躍したことは記憶に新しい。
王のプレーをテレビやインターネット経由で見た球児がMLBに憧れを持つのも自然の成り行きなのかもしれない。
台湾の留学生であっても甲子園への思いは変わらない
台湾からの留学生が語る、甲子園への思い
最後に、もっとも聞いてみたい質問を投げかけてみた。
台湾からの留学生が[stadium]甲子園[/stadium]で感じたことは?
「[stadium]甲子園[/stadium]に夏・春と出場して、本当に良い経験になりました。残念ながら試合にでれませんでしたが、甲子園練習で打席に立った時のバッターボックスから見るバックスクリーン、観客席は素晴らしかったです。[stadium]甲子園[/stadium]は最高の場所でした。」
その感想には、日本の球児と同じ思いが込められているのがわかった。
そして、笑いながら
「でも、[stadium]甲子園[/stadium]の黒土は洗いにくいですが…」
と言った呉のユーモアに彼の人柄を感じる。
台湾と日本の野球には、色々な考え方や取り組み方に違いがある。ただ、古くは日本統治時代に台湾代表として[stadium]甲子園[/stadium]を目指した球児たち、そして今野球留学として来日をして[stadium]甲子園[/stadium]を目指している球児たちの、[stadium]甲子園[/stadium]への思いは日本の球児たちと全く変わらない。