目次

[1]「デュアル・テクノロジー」は縁の下の力持ち
[2]MLBの守備の名手が高く評価する「デュアル・テクノロジー」

 第3回はグラブ開発に携わる両氏が「縁の下の力持ち」に徹する理由など、「デュアル・テクノロジー」に込められた深い想いをお2人に話して頂きます!

「デュアル・テクノロジー」は縁の下の力持ち

グラブは「縁の下の力持ち」

――第2回でも話がありましたが、「デュアル・テクノロジー」をテストした選手からは具体的にはどんな声があがっているのですか?

日高 泰也氏(以下、日高):ほとんどの選手から言われるのは「捕球しやすくなった」「エラーが減りました」という意見です。これは私たちにとっては一番の褒め言葉です。「なんで捕球しやすくなったの?」と聞いても「わからないんです」という答えが返ってくるんですが、それでいいと思っています。

麻生 茂明氏(以下、麻生):プロの世界でもそうですよ。「こだわり」はリクエストできますが、「なんでよくなったか。捕球できやすくなったか」を理解している選手はなかなかいないと思います。

――それでも構わないんですよね?

麻生:はい。グラブは「縁の下の力持ち」でいいんです。

日高:打球をうまく捕球できない選手には「こんな型のグラブを使った方がいいのでは?」とアドバイスすることもあります。でも、「捕球しやすい。エラーが減った」と言ってくる選手には、一切その理由を言わないようにしています。

――「そんな理由は考える必要がない」ということですね。

麻生:「余計なことを考えることなく直感で捕球できる」。それこそ、私たちが考える守備の理想です。

日高:私たちは選手の守備力が上がるよう、技術と心理の両面からサポートする。そこが大事です。

麻生:私が長年アメリカで仕事をしてよかったと思うことがあります。私は30代で英語の勉強を始めたものですから、決して流暢に話せるわけではありません。でも、私が質問を繰り返すと、選手たちは何度でも丁寧に説明してくれる。その結果、グラブについてお互い突っ込んだ議論ができる。そんなやり取りの集積も今回の「デュアル・テクノロジー」に活かされていると思います。

――日米両国のノウハウが融合して完成したのが「デュアル・テクノロジー」ということですね。

麻生:そのとおりです。

日高:少しでも気になる点は1つ1つ改良を加えて仕上げた商品です。高校球児が日々の練習で磨いている守備力をさらに一段引き上げる。「守備は難しい」という心理的な悩みを払拭させる。そんなグラブになっていると思います。

麻生:1つだけ付け加えます。実はグラブのヒール(土手)の部分は、日高さんからの提案で、いままでの日本の型より少し狭くしています。それは地を這うようなゴロを簡単につかむようにするため。土手が広いと、イレギュラーのない人工芝の打球ならいわゆる「当て捕り」ができる反面、土や芝のグランドで必要な「つかむ動作」が難しいんです。日高さんは「日本の高校球児のためには、欠かせない改良」だと言っていました。本人は忘れているようですが(笑)。

日高:すっかり忘れていました(笑)。とにかく5年もの時間をかけて、細部までこだわり抜いて作りましたからね。

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