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努力を讃えたい四国地区7人衆は?寺下友徳氏が選抜!チーム特別賞には聖カタリナも!

2016.08.05

 7月29日、愛媛徳島両大会決勝を最後に四国地区開催の2015~2016年シーズン高校野球はその幕を閉じた。瞼を閉じれば香川県、徳島県、愛媛県、高知県……。様々な選手たちのプレーが目に浮かんでくる。
その中で今回は悩みに悩みながらも「努力を讃えたい7人」を厳選。四国地区限定「チーム特別賞」も添えて、激闘のシーズンを振り返ってみたい。

チームの柱として戦い抜いた!植田・三好・三瀬・山本!

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植田 響介(高松商)

■1.植田 響介(香川・高松商3年・捕手・181センチ85キロ・右投右打・東かがわ市立白鳥中出身)

 香川大会準々決勝丸亀戦での3本塁打でインパクトを与えた一方で、最も光ったのはリード面。浦 大輝多田 宗太郎の昨秋2本柱がけが、不調。さらに美濃 晃成も大会前最後の練習試合で骨折し、マウンドには長く立てない窮地にあっても、大熊 達也のよさを十二分に引き出し、決勝戦までチームを導いた。日本最高峰のリーグで戦うことが見込まれる進学先でも、ぜひ夏までに積み上げた思考と努力を続け、日本を代表する捕手になってもらいたい。

【選手名鑑】植田 響介

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三好 球太(観音寺中央)

■2.三好 球太(香川・観音寺中央3年・投手・171センチ60キロ・右投右打・観音寺市立観音寺中出身)

 ゲームキャプテンとして、エースとしてクールにチームをけん引し選手権香川大会では三本松英明などの強豪校を下しベスト4に進出。観音寺市内大会での不調を短期間で取り戻した調整力に加え、抜群の制球力でチームが仕掛けた守備ポジショニングの成功にも一役買った。「観音寺中央」最後の夏に下級生がスタメン中6名を占める純白のユニフォームが躍動したのも、三好 球太をはじめとする3年生たちの支えがあったからである。

【選手名鑑】三好 球太

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三瀬 純一(今治西)

■3.三瀬 純一(愛媛・今治西3年・一塁手・180センチ80キロ・左投左打・宇和ボーイズ出身)

 これまで何度も「大器」と称されながらも壁を破れない時期を過ごしていたが、3回戦の今治北戦では代打で[stadium]坊っちゃんスタジアム[/stadium]右翼席中段に運ぶ同点2ラン。試合には敗れたものの、スラッガーとしての意地を見せた。ホームランでダイヤモンドを一周しベンチに戻る前、あの厳しさで鳴らす大野 康哉監督が土下座ポーズをしながら恰好を崩し、笑顔で彼を迎えたシーンは、今も忘れられない。次のステージでもこの一打を自信に進んでほしい。

【選手名鑑】三瀬 純一

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山本 颯輝(今治北)

■4.山本 颯輝(愛媛・今治北3年・投手・180センチ69キロ・右投右打・今治市立南中出身)

 春以降に急成長。愛媛大会では右肩を痛めていた右サイドハンドエース・上谷 和大に代わって先発マウンドに立ち続け、チームのベスト4進出に大きく貢献。最速140キロをマークしたストレートと、スライダー・チェンジアップの切れ味はいずれも素晴らしく、このまま次のステージでも成長を続ければ、関西外国語大~ニチダイを経て広島東洋カープ入りした先輩・西原 圭大の後を追える可能性が非常に高い。

【選手名鑑】山本 颯輝

[page_break:まだまだ続く7人衆!山内・近藤・渡辺を選出!]

まだまだ続く7人衆!山内・近藤・渡辺を選出!

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山内 朝日(東温)

■5.山内 朝日(愛媛・東温3年・遊撃手兼投手・171センチ60キロ・右投右打・松山中央ボーイズ出身)

 愛媛大会では打力には定評がある一方で、投手陣に不安を抱えていた東温の救世主に。15打数4安打4打点と4番の大役を果たしながら丹 翔也との2本柱でチームをベスト4に押し上げた。特にリリーフで6イニング無失点、6三振を奪った聖カタリナ学園戦では最速138キロをマークするなど圧巻のピッチング。高い身体能力を満天下にしらしめた。その身体能力を活かし、ぜひ次のステージでも野球に打ち込んでほしい逸材である。

【選手名鑑】山内 朝日

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近藤 壱来(鳴門渦潮)

■6.近藤 壱来(徳島・鳴門渦潮3年・投手・177センチ66キロ・右投右打・阿南市立第一中出身)

 気迫を前面に出しての徳島大会決勝戦河野 竜生鳴門3年)との投手戦は、シーズンを通じてもトップ3に入る内容。140キロ前後のストレートとフォーク、スライダーの勢いも文句なし。これまで不完全燃焼だった実力を最後の夏にすべて出し切ってくれた。次のステージはよりシビアな力を求められる場所になる模様だが、気持ちの強さを安定して出せる心技体の準備を整え、本気でプロへの道を目指してもらいたい。

【選手名鑑】近藤 壱来

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渡辺 大晴(中村)

■7.渡辺 大晴(高知・中村3年・投手・171センチ63キロ・右投左打・高知県立中村中出身)

 高知大会の主役となった準優勝・高知中村のエース。これまでは130キロ前後のストレートで抑え込みに行き、痛打を浴びる場面が少なくなかったが、最後の夏を前に思考をガラリと変え、技巧派として高知高知中央の強打者たちを打たせて取り続けた。打者としても非凡なものがある渡辺。次の道は投手なのか?打者なのか?それとも……。動向を注視したい1人である。

【選手名鑑】渡辺 大晴

[page_break:チーム特別賞]

 もちろん、すべての四国地区高校球児・マネジャーたち、そして指導者・保護者のみなさん、高校野球にかかわるすべてのみなさん、すべてが努力したからこそ、熱戦は生まれてくれた。その場を借りて申し上げたい。「ありがとうございました」。最後に今回は以下を理由に4県5校にチーム特別賞を贈呈。すでに始まっている新たな戦い。次のシーズンもこの5校を上回る学校が出てくれることを心より願い、少しでもこれからの人生で戦い抜く上で糧となるものを得られる手助けができればと思う。

チーム特別賞!!

【香川県】

■香川県立高松商業高等学校
10月の秋季四国大会優勝、11月の明治神宮大会優勝。そして3月のセンバツ準優勝。高校野球の枠を超え、香川県民全体に「全国で戦える」活力を与えた功績は感謝以外にない。

■香川県立小豆島高等学校
「ボトムアップ」という新たな選手・チーム育成法を全国に提示しつつ、秋の香川県大会優勝。センバツ21世紀枠出場と結果も残す。「チーム小豆島」の一体感も感動を呼んだ。

【徳島県】

■徳島県立富岡西高等学校
秋の県大会初戦敗退から一気に春は県準優勝、四国大会出場。選手権徳島大会も準決勝へ進み、鳴門を終盤まで慌てさせる健闘。試合の流れを把握した頭脳的戦いが目を引いた。

【愛媛県】

聖カタリナ学園高等学校
4月に女子高から共学化に伴い創部。それからわずか3か月で選手権愛媛大会ベスト8。観戦者の高齢化傾向にある愛媛の高校野球に、これまでないファン層を開拓してくれた。

【高知県】

■高知県立中村高等学校
私学勢に怖気づき気味な県内公立勢に、打撃強化、細心の配球で最少失点に抑える勝利への道筋を提示。選手権高知大会での高知高知中央撃破、明徳義塾への健闘は見事。

(文=寺下 友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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