有利なのは先攻か後攻か?昨夏の甲子園のデータから読み解く
■有利なのは先攻か後攻か?昨夏の甲子園のデータから読み解く
甲子園で有利なのは先攻?後攻?
高校野球で有利なのは先制点を狙える先攻なのか、接戦の後半勝負でサヨナラもある後攻なのか。昨夏の甲子園を例にして調査してみた。
結論から言うと、全48試合の結果は先攻、後攻ともに24勝とまったくの五分であった。その内容をもう少し詳しく見てみると、昨夏は先取点の重みがかなり大きく、先制しながら逆転負けを喫したケースはわずか8試合。40試合は先に点を取ったチームが勝ち上がっており、その中の34試合は一度も相手チームにリードを奪われることなく勝利している。
それでは、先攻から思惑通りに先制できたケースがどれくらいあったかというと、48試合中28試合で全体の6割に届かない数字。ただ、1回表に得点を挙げたケースは15試合。また、各チームの初戦となった大会前半の25試合に限ってみると、先攻は16試合(全体の64%)で先制し逆転負けを喫したのは4校のみと一定の成果はあるようだ。
逆に後攻の戦いぶりを調べてみると、延長戦は先攻、後攻ともに2勝2敗と差はつかなかったが、サヨナラ勝ちは大会記録にあと1試合に迫る8試合と、かなり多かった。また、8回以降に逆転、または決勝点が入った試合は18試合あり、後攻の12勝6敗。勝率.667と狙い通りの戦いができている。
結局のところ、先攻、後攻それぞれに異なったメリットがあり、どちらかが圧倒的に有利だということはないようだ。
(文・大平 明)
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