いなべ総合に続け!私立校が優勢な昨今でも 公立校が活躍している都道府県は?
■私立校が優勢な昨今でも公立校が活躍している都道府県は……?
秋田の公立の雄といえば秋田商!
本日第一試合に出場するいなべ総合学園。今夏で甲子園は2回目の出場となったが、その名前から「私立校」だと思う方もいるかもしれないが、実は県立校だ。今年は、市立尼崎や嘉手納をはじめ、公立校が多く甲子園をにぎわしている。
今回は、2015年までの過去10年間の夏の甲子園に出場した公立校を都道府県(49地区)ごとに集計してみた。私学優勢の現在、公立校が甲子園に出場するのはなかなか難しい時代を迎えているが、データから見てもその傾向は顕著だ。ここ10年間、公立校が1回も出場していないのは南北海道、岩手、栃木、埼玉、神奈川、東東京、西東京、石川、大阪、島根、福岡の11地区。さらに範囲を広げ、公立校の出場が2回以下だったのは49地区中なんと30地区にもおよぶ。
逆に、公立校が6回以上出場し、私立校よりも多く甲子園に出ているのは秋田、岐阜、三重、富山、福井、山口、徳島、愛媛、佐賀の9県。これらの地区にはいくつかの理由が組み合わさっていると考えられるが、まず1つ目は実力的に抜きん出たチームがなく混戦状態が続いていること。つまり、ダークホースの公立校にもチャンスがある地区だ。三重と佐賀はこの10年間で7校、山口は8校が甲子園に出場。さらに富山は高岡商が08年と昨年の2回出場しているだけで、あとはすべて違う顔ぶれになっている(06年/富山福岡、07年/桜井、08年/高岡商、09年/南砺福野、10年/砺波工、11年/新湊、12年/富山工、13年/富山第一、14年/富山商、15年/高岡商)。
2つ目の理由は、古くからの伝統校がいまだに勢力を保っていること。岐阜は県立岐阜商がこの10年間で3回出場、福井にいたっては福井商が6回も出場。こうした伝統校の踏ん張りが、県内の他の公立校にも勇気を与えているのだろう。そして3つ目の理由は、夏の大会に出場している私立校の数が少ないことが挙げられる。例えば秋田は明桜と秋田修英の2校しか私立が出場していない。
そして、私立校がここ10年どころか春夏を通じて1回も甲子園に出場していないのが徳島県だ。これは鳴門、徳島商といった伝統校が今も強豪として君臨していることと、私立校が1校しか徳島大会に出場していないことが理由として挙げられる。ただ、その唯一の私立校である生光学園は県内でも上位の実力を持っており、例年、有力校の一つに数えられている。
さて、春夏連続出場を果たした公立校・いなべ総合は3回戦進出なるか?!その躍進に期待がかかる。
(文・大平 明)
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