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3年生座談会 都立高島高等学校(東京)・後編「16年ぶりのベスト16の夏!チームへ変貌を追う」

2016.10.30

 初の甲子園出場を狙う都立高島の夏がついに幕を開けた。泣いても笑ってもこの夏が最後というところで都立高島野球部の打線が猛威を奮う。後編では夏の大会で見せたバッティングについて、そして2年半の高校野球について3年生部員たちに振り返ってもらった。

都立高島は代々守備のチーム!

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柴田 葵(都立高島高等学校)

――夏は5回戦までの勝ち上がりを見せましたが、その戦いぶりを振り返ってどうですか?

清水:目指している場所は甲子園だったので、負けたのは非常に悔しかったです。負けた都立江戸川戦(試合レポート)ではエース・山田選手の気迫に圧倒されました。こっちもヒットを打ってチャンスは作っていたのですが、山田選手のピンチでの気迫が凄かったです。あとはバントミスが敗因につながったので、そういった細かいミスで負けたというのは悔しいですね。

――4回戦まで[stadium]江戸川区球場[/stadium]でしたが、都立江戸川戦で[stadium]神宮第二球場[/stadium]になりました。ここへの対策というものは何かしましたか?

清水:朝、室内練習場で1時間ほど練習を行ったくらいでした。当然のことですけど[stadium]江戸川区球場[/stadium]と[stadium]明治神宮第二球場[/stadium]は全然違う感覚でした。

大竹:室内練習場と[stadium]明治神宮第二球場[/stadium]の芝も違うので、実際のところはアップで初めて触れた感じでした。

――夏は強打の印象が残った都立高島でした。

大竹:1回戦から打撃が抜群に良くてびっくりするくらいだったんですけど、冬の成果がここで出たなという感覚はありました。ただ、代々自分たちは守備のチームでやってきたので、秋とかは守備からリズムを作っていくという野球をやっていたのですが…。夏にこれだけ打てたのには自分たちもびっくりしました!

 3年生たち自身も予想外だったという強打のであったが、冬の2000本スイングの努力が実った証拠と言えよう。次は激しいシーソーゲームを繰り広げた戦(試合レポート)についても伺った。

[page_break:どんな相手にも自分たちの野球を]

どんな相手にも自分たちの野球を

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佐藤 魁(都立高島高等学校)

――3回戦でのとの対戦。粘り強いに対して試合前にどのように戦っていこうみたいなものはありましたか?

大竹:特別、だからというのは無かったですね。どこの高校相手でも自分たちの野球をやれば勝てるということを先生たちから言われていました。強いて言うと点を取られないことを意識していましたね。

――このシーソーゲームの展開でベンチの様子は?

清水:ベンチは…楽しんでいる様子でしたね。逆転はされなかったのでそういった感じだったのかもしれません。もし追い越されていたら気持ちとかが変わっていたと思います。

――8回裏に4点を取ったシーンがありましたけど、ここでの心境は?

全員:これで勝ちが近づいたという気持ちはありました。

藤原:けれど最終回にマウンドに上がって、ピンチになったので少し焦りました。

――試合後の気持ちはどうでしたか?

清水:試合後は疲れてしまいぐったりしちゃいましたね。ただ、この試合に勝って勢いが付いたというのはありました。ですから4回戦の青稜戦は全く緊張もせず冷静に戦えました。

 見ている側としては非常に見応えがあった試合だが、プレーしている側は相当なプレッシャーとも戦っていたのだ。
最後に、2年半の高校野球というものについて、今回参加いただいた6名に伺ってみた。

[page_break:2年半の高校野球を振り返って]

仲間とともに過ごした高校野球を振り返って

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藤原 一貴(都立高島高等学校)

――高校野球は自分にとってどういうものでしたか?

山崎:16年ぶりのベスト16で嬉しい気持ちだったのですけど、もっと上に行きたかったという気持ちもありました。ですが、16年ぶりに出したこの記録は良かったことだと思いますし、このメンバーで共に戦えた2年半は本当に良かったと思います。

柴田:中学生の時から怪我が多くて何回も野球を辞めようという時期があったのですが、都立高島に入部していいメンバー達に出会えて改めて野球の楽しさを実感できたので、楽しくもあり辛くもありの2年半でした。

大竹:高校野球を通じて感じたのは、自分がプレーしている中でも色々な人が支えてくれているなということです。チームメイトだったり、マネージャーだったり、先生だったり。家族だったり、地域の方だったり、そういった方々の支えがあったから終えられたと思うので、2年半の高校野球は感謝の2年半でした。

清水:1年生の時から怪我が多かったのですが、3年の時の怪我が一番成長が出来たと思っているます。怪我をしてベンチの外からチームを見るようになって、あいつはこうなんだ、こいつはこうなんだというのがはっきり分かるようになり、振り返るとあの時期は本当にいい時期だったと思います。キャプテンをやり遂げて本当に良かったと思いますし、3年生全員が良い人たちで、この良いチームでキャプテンをやらせてもらって感謝の気持ちでいっぱいです。もし戻れるならまた戻ってプレーしたいですね。

佐藤:2年半を振り返ってみると、楽しく野球ができたなと思います。練習や試合でも、良いプレーが起きたらみんなで声を出しながら褒めたりしましたし、支えあいながらここまで来ることができたのは高校野球ならではだと思います。充実した2年半でした。

藤原:自分も入学してすぐに怪我をして、野球を辞めようかなっていう時期もあったのですが、3年生が野球をしている姿を見ていると自分もやりたいという気持ちが生まれました。そういう気持ちが自分を奮い立たせて頑張ることにつながりましたし、この最高の仲間と戦えたことは本当に良かったことだと思います。また親への感謝であったり、野球ができている環境などへの感謝の気持ちを持つことができるようになれたので、人間的にも成長できたと思います。

 16年ぶりのベスト16という大健闘を見せた都立高島であったが、やはり甲子園出場に届かなかったことは悔しかったに違いない。今後、大学で野球を続ける人もいれば、野球は辞めて新たな夢へと突き進む人もいる。この2年半の経験を是非とも新たな人生の糧にしていってもらいたい。

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【僕らの熱い夏2016 特設ページ】

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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